cocokara|小松ごろう

『症状』よりも『人間』を観ることが大切。「人間としての痛み(トータルペイン)は何か?」…

cocokara|小松ごろう

『症状』よりも『人間』を観ることが大切。「人間としての痛み(トータルペイン)は何か?」「私たちはどのような身体を目指すべきなのか?」を少しでも明らかにすることがミッション。自律神経の研究。あと考古学が好き。http://www.cocokara-s.com

マガジン

  • オステオパシーのnote

    オステオパシーの勉強用ストック。

  • 「健康」だから何?

    我々のような健康産業は「健康のために○○すべき」を押し付けているのかも、と思うことが多々あります。ヘルスハラスメント、ヘルハラですね。健康を達成するために痛みや苦しみ、我慢を与え、楽しみ、快適さを奪うことを正当化している可能性さえあるのです。 たしかに楽しみ、快適さを犠牲にすることである種の病気を避けることができるのかもしれません。しかし楽しく快適に過ごすための健康なのに、日々の楽しく快適な一瞬一瞬を大切にしないことは本末転倒であると言えます。 したがってココから整体としては人生を充実させる様々な要素を度外視して「健康」を強いることに疑問を持たなければならないと考えています。 では「健康」以外にどのような要素を考えなければいけないのでしょうか?それが今回のテーマです。

  • 美しき生命の不思議

    生命の美しさは外観にとどまらない。内側には驚きと不思議の世界が回っている。目には見えない美が満ちている。 そんな美しき生命の世界を知っていただくため。

最近の記事

頬骨

脳頭蓋と顔面頭蓋をつなぐキーポイントである。→脳頭蓋の機能障害でも顔面頭蓋の機能障害でも2次的に頬骨の機能障害が出ているかも。 コンタクトスポーツや事故により外傷を受けやすい。→過去の既往歴をよく聞く。 咀嚼筋と相互に影響する。→噛み合わせ、咀嚼、顎の問題を起こしているかも。 眼窩を構成している。→目の大きさの左右非対称を観察せよ。 隣接する骨 上顎頬骨縫合 蝶形頬骨縫合 側頭頬骨縫合 前頭頬骨縫合 生理的運動MRP吸気 矢状面上で前方回旋(眼窩縁が前下方) 前額

    • 頭頂骨

      解剖隣接する骨 前頭骨…冠状縫合 側頭骨…鱗状縫合、頭頂乳突縫合 後頭骨…ラムダ縫合 蝶形骨…プテリオン 対側の頭頂骨…矢状縫合 それ以外 大脳鎌 小脳テント 中硬膜動脈 頭頂葉 生理的運動MRP吸気では ・水平面上で内旋しながら外方、 ・前額面上で下方移動しながら外転、 ・矢状面上で後方へ MRP呼気はその反対 頭頂骨の動きは頭蓋の前後径に影響する。 鑑別小児の縫合早期癒合症 オステオパシー機能障害分類 縫合の制限 MRP運動制限 MRP運動の非対称 機

      • 側頭骨

        1.隣接する骨後頭骨 後頭乳突縫合 錐体基底部縫合 錐体頚静脈縫合 頭頂骨 頭頂乳突縫合 頭頂鱗部縫合 蝶形骨 蝶鱗縫合 蝶形錐体縫合 ※グルーバー靭帯 頬骨 頬側頭縫合 下顎骨 TMJ 2.隣接する構造物側頭骨は以下の構造物と関係している。したがって側頭骨の可動性喪失があればこれらの構造にも問題を起こす可能性がある。 中硬膜動脈 頚静脈孔 動眼神経 滑車神経 三叉神経 外転神経 顔面神経 内耳神経 舌咽神経 迷走神経 副神経 小脳

        • 空回腸のオステオパシー

          脂肪、炭水化物、タンパク質、ビタミン ミネラル、水分の吸収。あと免疫の役割。 全長5~6メートルで2/5が空腸、3/5が回腸である。 空腸は垂直方向に、回腸は水平方向にループをつくる。 腸間膜によって包まれ、腸間膜根に付着する。 腸間膜根はADJ(十二指腸空腸曲)から回盲弁まで走行する。 1.解剖⑴体表解剖 腹部の広範囲で上行結腸の内縁から下行結腸の上を覆う。鼠径部、恥骨結合まで広がる。空腸の開始部である十二指腸空腸曲(ADJ)はL2左横突起の位置である。 腸間膜根はL2

        マガジン

        • オステオパシーのnote
          8本
        • 「健康」だから何?
          3本
        • 美しき生命の不思議
          6本

        記事

          後頭骨

          骨化後頭骨は発生学的に①鱗部②顆部③基底部の3パートに分けて考える。(図1) 3-5歳→鱗部、顆部の骨化 7-8歳→基底部の骨化 18-25歳→蝶形後頭底の骨化 斜頭の治療は5歳までに 舌下神経管の治療は8歳までに SBS剪断の治療は25歳まで 行うことが望ましい。 斜頭→後頭骨鱗部をチェック 自然分娩では母体の恥骨結合を軸に後頭-環椎の伸展と圧迫が起きるため、後頭骨鱗部上部と下部の間に圧縮障害が起きやすい。(図2) 圧縮による左右差は斜頭症になる可能性がある。 乳

          胃・食道のトラブルと姿勢

          低い作業台で長い時間デスクワークをしていると胃・食道の負担になることがあります。なぜならそのような姿勢は胃・食道がずっと圧迫されることになるからです。また腹圧が高くなることにもなります。順番に見ていきましょう。 胃・食道がずっと圧迫される 胃の場所はわかりますか?だいたいみぞおちのあたりです。もう少し詳しい話をすると胃は肋骨の下縁を斜辺とした三角の中に収容されています。 この三角ゾーンはLABBE(ラベー)三角と言われています。ラベーさんが名付け親なんでしょうね(知らんけ

          胃・食道のトラブルと姿勢

          普通と異常を決める偉い人って誰? #3

          問いに帰ると「普通と異常の線引きをしているのは誰か」でした。 偉い人、つまり権力だ、と先に述べました。ここで言っている偉い人、権力というのは国家権力だ、マスメディアだ、ビル・ゲイツだ、とかそういうことではありません。 ここで言っている偉い人、権力というのは、社会の中で何か問題が起こった時にその原因を個人の身体に求め、「異常」を取り出して提示する人のことを指します。例えば「職場でメンタル、体調を崩している、でも休みの日は元気なるなんていう若者がいる。そういう職場が増えている

          普通と異常を決める偉い人って誰? #3

          普通と異常 #2

          前回の記事「江戸時代後期に誕生した健康」では、健康とは西洋医が客観的に観て「異常」が無いと判定された身体だということがわかりました。 しかしどこまでを「普通」とし、どこまでを「異常」とするのか決めることは容易ではありません。生物は機械と違って正常と異常の境界線が明瞭ではないのです。 ガン(癌 ※以下ガンと表記)を例にしてみましょう。一般的にはガン細胞があれば「異常」で無ければ「正常」だと考えてしまいますが、ゼロか一かではありません。全くのゼロということはなく誰の体でも一日

          江戸時代後期に誕生した健康 #1

          健康というと素晴らしいものだし幸せなことのように思えますが、どうして健康であることが問題になるのでしょうか?そもそも私たちは健康とは何か?を知りません。一人一人がなんとなくイメージしているモノがあると思います。しかしそれは定義化されていないのでイメージしているモノが個々にズレているかもしれません。 例えば健康のために「都会から田舎に引っ越して自給自足の暮らしをしています」という人もいれば「田舎から都会に引っ越して利便性の高い暮らしをしています」という人もいます。前者にとって

          江戸時代後期に誕生した健康 #1

          半月板

          半月(半月板)は膝の関節内にある線維軟骨です。 大腿骨と脛骨の隙間を埋め、床からの反力を吸収するクッションの役割があります。またどこにどのような圧力がかかっているのかを感知する感覚システムでもあります。半月板は圧力感知センサーが内蔵された衝撃吸収材だと言えます。 血管分布成人の半月では外側の15~20%にだけ血管分布があります(2010,Beaufils)。膝窩動脈の分枝である、内側下膝動脈と外側下膝動脈によって栄養されています。出生時には半月全体(100%)に血管分布があ

          肩関節周囲炎(五十肩)

          肩関節周囲炎、四十肩、五十肩、凍結肩(以後は凍結肩で統一)という用語は, 自動的および他動的な可動制限を主症状とする状態を言います。 一般的に見られる筋、筋膜、靭帯の緊張による可動制限、俗に言われる「体が硬い」とは異なり、線維性の癒着によって可動制限が起きています。 線維性癒着は慢性炎症により生じます。炎症が起きると組織を修復するために、免疫細胞が働き線維芽細胞が刺激されコラーゲンが大量に作られます。そのコラーゲンが大量に沈着する、もしくは大量のコラーゲンが削除されないこ

          肩関節周囲炎(五十肩)

          肩甲下筋

          この筋は明確な外傷の契機がなくても、マイクロな損傷を受けていることが あります。 私見では、横向きに寝ながらスマートフォンを使用する習慣によって疲労性の損傷が起きるケースがよく見られます。 肩甲下筋の腱は上腕骨小結節に停止していますが、肩関節包にも線維を癒着させています。(棘上筋、棘下筋、小円筋の腱も肩関節包へ癒着しており、これらは連続性がある。) また肩甲下筋と関節包の間には滑液包があるので、滑液包を巻き込んだ炎症を引き起こすこともあります。 線維の走行、上腕骨への

          私たちは適応することができる

          シリアンハムスターの変身シリアンハムスターは寒いと体をブルブルとふるわせる。人間も同じだが、なぜブルブルとふるえるのだろう。 結論から言えば、これは熱を生み出すためだ。 体が冷えてしまうと命が危うい。体温を維持しなければならないので体内で熱を作ろうとする。 熱を作る装置は筋肉。筋肉を使うと熱が発生する。 運動すると体がじんわり暖かくなる感覚があると思う。筋肉によって熱が発生しているせいだ。 シリアンハムスターも寒冷地では筋肉を小きざみにブルブル動かすことで熱を作ろう

          私たちは適応することができる

          子宮摘出と仙骨のゆがみの関係

          特に驚いた様子は無い。 たいてい仙骨の歪みが子宮と関係していると聞けば、意外な顔をしたり、驚いたりするが、この女性は淡々と話を聞いている。 仙骨の歪みが治らない仙骨は骨盤の真ん中に位置している骨だ。この骨の歪みは頻繁に腰痛を引き起こす。 この女性も仙骨に歪みがある。 突然、背中から腰にかけて調子が悪くなったらしい。 通常なら仙骨は30度ほど前に傾いているのだが、傾きがおかしい。 むしろ体育座りしているかのように、後ろへ傾いている。(実際にはごくわずかな差だが)

          子宮摘出と仙骨のゆがみの関係

          ストレスが無いと「廃」になる

          おじいさんにフラれる10数年前、横浜に住んでいた頃。ちょっと苦戦していそうなおじいさんを見た。 そのおじいさんは痩せ気味で身長は高く、動きはゆっくりとしている。自転車を押して車道から歩道に乗り上げようと踏ん張っていた。 見たところ、買い物帰りだろう。 前のカゴには西友の袋が。後ろの荷台にはダンボール箱がしばりつけられている。ダンボールの中にもいろいろ入っていそうだ。 この重たそうな自転車を力いっぱい押して、歩道まで乗り上げようとしている。 段差そこまでではない、5セ

          ストレスが無いと「廃」になる

          生物はストレスをエサにしている

          右鎖骨が太い子供の頃、柔道を習っていた。 小学校2年生のころだったと思う。 練習中に投げられ、宙を舞った。 右肩から畳に叩きつけられ、その衝撃は口の中まで響いたことを覚えている。 しかしそこまでの痛みは感じない。すぐに起き上がって相手を掴みに行った。 異変を感じたのは練習後、 師範の先生に見てもらうと、どうやら骨折だ。 肩からの衝撃が波及して鎖骨が折れる、これは鎖骨骨折の典型例。 骨というのは折れたところを近づけて固定し、そっと待っていると自然治癒する。 本来

          生物はストレスをエサにしている