見出し画像

生徒がピアノを選ぶなら・・・

「彼は何千人もの人に聴かせるように弾くが、
 私はただ一人の人に聴かせるために弾く。」
   By フレデリック・ショパン


先週の土曜日の話です。

ピアノの展示場に1組のお客様がきてくださいました。
6歳のピアノを始めたばかりの女の子とその弟くんと
ご両親の家族でした。

お母様はご実家にピアノをお持ちのようでしたが、
今住んでいる場所にそのピアノを持ってくるということが
難しいようで、お嬢さんのために
ピアノの購入を検討しているようでした。

そのご家族と展示場に現れたのが
私の勤めている会社で以前ピアノ講師をしていた先生でした。

2週間ぐらい前に突然ご連絡をいただき、
昨年の秋から自宅でピアノの講師を始めたということで
楽器を検討されているからということで
連絡をしてくれたのでした。

展示場に入ってすぐ生徒さんは
ピアノの数の多さに感激していただいたようでしたが、
一通り初めましてのご挨拶をしてから
実際に様々なピアノを触っていただくことになりました。

まだお嬢さんは始めたばかりで
ピアノはよちよち状態。
人前で弾くことにも慣れていない様子で
最初は恥ずかしがっていたものの、
少しずつ色々なピアノを触っては笑顔で演奏するようになりました。

そんな中、先生がピアノを選ぶために
弾いた曲は「トルコ行進曲」でした。

先生は先生なりに
このご家族のピアノを選ぶ際の力になれればと思って、
中古ピアノの品質や価格の違いを
ピアノを弾くことでどうやってお伝えすることができるのか?
ということを真剣に考えられたようで
前日にご相談のメールをいただいていました。

もちろん私が試弾の際に口頭で説明できることは
説明させていただくこと、
そして選曲の際には
1 響きの豊かな曲、
2 強弱の差をつける曲
3 音の粒を揃える必要がある曲
で試弾していただけるとピアノの特徴がわかります
とお伝えしました。

そして先生が演奏した率直な感想をお伝えいただくのが
1番のアドバイスになりますということも。

新品の商品と違い、中古の商品は
どの程度演奏されていたのかということは
実際に弾いてみないとわかりません。
また、ピアノ自体は寿命の長い消耗品であるため
見た目からではどの程度劣化しているかなどはわかりません。
経年の変化も車のタイヤなどのようには
見た目でわかるということが難しいものです。

ピアノを選ぶ際、生徒さんだけでは
不安な点も多く、先生が一緒にピアノを選んでくれる
ということで生徒さんの信頼を大きく得ることができます。

先生が一緒に選んでくれたピアノ
というだけで生徒さんにとっても、
生徒さんのご家族にとってもただ1台のピアノになりますし、
生徒さんへの先生からの思いも強くなっているような気がします。

もちろん時間的に難しいということも先生の中にはあると思いますので、
必ず生徒がピアノを購入するときに付き添ってとは言いにくいですが、
付き添っていただいた生徒さんにとっては
とても記憶に残る、そして先生の価値をとても感じれる
先生のことを好きになる瞬間だなと改めて感じた時でした。

実際、先生は在職中から人気のある先生でしたし、
生徒もしっかりとピアノを弾く生徒が多かった印象があります。

先生に対する生徒の信頼度が高い状態は
ピアノの生徒にとっても
長くピアノを続ける理由にもなりますし、
信頼度が高ければ高いほど生徒に伝えられるものも多くなります。

日常のレッスンだけでなく、
生徒さんが楽器を購入するということにも関心を持ってみることも、
レッスンの質を高めていくために重要な要素だということを
感じ取っていただければと思います。
———————————————————————————————————————
自宅でピアノの講師をされている方に向けて、
ピアノ教室の運営を安定させ、
そして生徒の音楽的成長を実現するヒントをお伝えします。


(リアル集客・オンライン集客・体験レッスン・指導のヒントなど)
近日中にオンラインレッスンの実施方法とポイントの
オンライン講座を公開します。
お楽しみにお待ちください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?