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軽度知的発達障害児が特別支援学校に居場所を見つけるまでの長すぎる軌跡〈6〉就学支援会議の報告

就学相談4-集団行動観察/就学支援会議の報告・就学先の提案


就学相談での流れ

初回面談

WISC(知能検査)

集団行動観察

  就学支援会議の報告を踏まえての就学の提案←今回はここ

WISC、集団行動観察と就学支援会議の結果を踏まえて、2度目の面談が行われました。面談は就学相談の担当者2名と臨床心理士、私の4人で行われました。最初に臨床心理士によるWISC結果の説明があり、今の発達状況の課題を詳しく把握し、保護者に対して具体的な支援策を提案してきましたが、1年前に主治医のもとで受けたWISCの数値とほとんど変わりなく、苦手分野の説明や支援策についての所見も同じような内容にとどまりました。初回面談にて伝えた医者の意見である1年とほんの数週間前に受けているので受けれるけど内容にさほど変化はないと思われますと言われた通りの結果となりました。ただその数値というものが行政において通常級、特別支援学級、特別支援学校への就学というのを判断するときに重要になっているのは言うまでもありません。臨床心理士が退出したあと担当者二人との面談が続きました。

ーマイルドな敵現れる

集団行動観察について面談で伝えらえた内容も想定されるものばかりでした。担当者が「そわそわしてとにかく落ち着かない。名前を呼ばれると椅子の下にもぐったりしてしまうので、学校生活は45分間座ってなくてはならないので、こちらの判断としては特別支援学級となりました。」と伝えてきました。そこで私はおやっと思ったので、「初めての場所や環境、初めての人とのかかわりは難しいことは今までもそうなので想定内のことです。保育所等訪問の制度も利用していたので、幼稚園での集団での活動の時、座って活動も一緒に頑張ってますと担任から聞いているのですがそういった内容は引継ぎされていますか?そういうのを考慮していただいての判断ですか?」と聞きました。

それに対して「お母様がそうおっしゃるということは特別支援学級ではなく普通級をご希望ということですか?」と言ってきました。

そういうことではないんです。子どもにとってどの環境に身を置くことが最善なのかを一つ一つの要素を検討して、総合的に判断したいだけなのです。どの程度情報が共有されているか、就学前と就学後の支援が切れ目なく行われているのかということが重要であり、知りたい情報なのに、聞いたことに対して、普通級をご希望ですかと回答を濁されたことにいささか反感を覚えました。相手も私が普通級も検討していることが想定外で不快だったのかもしれません。

今後のnoteで述べますが、1年生の時は普通級で座って授業を受けていました。他のマイナートラブルはあっても、立ち歩きがあり困りますと言われたことはありませんでした。あの時の1時間で落ち着きがなく立ち歩くから支援学級が適と判断されたのなら、それは検討の余地があると思いました。

夫婦の考えとしては、勉強の面でついていけなくなるのは大前提だとしても、普通級で他の子どもたちと学校生活を送ることができるなら地元に友達も作りたいし1年生は普通級で挑戦させてみたいと思っていたので本当に迷っていると伝えたました。

しかし、その担当者は普通級に在籍した場合の懸念事項を矢継ぎ早に述べ、場は完全に特別支援学級で納得させようという雰囲気でした。まさに、直接「お宅のお子さんは支援学級の方が適してますよ」と述べるわけでもなく、マイルドにダメージを与えてくるようなタイプでした。面談の時間も1時間を過ぎようとしていたので早く終わらせたいのかなとさえ思いました。専門家の判断で特別支援級が子どもにとって一番良いということが間違いないと確信をもっていえるなら、是非そう言っていただきたいし、親の判断で決まりますなど言わずにこれでお宅のお子さんは決定ですと言えばよいと思います。

でも私のように、子どものポジティブな特性もネガティブな特性も1時間で判断できるわけではないという疑問を持っているならば、最後まで悩んだ方が良いと思うし、集団行動観察は問題行動やネガティブ=サポートが必要な側面を見つけるために行っているわけで、このようなポジティブな面がたくさんあるからむしろそこを伸ばすには特別支援学級が良いと思いますというような言い方にすれば、なるほどと納得できるものを言い方によって悩んでいる親の感情に寄り添うのと正反対のことをする相手には心を開きたくなくなってしまいました。

学校での生活を裏でサポートするのは親であるし、どちらの学級に在籍したとしてもうまくいかなかった場合や問題があった時に親の対応というのが必要になってくることもあります。その際、親が納得して就学先の決断をしていたら、責任をもって対応すると思いますが、反対に、人から決められた就学先で問題があった場合、どうでしょう。あの時の判断は正しかったのだろうか、就学先を決めたのは専門家の皆さんですよねというような気持が湧いてくるかもしれません。

ー他人の意見は鵜呑みにせず再考する

専門家の判断もさることながら、当時通っていた児童発達支援サービスのベテランスタッフからは「こんなにしっかりしているんだし低学年のうちは、絶対普通級で大丈夫よ。」と言われたこともありました。普通級に揺れていた私にとっては、応援してくれる人だったので共感してくれることに対して嬉しさはあったものの、私としては絶対大丈夫とは思わなかったし、普通級に在籍するとしたら勉強の進度を考えても1年間で限界だろうなと感じていましたし、いろいろサポートが必要になるなということもわかっていました。親身になってくれるかもしれないけど、あくまで他人の意見であり、自分の向かいたいと思う方向に向かって、背中を押してくれるような意見だと鵜呑みにしてしまいそうになりますが、自分の中でもう一度かみ砕いて考える必要があると感じました。児童発達支援サービスを使っている利用者は、事業所にとってはお客様なので、親の思っていることに対して反対意見は述べないかもしれませんしね。

ーただの言い間違え、それとも本心?

ただ、この時点では夫婦の考えとして幼稚園の時のように多くの子たちと関わらせたいことや、近所に友達を作りたい気持ちが大きいため1年生の間だけでも普通級で学ばせることに気持ちが傾いてることを伝えると「それなら校長と副校長、区の担当、教育委員会の担当との面談を持ちますのでそこで親御さんの意志を伝えて許可を取ってください。私の方から親御さんは特別支援級に行きたい旨伝えておきますので」と言われました。

こう言われた瞬間、この担当者が故意に言っているのか、それとも本当に話を聞いていなかったのか、はたまた心の声が出てしまったのだろうかと驚きを隠せず困惑しました。すかさず、もう一人の担当者が「違いますよ、普通級希望されていますよ」って突っ込んでいました。先ほどのコメントをした担当者は謝罪していましたが、あくまでも親御さんの希望で就学先は決まりますと言いながらも、新年度のクラス編成や特別支援学級に就学する場合は体験授業の日程調整などもあるため普通級に就学したいと親が言い出したことにネガティブな印象を持っていると思わざるを得ませんでした。

ー書面での回答がもらえないってどういうこと?

さらに驚いたことに、これらの全ての結果を書面でもらえると思っていたのですが、面談での報告のみとなりました。他の地域で就学相談を受けた友人は面談はおろか電話のみだったということも。書面で出せないということは、責任の所在を不明確にしたいからではないかとも思われても仕方無いことだと思うし、それならば最初から書面での報告はできませんのでと言われていたらすべてメモするなり録音できたのにと後の祭りでした。

結局、後日希望する学校の校長教頭に直接交渉ということになりました。本音としては、3か月にわたって面談やらWISC、集団行動観察をしてきたけどそれなら、最初から知能検査の結果と発達の課題などを学校に持参して校長教頭にプレゼンしたほうが良かったのではと思ったりもしたのでした。

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