ピクセルアートと福祉の可能性を考える/ぴくせるらぼ @Good Job!センター香芝 レポート
さまざまな個人や団体、福祉に関わる事業所がそれぞれ思いをもって活動し、連携しながら、新しい仕事・文化をつくっていく。福祉のなかでデジタル技術をつかうのではなく、デジタルのなかで福祉を実現していく。
わたしたちはこれらを目的にNFTプロジェクト「Good Job! Digital Factory」を立ち上げました。
これからプロジェクトを発展していくために、すでにNFTに可能性を感じながら先進的に活動しているプロジェクトから学ばせていただくことと、何か一緒に協力しあえることがないかを探ることを目的に、体験会を開催することになりました。
今回、江戸をテーマにしたNFTプロジェクト「EDO-1 PROJECT(えどわん ぷろじぇくと)」にご協力いただき「ぴくせるらぼ」を開催。
「ぴくせるらぼ」は、絵を描くことが苦手でも取り組みやすいピクセルアートの体験を通して、手軽にアートが作れる楽しさやデジタル化する魅力などを伝える取り組みです。療育支援を必要とするこどもたちに新しい可能性に挑戦してもらうことを目的に活動されています。
EDO-1 PROJECTの川谷さんとMiCHIさんをお招きして、NFTプロジェクトの紹介と、ぴくせるらぼを開催していただいたので、本noteは当日の様子をレポートします。
EDO-1プロジェクトとぴくせるらぼ
川谷/
みなさんこんにちは、EDO-1 プロジェクトから来ました川谷と申します。よろしくお願いします。
MiCHI/
MiCHI(みち)と申します、よろしくお願いします。初めにプロジェクトの紹介をさせていただいて、そのあと川谷さんに代わってツールを使う練習と制作に入っていきたいと思います。
こちらが川谷さんです。
MiCHI/
カッパをモチーフにしたイラストなので、カッパ先生と呼んでも大丈夫です。わたしは桃太郎みたいなキャラクターで活動しています。
MiCHI/
わたしたちはEDO-1プロジェクトといいまして、8人で始動したプロジェクトです。デジタルアートの価値をどうやって上げていくか、今後は価値を持つであろうデジタルアートをどうやって発展させていくかを考えながら活動しています。
昨年まではデジタルアートで個性があれば売れていた時代がありましたが、これから先どうなるかはわからないです。そこで、わたしたちはもっと販売側でデジタルアートの価値を高めていきたいと思っています。
わたしたちはWeb3という新しい技術を使って社会を豊かにするにはどうしたらいいかを考えて、Web3の環境を育てていくことも楽しみながら活動しています。
なぜ、EDO-1プロジェクトが「ぴくせるらぼ」の活動をしているかというと、こどもたちがさまざまな機会を得られることを心がけるようにしています。一人ひとりの個性を発揮できるという意味でWeb3にはものすごくチャンスがあって、ダイバーシティや神経多様性(ニューロダイバーシティ)といった可能性に対して何か貢献ができるのではないかと考えてます。
NFTとピクセルアート
MiCHI/
NFTはデジタルアートを販売できるようにするための道筋の一つです。世界のどこに対しても発信できるような取り組み・作品になるので、デジタルアートに興味がある人は、この先NFTやブロックチェーンというものに乗せて発信できるようになれればと思っています。
わたしたちはその中でも、ドット絵と呼ばれるピクセルアートで活動しています。ドット(点)の集まりのはずなのに何を描いたかわかるという不思議があって、簡単だけれども難しいものも描けるというのがピクセルアートの特徴の1つです。
ピクセルアートには価値があって、いろんな使い方ができるものになると思っています。そしてわたしたちは、販売であったり、お金を稼ぐということに繋げて、社会発展に繋げていくことを考えながら活動しています。
といいますのも、NFTというのは最初はすごく値段が高かったんです。今はとても安くなっていて、値段が10分の1や100分の1にもなっています。わたしたちが作品をリリースしたときには値段が高い時期は終わっていました。
では何をすればいいのかを考えて、自分たちがちゃんと作品をPRできるように、そしてちゃんと活動を続けることで自分たちのプロジェクトの価値を保とうとしています。
ここで世界の事例を1つ紹介します。最近のなかで大きいプロジェクトで「YogaPetz(ヨガペッツ)」というプロジェクトがあります。柴犬とパンダのキャラクターが特徴的なNFTですが、このNFTが一晩で売り上げた金額はいくらでしょうか?ちなみに先月です。
・・・(考え中)・・・
正解は5億円です。一晩で5億2000万円の売上がありました。そこからさらに流通しているので、今は64億円の価値があると言われています。
一方で、わたしたちはピクセルアートを販売しています。では、ピクセルアートを作ったのは川谷さんですが、このピクセルアートが3ヶ月で売り上げた金額はいくらでしょうか?
・・・(考え中)・・・
正解は、3ヶ月で3000万円でした。売り上げの金額を聞くとものすごいことになるけれども、実際に入ってくる金額は少なくて、実入りが少ないというのはNFTの課題の1つかと思います。
最近では、金額が大きいことで集客力を生かして、PRとかに使われるようになってきました。わたしたちも地方創生の活動をしていて、大分県別府市にある観光名所「血の池地獄」とコラボレーションをしています。
コラボレーションの1つに、ぴくせるらぼでのアートイベント開催があります。具体的には、こどもたちにピクセルアートで「赤鬼」を作ってもらい、そのアートが血の池地獄に展示されることになったら、制作者とそのご家族の入園料が無料となります。
ほかにも、川谷さんが血の池地獄をテーマに地獄の鬼たちをモチーフに制作したNFT「Hell-min」259点を8月25日から販売しています。Hell-min NFTホルダーは血の池地獄の入園料が無料となる特典があります。
これから、その川谷さんからピクセルアートの話をしていただいて、みなさんにも体験していただきます。
ぴくせるらぼ:ピクセルアートによる創作
川谷/
ご紹介にあずかりました川谷です。よろしくお願いします。これからやるのはピクセルアートの講座です。今回は「8bit Painter」というアプリを使います。
【iOS版】
【Android版】
今はピクセルアートで活動していますが、元々は絵を描くことが得意ではなく、好きだったわけでも全然ありません。逆に絵を描くのがとても苦手でした。よくテレビとかで絵の下手な芸能人が笑われているような番組がありますが、まさにそういう人でした。スケッチするのも苦手でしたし、イメージした絵を書くことも苦手でした。
なぜそんな私がアートにチャレンジできたらというと、その理由がピクセルアートです。ピクセルアートはとても簡単で、ピクセル、つまりマス目があって、その中に色を塗り潰していく。このマス目は水色、このマス目は黒色、そういうふうにマス目を塗り潰していくことで、一つのアートを作ることができます。それがピクセルアートです。
たとえば、ウサギの絵を描けと言われるとなかなか難しいですよね。それがピクセルアートだと、何となくウサギとわかるようなものを描くことができます。
まずはみなさん体験してもらって、使い方を覚えていただいて、少しでもピクセルアートに興味を持ってもらえたらいいなと思っております。
川谷/
デジタルアートの特徴の一つとして、絵を描いて修正したいなと思ったときにボタン1つで前に戻ることができます。
ほかにも、色を選ぶときに細かいなかから選ぶのも大変なので「プリセット」というものがあります。候補の色が出てくるので好きな色を選んでみてください。
さいごに目と口を描いてみてください。これが一番最初の使い方です。今まで練習してみた使い方で自由にピクセルアートを作ってみてください。
川谷/
次は、テーマを決めてチャレンジしてもらいたいと思います。テーマは「パンダ」か「うさぎ」です。細かいピクセルでも大きいピクセルでもどちらで描いてもOKです。色も自由です。いま制作しているものが途中であればそれが終わってからで大丈夫です。
ピクセルアート? or ジェネラティブアート?
川谷/
さいごの時間は、どちらか好きなコースを選んで参加してください。
川谷/
わたしの方でジェネラティブアートの作り方を説明します。今回の血の池地獄のNFT「Hell-min」ではピクセルアートの作品を3000枚つくりました。
けれども、3000枚すべての絵を描いたわけではありません。どういうことかというと、目や口や顔などいろんなパーツを作ってそれらを組み合わせることによって何パターンも自動で作ることができるジェネラティブアートというものがあります。そのシステムを利用してつくりました。
例えば、目を3種類、鼻を3種類、口を3種類つくり、それらを組み合わせると27通りの絵ができる仕組みです。
ジェネラティブアートをするために、いろんなパーツを作る必要があります。そしてジェネラティブアートにとって、ピクセルアートはとても都合がいいのです。
どういうことかというと、目や口の位置がずれてしまうと変な絵になってしまうのですが、ピクセルだとマス目を入れ替えるような形で組み合わせることができるので、一般的な絵に比べるとやりやすいというのが特徴です。
実際に、「Generative NFT generator」というブラウザソフトを使ってつくります。順番(レイヤー)を間違えないことだけ注意しましょう。例えば、背景画像を一番上に持ってきてしまうと、その背景画像しか映らなくなってしまいます。
わたしはピクセルアートでやっていますが、ピクセルアートではない絵でやることも可能です。ただ、先ほどもお伝えしたように、ピクセルアートだとマス目を合わせやすいので相性がいいのです。
わたしの場合は64×64のピクセルで作っています。画像をもとに、例えば、目の部分だけを全部消したりして、場所がずれないように何マス目と何マス目をあわせるみたいなことを考えて作っていたので、非常に簡単です。
ちなみに販売するときは、これを全部売るのではなく、この中から選びます。1万点の作品を販売するために30億枚ぐらいの画像の中から選びました(笑)作る作業よりも、選ぶ作業の方が大変でした。
選ぶ基準としては、一番はパーツのバランスです。もちろん好みもありますが、自分でやろうとは思わない組み合わせが出てきたりもするので新しい発見にもなったりします。
ジェネラティブアートはいろんな使い方があるので、今後のみなさんのアート活動にもぜひ役立ててみてください。
赤鬼アートチャレンジ「血の池地獄」
終わりみたいな雰囲気を出してしまいましたが、引き続き「鬼」をテーマにした制作もお願いします。
ちなみに提供してくれた方で、そのアートが血の池地獄に展示された場合は、制作者とそのご家族の入園料が無料となります!大分県なので遠いですけど・・・。
10月31日まで募集中です。ぜひ応募して大分に遊びに来てください!
10月5日(木)22時から 「EDO-1 さんとお話する会」を開催
EDO-1プロジェクトより、川谷さんMiCHIさんをお迎えして、ぴくせるらぼのお話をします!ぴくせるらぼの振り返り、今後何かご一緒にできることの可能性などについて語ります。ぜひご参加ください!(※録音アーカイブあり)
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