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アイデアと猫
猫というのは非常に気まぐれな生き物である。
さっきまで嬉しそうに撫でられていたのに、次の瞬間には手に噛み付いてくる。耳をピンと立てて、もう触らないでと拒否されてしまう。でも、撫でられてる時の可愛い顔や脚の上に座りにくる姿を思い出してはひたすらに愛でてしまうのだ。
そんな猫愛好家な俺だが、猫と時間をともにしているうちに、猫に懐かれる1番の方法は「構わないこと」だと学んだ。寝ている時に触ったり、嫌がっているのに抱っこしたり。当たり前なのだが、つい可愛くてやってしまう。
猫に好かれるには、猫に対してある程度無関心でいることが大事なのだ。
しかし、じゃああっちが構って欲しい合図を出すまでひたすらに無関心を貫けばいいのかというと、そういうわけではない。
いざ構ってもいいとなった時にきちんと構えるように、準備をしておくのが大事だ。観察するともいえる。例えば、うちの猫はお腹がすくとキッチンのカウンターに登ってくるという習性がある。
無関心を貫いてしまうと、このような猫のクセを観察できず見逃してしまう。だから無関心のフリをする。実際に構うのではなく、猫が自分を必要としていないときは何がしたいのか、何を欲しているのかの理解に努めることが必要なのである。
アイデアというのも猫と同じ習性を持っているのではないかと思う。
「何かないかな」とアイデアをひねり出そうとすればするほど出てこず、たとえ出たとしても大したアイデアではないことが多い。
むしろ、アイデアとは突発的で、偶発的なものだ。
無理やりひねり出すのではなく、勝手に出てくるのを待つ。便意と同じだ。出そうにないのに無理やり出すことなんてしない。
アイデアに対しても、「構わない」という姿勢が求められる。
ただ待っているだけではもちろんダメなので、アイデアが構ってくれやすい環境を整備しておく。
脳は無意識下でも思考を行っているため、ぼーっとする時間を増やしたり(シャワーとか散歩とか)、読書などで様々な情報に触れることでアイデアが出やすくなったりするらしい。
こんな感じで構ってくれれさえすればこちらはすぐにでもお世話できますよという状況にしておく。
そして、いざ構ってくれた時にはとことん構ってあげる。
「人は猫やアイデアのお世話をさせてもらっている」という姿勢を忘れてはならない。
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