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悪い予感(トランプ氏暗殺未遂事件に関して)

あらかじめお断りしておきます。私は、明確な政治的スタンスを持ちません。米国大統領選挙について、民主党、共和党のどちらの側の支持者でもありません。

13日、ペンシルベニア州で、ドナルド・トランプ氏が集会で演説中に、100メートル以上の距離からライフルで銃撃された。銃弾はトランプ氏の耳を貫通。この事件によって、支持者の男性一人が、妻子に覆い被さって被弾したという。実に痛ましいことだ。

ほんの数センチ弾丸がずれていれば、トランプ氏の命は無かった。民主主義が根底から覆される事態に至らなかったことは、米国だけでなく、世界にとって幸運だったと言うべきだろう。

過去にピュリッツァー賞を獲得したカメラマンが撮った一枚の写真が話題になっている。シークレットサービスに取り囲まれる中で、彼らの制止を振り切るように、右の拳を高々と振り上げるトランプ氏。その背景は、青い空と星条旗がはためいている。

いかにもアメリカ人が好みそうなリーダー像ではないか。いかなる暴力にも臆せず闘う男の姿。この一枚の写真は、選挙戦に大きく影響を与えるだろう。

トランプ氏は、自分の支持者が、自分に何を求めているかを知り抜いている。こうした突発的な事態にあっても、自分を偉大な存在であることを示すことを忘れなかった。好き嫌いはともかく、彼のショーマンシップは大したものだ。

今回の事件で、共和党内に、事実上、トランプ氏を上回る候補者が完全にいなくなった。

一方の民主党はどうか。ウクライナの大統領を目の前に、「プーチン」と、致命的な言い間違いを犯したバイデン大統領に、撤退を促す動きが出始めた。では、その代わりは誰か?大統領に「トランプ副大統領」と言い間違えられたカマラ・ハリス?トランプ氏に勝つには、もっとインパクトのある人物、激戦州で勝てる人物が立候補する必要がある。

一人の犠牲者が出た事で、今は、両陣営ともに中傷合戦を控える雰囲気だが、選挙戦が本格化した後、また、非難の応酬が始まるだろう。同様の事件が起きるかもしれない。民主・共和両陣営が、この事件の真相を相手方の陰謀だと決めつけるような論調に発展する可能性もある。先進国らしい健全で公平な選挙戦が行われるかどうか未知数だ。

米国は、我が国と関係の深い国である。世界秩序のためにも、私の悪い予感が的中しないことを祈る。





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