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サンフランシスコで写真を楽しむ FOG Design+ART

今月はフランスでパリフォトが開催されたので、InstagramやYouTubeでその様子を垣間見ることができてかなり楽しめました。世界中からギャラリーや出版社が一堂に集まって写真や写真集を展示販売する様子は圧巻ですね。最近、海外での写真文化にとても興味があるので、一度行ってみたいイベントです。

San Francisco FOG Design+ART 2023

パリフォトと比較するのはどうかと言われそうですが、私が住むシリコンバレー近郊だとサンフランシスコでFOG Design+ARTというイベントがあります。ニューヨークやロサンゼルスなどアメリカ全土から多くのギャラリーが集まるのですが、パリフォトのように写真専門ではなく、名前の通りアートやデザイン系の作品の展示販売がメインで、写真はごくごく僅かです。

今年は1月に開催されました。前にも書いたサンフランシスコの写真専門ギャラリーFraenkel Galleryが出展するとInstagramに投稿しているのを見て、初めてこのイベントのことを知りました。杉本博司氏の写真も展示してあるとのことだったので、これを目当てに行くことにしました。今回はその様子を振り返ってみたいと思います。

会場はゴールデンゲートブリッジに程近いFort Maison Centerという歴史的建造物を改造したイベントホールです。以前にSF Coffee Festivalで来たことがあります。有料のイベントなので事前にチケットを購入する必要があります。(今確認してたら38.66ドルでした。結構高いです。)

入り口でチケットをスキャンしてもらい中に入ると、デザイン関連のイベントっぽく色鮮やかなロビーがあって、その奥には各ギャリーのブースがずらりと並んでいました。出店数はかなり多かったです。先ほども書いた通りメインはデザインやアートのギャラリーなので私にはちょっと敷居が高い感じ。まずはFraenkel Galleryのブースを探すことにしました。

SF FOG Design + Art 2023会場入口
会場の入り口を入ったところ
出展していたギャラリーはこんな感じ


Fraenkel Galleryのブース

Fraenkel Galleryのブースはかなり奥の方にありました。ブースには、正面中央に杉本博司の海景シリーズの一枚がドンと展示されていました。この作品は「Lake Superior, Eagle River 2003」で、海面に濃淡があってコントラストが高めの海景の一枚です。貫禄があります。また入口左側には杉本博司の数理模型も置かれていました。

杉本博司以外にも、ベッヒャー夫妻、ダイアン・アーバスなどの著名な写真家の作品も展示販売されていました。これ以外にもアウグスト・ザンダーが1927年に撮影した肖像写真のほか、1887年にエドワード・マイブリッジによって撮影された連続写真など歴史的に貴重な写真もありました。一体いくらで売買されているんだろう?と、とても気になったのですが勇気がなくて聞けませんでした。

少し話が脱線しますが、エドワード・マイブリッジはwikiによるとイギリス生まれですが、アメリカに移住してサンフランシスコで出版に関わっていたんですね。カリフォルニアの当時の州知事でスタンフォード大学の創始者であるリーランド・スタンフォードから、馬が走る時に4本とも足が地面につかない瞬間があるかどうか撮影してほしいという依頼があったらしい。この辺りを深掘りしていくと、カリフォルニアと写真の歴史の関連性について考えるヒントがありそうで興味深いです。

正面中央に置かれた杉本博司の海景


入口左に置かれた杉本博司の数理模型


Fraenkel Galleryのブースの様子


ダイアン・アーバスの作品



エドワード・マイブリッジの連続写真


他のギャラリーで展示されていた写真

FOG Design+ARTではデザインやアート系のギャラリーがほとんどで、写真を専門に扱っているのはFraenkel Galleryだけでした。しかし、展示ホールを歩いていると、アート系の作品に混ざって杉本博司の写真を扱っているところもあることがわかり、頑張って探してみることにしました。

Anthony Meier Galleryのブースに、杉本博司の海景シリーズの「Bay of Sagami, Atami, 1999」、Marian Goodman Galleryには「Past Presence 071, 2016」がありました。杉本博司の写真がアートとして高く評価されていることがわかります。

杉本博司以外では、森山大道と荒木経惟のポラロイドサイズの写真をずらりと壁に展示しているブースがありました。写真に関してはこれくらいだったと思います。

杉本博司の海景「Bay of Sagami, Atami, 1999」


杉本博司の「Past Presence 071, 2016」

このような感じでFraenkel Galleryと杉本博司にフォーカスしてFOG Design+ARTを見て回りました。写真の数は少なかったのですが、なかなか貴重な写真に遭遇する機会となり個人的にはかなり楽しめました。

FOG Design+Artは2024年も1月18日から21日にかけて同じくFort Maisn Centerで開催される予定になっているので、また出掛けてきたいと思います。

ついでに

余談ですが、会場には物販コーナーがあって、サンフランシスコのInner RichmondにあるPark Lifeによって運営されていました。Park LifeではApartureなどから発行された最新の写真集や、サンフランシスコっぽいデザインのTシャツなどが売られているので時々出かけます。今回はFOG Design+Artのイベント用に限定トートバックが売られていたので、ついつい買ってしまいました。厚手の素材でかつデザインも良く気に入って使っています。

Park LifeのFOG Design+Art限定トートバック


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