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「マインドトーク あなたと私の心の話」

先日、件名の本を読み終えた。

臨床心理士である著者が、ストレスケアに留まらず、自身の成り立ち、LGBT+の考え方などについて、述べている本。

私は下記の雑誌でみたらしさんを知った。この中で、ストレスは決して我慢しないで、気楽にカウンセリングを受けて欲しいと述べている。

でも、カウンセリングには時間もコストもかかるし、何よりも自分の話をすることに対するハードルが高いため、気楽にカウンセリングを受けるということが難しいのが実態だと思う。

でもこの本では先に述べた通り、著者の生い立ちや心の傷、臨床心理士を志すきっかけ、家族、また友人や現在の恋人との出会いなどを赤裸々に書いている。

「私は女性で、自分の人生に傷付いたり立ち直ったりしながら生きてきた、そんな『普通』の人間だ。あえてカテゴライズするならば、臨床心理士で、女性のパートナーがいるというだけ。でももしかしたら、その『ありのままの姿』で発信することが、時に誰かの心の拠り所になり得るかもしれない。だからこそ、私の知っていることを、学んできたことを、そして問題として捉えていることを、とにかく伝え続けようと思ったのだ。」(本書第1章より)

冒頭に書かれている通り、クライアントが主役であって、カウンセリングをする人が「黒子」であるべし、という原則をこの本は敢えて破っている。

でも自己開示することにより、相手が心を開くのと同じように、著者が自分を開示するからこそ、読んでいる内容がするする入ってきた。

現在のストレスケアに留まらず、過去の自分が持つ傷や、出来事を振り返る大切さや、LGBT+の多様な分類、また政治的な問題にも触れていてすごく読み応えがあった。

こちらにも関連する記事があったので、貼り付けておきます。



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