彦根でチャレンジしたい人の『最初の拠点』に。南彦根駅前のコワーキングスペース1st.BASE
「どうして彦根にはコワーキングスペースが無いんだ!!!」
3年ほど前から彦根でWeb系フリーランスをしている筆者はずっと思っていました。
コワーキングスペースとは経歴や職種、肩書きがまったく違う人々が同じ空間を利用してそれぞれの仕事や勉強をする、そんな空間です。
しかしコワーキングスペースなどという小洒落た施設は大都会にしかないもので、彦根に住む私には縁がない。私は半分諦めの境地で、何年もカフェなどを転々としていました。
しかし彦根は都会だった。
2021年4月、コワーキングスペースがOPENしたのです!!
名前は『1st.BASE』
1st.BASE入口近くの看板(情報は2021年11月現在)
今回はオープンしてから半年ほどになる1st.BASEのオーナーに、いろいろな質問をする機会をいただきました。
カフェなどで仕事をしているフリーランスはもちろん、テレワーク中の会社員やテストのたび勉強場所探しに苦労している学生もぜひ参考にしてくださいね。
コワーキングスペースの魅力は人との出会い
1st.BASE外観
私「コワーキングスペースの魅力はなんだと思いますか?」
オーナー「コワーキングスペースの魅力は出会いにあると思っています。私はかつて守山のコワーキングスペースによく行っており、そこでは普段の何気ない会話からビジネスが生まれたり雇用が生まれたり、といった出来事が当たり前のようにありました。ビジネスに結びつくところまで行かなくとも、普通に暮らしていると出会えないような属性の人と知り合えることは人生に大きな刺激になるのではないでしょうか」
私「私個人としても1st.BASEではまったく知らなかった知識や気づきを教えていただけたり、悩んだ時に他の人の目線でアドバイスをいただけたりといったことがあって、本当にありがたく思っています」
オーナー「それにコワーキングスペースはイベントや面接の会場としても利用できます。カフェなどでは他の人の目が気になる、機密の情報がある場合などにはコワーキングスペースを利用する選択肢もあるのです」
ちなみに1st.BASEにも会議室があり、事前予約が必要なものの1時間1,100円(税込み)で借りられるとのこと。
1st.BASE会議室
また自分で事業を始めたい人がコワーキングスペースを利用することで、費用をかなり抑えられるとのこと。
たとえば事務所を借りて事業を始める場合、事務所を借りて複合機やWi-Fiなどの機材を揃えなくてはならいので、数十万円単位の初期費用がかかってしまうのです。また毎月家賃も発生します。
その点コワーキングスペースなら初期費用数万円で済み、さらに毎月の利用料金も事務所の家賃と比べかなり安く抑えられるメリットがあります。
1st.BASEの利用者には「会社員」が多い
利用者に関するデータ(1st.BASEオーナー提供)
私「1st.BASEにはどのような層の利用者が多いのでしょうか」
オーナー「オープン3ヶ月目の段階での統計では会社員が42%で一番多い形です。次いでフリーランスの32%ですね」
意外なことに、1st.BASEの利用者にはフリーランスよりも会社員の方が多いようです。時勢柄でしょうか。
オーナーによると会社員といっても全員がテレワークでの利用というわけではなく、副業に勤しむ方、独立やキャリアアップを見据えた資格取得のために勉強する方など様々だそう。
オーナー「やはり家庭や職場ではなかなか集中が難しいようで、1st.BASEをサードプレイスとしてご活用いただいているようです」
サードプレイスとは家庭(ファーストプレイス)でも職場(セカンドプレイス)でもない場所のこと。
1st.BASE内観
オーナー「ちなみに学割を設定していることもあるのか、学生さんの利用率も20%ほどとなっています」
学生は1st.BASEのすべてのプランが半額になるとのこと。素直に羨ましい……。
『1st.BASE』を次のステップにしてほしい
1st.BASEの内観と利用者のKさん
私「そもそもどうして『1st.BASE』という名前になさったのですか?」
オーナー「野球の用語として、ファーストベースには『最初の塁』という意味があるんです。2塁、3塁と駒を進めて得点する第一歩は、1塁なんですよ」
お話を伺うと、オーナーは元球児だったようです。
オーナー「私も過去独立した時は右も左もわからず、守山のコワーキングスペースにはとてもお世話になりました。今度は1st.BASEが彦根で新しいことにチャレンジする人のファーストベースになれば、そして私自身がそのチャレンジのお手伝いができれば、と思ってコワーキングスペースを始めた次第です」
『1st.BASE』の今後の展望
私「新しいことにチャレンジする人のサポートをしたいということで、今後の展望として何か考えていらっしゃることはありますか??」
オーナー「米原のインキュベーションオフィスとタッグを組んで、起業支援を行う方向性で今進めています」
私「もうすでに進めておられるのですね!」
オーナー「またフリーランスのコミュニティも作りたいなと思っています。先日フリーランスを対象とした交流会を行いましたし、所属しているフリーランスの皆さんのそれぞれの強みを活かして『税について』や『Webデザインの基礎』などの勉強会も開くつもりです」
私「税もWebデザインも私の弱い部分なので、ありがたいです……!」
11月に開催されたフリーランス交流会の様子(オーナー提供)
オーナー「また1st.BASEとしてWeb全般の課題を解決して、地元の企業を支援するフリーランスチームも考えています。クラウドソーシングのオフライン版ような形です。まだまだ先にはなりそうですが、スキルはあっても営業が苦手なフリーランスと、Webに課題を抱える企業、双方がWin-Winになるのが理想ですね」
コワーキングスペース『1st.BASE』で最初の一歩を
1st.BASE内観
コワーキングスペース『1st.BASE』を基点としてフリーランスや「これから何かを始めたい」という会社員、学生、さらに地元企業まで支援しようという1st.BASEオーナー。
彦根市は2021年9月には日経.comに『テレワークに適した環境が揃う都市No.1』に選ばれた都市です。
その彦根に新しくできたコワーキングスペース1st.BASEで、あなたも新しい一歩を踏み出してみませんか??
(写真・文:米山拓真)