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【要確認】教員が法律違反!?おさえておきたい教育現場での著作権

普段、宿題や授業のためにプリント教材を用意することがありますよね?

インターネットやICTの技術が普及してきて、学校現場でもパソコンやタブレット端末等を使って、学習用のプリントや授業用の動画、学習発表会用の音源CDなどを作成することが多くなっているかと思います。

ただ、作成において使用している画像や動画、音源などを何も考えずに使っている教員が多いなと感じています。つまり、著作権に関することを何も知らずに使っているということです。

市販の教材をコピーして使用することもそうですし、運動会に使うBGMなども、本当に使用していいものなのかどうかを理解していない人が多いです。

一歩間違えば、損害賠償を支払わなければならない事態にもなりかねません!

そこで今回は、「絶対に知っておくべき!著作権と学校現場における著作物の利用」について紹介していきます。



著作権と学校現場における著作物の利用



著作権とは

まず、大前提として、著作権について紹介していきます。

「著作権」を簡単にまとめると、「創作したものを無断でコピーされたりインターネットで利用されない権利」のことを示します。

小説、音楽、画像、動画など、さまざまな著作物全てに著作権が適用されます。

著作物を創作した際に著作権は自動的に発生することになるので、著作権を得るために特別な手続きなどは不要です。


学校教育における著作物利用について

学校現場においても、もちろん著作権を守ることが求められていますが、一定の範囲内で著作物を利用したり、複製することが可能にもなっています。

これを理解しておくと、授業の内容に応じてうまく利用し、授業の質を向上させることにもつながっていきます。

ルールが多くあるため、一つずつ紹介していきます。


 (1)授業における複製とインターネット送信

コロナウイルスが流行し始めてから、オンラインでの授業を取り入れる学校が増えていました。実は、インターネットを使って授業用の資料を送信する際には特に注意が必要なのです。

基本的には、教育委員会や学校法人などがSARTRASへ保証金を支払うことによって、著作権者へは無許諾でも著作物を利用することが可能です。

例えば、ある人気歌手の曲を使って運動会のダンスをした動画を、インターネットを使って配信したとします。

この時、「リアルタイム配信」(生放送で、動画を保存したい時)と、「オンデマンド配信」(視聴できる人を限定し、視聴期間を設定し、終了後に即削除する)であれば、保証金を払った時点で実施することができます。

オンラインでの授業参観や運動会を行うときは、音源などに注意


しかし、動画を保存したりDVDなどにして配布する際は、無断で行うと著作権の侵害となります!

必ず、著作権者などの許諾が必要となります。

 (2)許諾が必要な事例

先ほど説明した保証金を支払って使用する事例は、あくまでの授業や学習活動に関することだけになります。著作物を利用する際に許諾が必要な事例を紹介します。

   ⒈ 学習ドリルをコピーしてプリントとして配布する


➡️著作者の営利活動を侵害する行為になりますので著作権違反となります。ドリルに「複製可能」などの記載がない場合は絶対やめましょう!

※気づかずに行っている人が多いです。訴えられたら確実に負けるので、リスクは避けましょう。


無料、フリーで使える学習プリントは、こちらから↓


   ⒉教員の会議の資料に著作物を使用する

➡️過去に、資料を読んでもらおうと、印象の強そうなキャラクターを使用していた人がいましたが、教育活動での使用ではないのでNGです

使う場合は、イラストやなどのフリー素材を使用しましょう


   ⒊授業を受ける人数分を超える部数をコピーする

➡️教育活動の中であっても、その授業を受ける人数分を超えて著作物を利用することはNGです。


   ⒋画像をクラウドサーバに残し、教員間で共有する

➡️教員間で共有することは授業とは無関係と見られます。また、クラウドサーバーに残すことも、違法なダウンロードに繋がりますのでNGです。

資料を共有したい場合は、Webページのリンクを教えるなどダウンロードしないような手法に変えましょう。

保存できるものと許諾が必要なものを見極めましょう

   ⒌授業動画をwebで公開し、誰もがいつでも見られる状態にする

➡️コロナが流行した際に、学校のホームページやYouTubeなどを利用して授業動画を公開した方もいらっしゃるかと思います。

自分も行いましたが、必ずパスワードを設定し、YouTubeであれば限定公開にするなどして、児童生徒や保護者だけが視聴できる形にしました。
誰もが視聴できる状態になることがNGです。

加えて、いつでも視聴したりダウンロードできる状態になるのもNGです。誰が視聴するかわからないため、犯罪にも繋がりなねません。

悪意のある人が視聴する可能性も・・・

※YouTubeにアップロードする際に、無断で著作物を利用し収益化してしまうこともNGです。


まとめ

著作権のルールを具体例を用いて紹介してきましたが、「この例はどうなのかな?」と一つ一つ事例を調べるのは大変です。

そこで、著作権を理解する上でこれだけはおさえてほしいことをまとめます。

(1)著作権者の営利活動を侵害しない活用をする

(2)いつでも誰でも視聴できるような資料や動画などに著作物を使わない

(3)授業や学習活動以外で使用しない

(4)  授業を受ける人数分を超えて使用しないこと

著作物の利用について知って適切に利用することで、授業の質が向上するのは間違いないと言えます。逆に知らずに利用していると、訴えられた場合は責任を負わなければなりません。

インターネットをうまく利用していくことも求められる時代ですので、著作権や情報モラルを理解し、適切に利用していきましょう。

今回参考にした文化庁の資料を記載します。細かいことはこちらも参考にして欲しいです。イラストもあり、とてもわかりやすいです。
(文科省の学習指導要領とかとは字ばかりなのでわかりづらく、比べものになりませんね)


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