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アンパサンドがインキュベーションにEIR制度を採用したワケ

アンパサンドのインキュベーション戦略(2)で説明した通り、ビジネスプランエントリーにEIR(客員起業家:Entrepreneur In Residence)を招くEIR制度を採用しています。

今回はなぜアンパサンドのインキュベーションプロセスにEIR制度を採用したかを詳しく説明していきたいと思います。


スタートアップの経営リソース

起業家にとってスタートアップを設立し事業を成長させることでPMF(Product Market Fit)までの道のりはとても険しく、それは時間との戦いでもあります。起業家は自己資金とプライベートの時間を事業開発に費やさなければいけません。それは設立時に投下した資本金が尽きる前に前に、キャッシュを増やさなければいけないという資本主義のルールのうえで経営しているからとなります。さらの多くの場合、特に初めて起業する場合は経営資源(経営リソース)と言われるヒト・モノ・カネが限定的です。

ヒトのサポート

特に不確実性の極めて高いビジネスアイデアを成功に導くにはヒトに頼ることが多く、起業家がどれだけ事業開発に集中できるかが成功の鍵となります。

パートナー:ビジネスプランを一緒になって考え推進してくれるパートナー
メンター:行き詰まったときに壁打ちしてもらえるメンター
エンジニア:ビジネスアイデアを実現するためのエンジニアリング
コーポレート:人材の採用、ファイナンス計画、契約書作成やPRなど事業開発以外の業務サポート

そのためには上記のような経営リソースのサポートがタイムリーに必要となります。

ベンチャーキャピタルなどから資金調達した場合、経営資源の中で主にカネが提供され、ヒトについてもメンターの機能は果たしてくれますが、パートナー、エンジニア、コーポレートなどの機能は限定的です。

カネのサポート

自己資金で起業しエンジェルラウンド。シードラウンドまで順調に資金調達ができビジネスプランが実現できていければ良いのですが、シェアオフィスを借りてパートナーやエンジニアを雇い本来集中したい事業開発に時間を避けずコーポレート管理に忙殺されることとなります。

調達したキャッシュはあっという間に減っていきます。EIRの場合オフィス環境やコーポレート機能を格安(場合によってはゼロ)で提供されるので固定費用が限定的となり経済的です。

独自起業とEIRのタイムライン

起業家によっては纏まった自己資金が用意できない場合、理想的な資本政策が描けないことからエンジェルやシード系ベンチャーキャピタルなどから資金調達も困難になります。

EIRのメリット

あらためてスタートアップではいかに本業に時間を割けるかが成功の秘訣でです。
EIRの場合、起業家はビジネスプランを携えてインキュベータの門を叩くことでインキュベータから経営リソースが提供されます。これにより事業開発に集中できる環境が提供されることになります。

事業成功の観点から捉えると、独自起業は事業リスクはもとより採用リスクや資金調達リスクなど多くのリスクをマネージしながら経営を進め成功に導くハイリスク・ハイリターンとなりますが、EIRの場合リスクを最低限に抑えながら成功を収めることのできるローリスク・ミドルリターンとなります。

EIRと独自起業の比較表

EIRの成功例

今回アンパサンドでEIR制度を採用した大きな理由は、起業家の情熱と才能を解き放つためのシステムとして筆者が在籍していたネットエイジでのEIR制度は成功事例が多く起業家にとって極めて有効な制度だったからです。もう一点付け加えると30代を超えるとそのライフステージから経済的な観点から起業したくても起業に踏み切れないアントレプレナーに機会を与えることが挙げられます。

ネットエイジのEIR成功例(スピンオフした事業含む)

アントレプレナーのみなさんへ

アンパサンドでは通年にわたりEIRを募集しています。このnoteをお読みいただきアンパサンドに興味をもったアントレプレナーのみなさん、「まずは話を聞いてみる」カジュアルな感じで構いませんので、インキュベーションプログラム「Sand Hill Road」のエントリーフォームから気軽にコンタクトいただければと思います。

ちなみにキュービックのEIRの場合、纏まった自己資金がなくても起業できるプランも用意しています。


Ampersand Company Profile



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