《読書メモ》『スクラップ・アンド・ビルド』/羽田 圭介著
昨日投稿した『傲慢と善良』よりも先に読み終わっていた作品ですが、あらゆることを考察していった結果、自分が誰がわからなくなってしまったので、せめて備忘録だけでも、と。
まずはこの一文から。
なぜ、この一文が印象に残っているのか。
『「北向きの部屋(家)」ということがわかり、かなり興奮した。』
ただ、それだけのことなんですよね。
当小説の始まりの文章でもあるんですが、時間・季節・天気といった情報がなく、この文章を書くことで「日当たりの悪さ」がイメージしやすくなってるような気がします。
たぶん、羽田先生の意図とはちがうかもしれませんし、芥川賞作家の一技術かもしれませんが、個人的には好きな文章です。
さて、当著は第153回芥川賞受賞作品です。
文庫文150ページほどで、日常生活を切り取った内容ですので読みやすく、読書の苦手な方にもオススメな小説です。
転職を考えているまたは、転職中の20代後半の方(どちらかというと男性)には、特にオススメです。
さらに、ポエトリーリーディング・狐火さんの「27歳のリアル」を聴けば、20代後半で人生悩んでる方は勇気と活力をもらえると思います。
ちなみに、ぼくのような人間はこの2つじゃ足りません。汗
というのはさて置き、最後に印象に残っている文章を1つ載せて、終わりたいと思います。
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