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現代企業経営の命題解決に根本からアプローチする「シン・組織モデル」とは

私はこれまで、グローバル展開する数千人規模の上場企業や急成長スタートアップで事業と組織の成長に向き合い多角化経営に挑戦/実践してきました。
このnoteでは、その中で感じてきた旧来型経営/組織モデルの限界とそれに代わる可能性を秘めた新しいモデルについて書いてみたいと思います。

前編では企業が向き合う命題の変遷(2010年代前半~現在)を整理します。

目次

  1. 企業が向き合う命題の変遷

  2. 2010年代前半の企業経営命題を振り返る

  3. 命題と向き合う中で感じていた「難しさ」

  4. 命題と向き合う中で感じていた「違和感」

  5. 現在(2023年)の企業経営命題を整理してみる

  6. 違和感から焦燥感へ|現在の命題は対処アプローチは通用しない

企業が向き合う命題の変遷

2010年代前半の企業経営命題を振り返る

私が経営ボードメンバーになった2010年代前半時点で多くの企業が向き合っていたであろう経営命題は以下のように表現できるかと思います。
※注:本編全てがあくまで私個人の視点と経験値を基に整理したものです。


  1. 象限①メガトレンド適応
    世界が加速度的にボーダレスになりGlobalでのビジネス拡大が加速。その他Mobileやクラウドの登場で社会/事業環境が急速且つ大きく変化していた。企業はそのメガトレンドに適応し事業機会とすることに躍起だった

  2. 象限②選択と集中でシェア拡大
    メガトレンド適応に必要な投資原資を素早く継続的に獲得する為に、成長性は高くなくても短期的収益性が高い事業=Cash Cow (※金のなる木とも言われる) を選択し資源を集中しシェアを拡大していた。全社的な経営アジェンダの中でも結果的にこの象限②が優先されることが多かった

  3. 象限③人的資源管理の追求
    経営の重要ファクターである「ヒト」を資源、つまりリソースとして活用するコストと捉え、いかに効率的なコスト構造に変えていくか?=人件費を抑制できるかが共通テーマだった

  4. 象限④組織の求心力強化
    社会/事業環境の変化(メガトレンド)へ対応する中で遠心力が働きやすくなる組織の求心力を強くすることで経営計画の推進力を担保していた

命題と向き合う中で感じていた「難しさ」

振り返るとこれら命題一つひとつに挑むことも難しかったのですが、更に苦悩したのが4つの命題感にある構造問題でした。
環境変化に合わせた未来創造の起点であり最も不確実性の高い 象限①(メガトレンド適応)が、他3つの象限それぞれとの間にパラドックスを抱える構造だったのです。

パラドックス1.|象限①(事業領域拡大)⇔ 象限②(選択と集中)メガトレンドに適応し未来を創造する為に事業領域を拡大したいけど⇔足元の収益を確保するためには既存領域の選択と集中が必要パラドックス2.|象限①(人材配置分散)⇔ 象限③(人的資源管理)メガトレンド適応領域に人材を配置したいけど⇔不確実性高い新規探索領域へ人材を分散配置することは人的コスト効率としては悪化するパラドックス3.|象限①(遠心力が働く)⇔ 象限④(求心力強化)組織に遠心力を働かせて象限①の探索を推進したいけど⇔比較的不確実性の低い事業計画(選択と集中/人的資源管理による収益性向上)を強く推進するためには求心力を高めたい

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