cocokara|小松ごろう

『症状』よりも『人間』を観ることが大切。「人間としての痛み(トータルペイン)は何か?」「私たちはどのような身体を目指すべきなのか?」を少しでも明らかにすることがミッション。自律神経の研究。あと考古学が好き。http://www.cocokara-s.com

「健康」だから何?

我々のような健康産業は「健康のために○○すべき」を押し付けているのかも、と思うことが多々あります。ヘルスハラスメント、ヘルハラですね。健康を達成するために痛みや苦しみ、我慢を与え、楽しみ、快適さを奪うことを正当化している可能性さえあるのです。 たしかに楽しみ、快適さを犠牲にすることである種の病気を避けることができるのかもしれません。しかし楽しく快適に過ごすための健康なのに、日々の楽しく快適な一瞬一瞬を大切にしないことは本末転倒であると言えます。 したがってココから整体としては人生を充実させる様々な要素を度外視して「健康」を強いることに疑問を持たなければならないと考えています。 では「健康」以外にどのような要素を考えなければいけないのでしょうか?それが今回のテーマです。

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江戸時代後期に誕生した健康 #1

健康というと素晴らしいものだし幸せなことのように思えますが、どうして健康であることが問題になるのでしょうか?そもそも私たちは健康とは何か?を知りません。一人一人がなんとなくイメージしているモノがあると思います。しかしそれは定義化されていないのでイメージしているモノが個々にズレているかもしれません。 例えば健康のために「都会から田舎に引っ越して自給自足の暮らしをしています」という人もいれば「田舎から都会に引っ越して利便性の高い暮らしをしています」という人もいます。前者にとって

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普通と異常 #2

前回の記事「江戸時代後期に誕生した健康」では、健康とは西洋医が客観的に観て「異常」が無いと判定された身体だということがわかりました。 しかしどこまでを「普通」とし、どこまでを「異常」とするのか決めることは容易ではありません。生物は機械と違って正常と異常の境界線が明瞭ではないのです。 ガン(癌 ※以下ガンと表記)を例にしてみましょう。一般的にはガン細胞があれば「異常」で無ければ「正常」だと考えてしまいますが、ゼロか一かではありません。全くのゼロということはなく誰の体でも一日

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普通と異常を決める偉い人って誰? #3

問いに帰ると「普通と異常の線引きをしているのは誰か」でした。 偉い人、つまり権力だ、と先に述べました。ここで言っている偉い人、権力というのは国家権力だ、マスメディアだ、ビル・ゲイツだ、とかそういうことではありません。 ここで言っている偉い人、権力というのは、社会の中で何か問題が起こった時にその原因を個人の身体に求め、「異常」を取り出して提示する人のことを指します。例えば「職場でメンタル、体調を崩している、でも休みの日は元気なるなんていう若者がいる。そういう職場が増えている

オステオパシーのnote

オステオパシーの勉強用ストック。

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半月板

半月(半月板)は膝の関節内にある線維軟骨です。 大腿骨と脛骨の隙間を埋め、床からの反力を吸収するクッションの役割があります。またどこにどのような圧力がかかっているのかを感知する感覚システムでもあります。半月板は圧力感知センサーが内蔵された衝撃吸収材だと言えます。 血管分布成人の半月では外側の15~20%にだけ血管分布があります(2010,Beaufils)。膝窩動脈の分枝である、内側下膝動脈と外側下膝動脈によって栄養されています。出生時には半月全体(100%)に血管分布があ

肩関節周囲炎(五十肩)

肩関節周囲炎、四十肩、五十肩、凍結肩(以後は凍結肩で統一)という用語は, 自動的および他動的な可動制限を主症状とする状態を言います。 一般的に見られる筋、筋膜、靭帯の緊張による可動制限、俗に言われる「体が硬い」とは異なり、線維性の癒着によって可動制限が起きています。 線維性癒着は慢性炎症により生じます。炎症が起きると組織を修復するために、免疫細胞が働き線維芽細胞が刺激されコラーゲンが大量に作られます。そのコラーゲンが大量に沈着する、もしくは大量のコラーゲンが削除されないこ

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肩甲下筋

この筋は明確な外傷の契機がなくても、マイクロな損傷を受けていることが あります。 私見では、横向きに寝ながらスマートフォンを使用する習慣によって疲労性の損傷が起きるケースがよく見られます。 肩甲下筋の腱は上腕骨小結節に停止していますが、肩関節包にも線維を癒着させています。(棘上筋、棘下筋、小円筋の腱も肩関節包へ癒着しており、これらは連続性がある。) また肩甲下筋と関節包の間には滑液包があるので、滑液包を巻き込んだ炎症を引き起こすこともあります。 線維の走行、上腕骨への

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美しき生命の不思議

生命の美しさは外観にとどまらない。内側には驚きと不思議の世界が回っている。目には見えない美が満ちている。 そんな美しき生命の世界を知っていただくため。

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私たちは適応することができる

シリアンハムスターの変身シリアンハムスターは寒いと体をブルブルとふるわせる。人間も同じだが、なぜブルブルとふるえるのだろう。 結論から言えば、これは熱を生み出すためだ。 体が冷えてしまうと命が危うい。体温を維持しなければならないので体内で熱を作ろうとする。 熱を作る装置は筋肉。筋肉を使うと熱が発生する。 運動すると体がじんわり暖かくなる感覚があると思う。筋肉によって熱が発生しているせいだ。 シリアンハムスターも寒冷地では筋肉を小きざみにブルブル動かすことで熱を作ろう

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ストレスが無いと「廃」になる

おじいさんにフラれる10数年前、横浜に住んでいた頃。ちょっと苦戦していそうなおじいさんを見た。 そのおじいさんは痩せ気味で身長は高く、動きはゆっくりとしている。自転車を押して車道から歩道に乗り上げようと踏ん張っていた。 見たところ、買い物帰りだろう。 前のカゴには西友の袋が。後ろの荷台にはダンボール箱がしばりつけられている。ダンボールの中にもいろいろ入っていそうだ。 この重たそうな自転車を力いっぱい押して、歩道まで乗り上げようとしている。 段差そこまでではない、5セ

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生物はストレスをエサにしている

右鎖骨が太い子供の頃、柔道を習っていた。 小学校2年生のころだったと思う。 練習中に投げられ、宙を舞った。 右肩から畳に叩きつけられ、その衝撃は口の中まで響いたことを覚えている。 しかしそこまでの痛みは感じない。すぐに起き上がって相手を掴みに行った。 異変を感じたのは練習後、 師範の先生に見てもらうと、どうやら骨折だ。 肩からの衝撃が波及して鎖骨が折れる、これは鎖骨骨折の典型例。 骨というのは折れたところを近づけて固定し、そっと待っていると自然治癒する。 本来

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内なる力② つまり脅威と共に生きること

私たち人間を含めたあらゆる生物は古い細胞を壊し、新品の細胞と交換する「ターンオーバー」という力がある。この力のおかげで肌、骨、筋肉、内臓は健康を保っている。 では病原体が入り込んで体を攻撃されたらどうだろうか? いくらターンオーバーによって細胞を新品に取り替えても、すぐに病原体によって細胞は壊されてしまう。 壊している原因の病原体を今すぐに取り除かなければならない。そこで活躍するのが免疫システムだ。 簡単ではない自然との戦い 健康を保ったり、病気になっても治りやすい体