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今週のグッドデザインを紹介します(9/24 〜9/27)

今日は、 9月4週(9/24〜9/27)のとれたてグッドデザイン4点をまとめてご紹介します!



9/24 折りたためるキャンバス[ペーパージャケットflex]

クリップの端を軽く押すだけで、簡単にキレイに綴じることができ用紙の隅まで無駄なく使える。クリップのマグネットを活かして冷蔵庫や壁面に貼ったり、防水仕様でもあるのでタフでシンプル。

ペーパージャケットflex

受賞者によるデザイン紹介
『ペーパージャケットflex』は、2つの用紙サイズを革新のマグネットテクノロジーでノート化する「折りたためるキャンバス」です。148年ぶりに進化した『マグネット×てこの原理』のクリップと、高いフィット性を実現するフレックスカバーをシームレスに一体化。最大30枚の用紙を手間なく綴じて、ミニマルに持ち運べます。

審査委員からのコメント
バタフライボードに続き、書くことに注力したプロダクトを開発し続ける姿勢に評価が集まった。独自の技術を使い他にはない構造で、穴を開けずに紙を包んで持ち運び、どこでも描くことができることで心理的なハードルが下がり、使い手の創造性を自然と引き出すツールになるだろう。極めてシンプルなかたちは、技術力の結晶で、無駄な意匠性もなく紙に描くことに注力して欲しいという開発者のメッセージが感じられるプロダクトだ。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/16358

9/25 オフィスビル[神田錦町オフィスビル再生計画]

容積率や耐震補強など築古ビル特有の課題に対し、「減築」という手段で対応。不動産価値を向上させただけでなく、建物の余白を都市の余白として機能させ、エリアの価値向上も試みた。

神田錦町オフィスビル再生計画

受賞者によるデザイン紹介
神田錦町にある築53年の不適合建築を「減築」により適法化・耐震化することで不動産価値とエリアの価値を向上させる計画。減築による4層の吹抜けによって採光・通風をもたらす環境装置や避難動線を作り出した。また、地上階の壁の減築により有効活用されていなかった両隣の公開空地に人の流れを生み、周辺エリアにも寄与する計画を目指した。

審査委員からのコメント

単に古い建物をリニューアルするだけで満足できるという時代は終った。現在では、既存の建物を改修する際であっても、環境性能の向上や法的要件の適合といった様々な社会課題に対して高いレベルで取り組みつつ、同時に新たな価値を創造するデザインを追求する時代となった。 このプロジェクトは、民間企業が改修案件において上記の課題の解決と新たな価値の創出に成功した素晴らしい事例である。成功の要因は「減築」にある。耐震性向上のために床の荷重を単に軽減するだけではなく、両隣のビルのセットバックに合わせて床面積を減少させることで、近隣環境との調和を保ちつつ、立体的で魅力的な空間を積極的に創造している。グッドデザイン賞にふさわしいと言える。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/18151

9/26 乳製品乳酸菌飲料 ヤクルト[ヤクルト]

人々の健康を支える乳酸菌飲料を誰でも毎日飲めるように。世界中で長く愛され続ける「ヤクルト」のあの容器。

ヤクルト

受賞者によるデザイン紹介
一人でも多くの人に健康を。創始者・代田稔博士(1899-1982)の願いから、1935年に生まれた乳酸菌飲料の「ヤクルト」は、生きたまま腸内に到達し、有用な働きをする“乳酸菌シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)”を摂取することを目的とした商品である。「腸の健康こそが人の健康に欠かせない」という考えの基、毎日おいしく飲み続けていただくことで、健康な体づくりに役立ててもらいたい。その思いを実現するために、1968年、手軽に、衛生的に、扱いやすい状態で、消費者にお届けできるよう本容器を開発。今では日本をはじめ世界31の国と地域に広がり、ヤクルトは毎日多くの人々に飲まれている。

審査委員からのコメント

安価で美味な乳酸菌飲料として,商品化されたのは1935年である由、画期的な健康飲料である。各家庭に毎朝届けられる為に、その後ガラス容器をプラスティックに変えて容器を軽くし、「ヤクルトレディ」の労力を軽減することが考えられた。そこで、コスト面から薄くて強度があり、持ち易く,以前のガラス瓶と同等のボリュウムを有し、口当たりも良好なフォルムを求めて、実に数多くのモデルが作られ,細かな検討を経て1968年に現行のデザインが出来た。今や「ヤクルト」と聞けば、このかたちと味が思い浮かぶほど浸透し、30余カ国に親しまれている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/9d6846e5-803d-11ed-862b-0242ac130002

9/30 高等教育手法[公立大学法人国際教養大学]

創立して20年目の秋田県にある公立大学。グローバルリーダーの育成を目指す大学として、授業は全て英語で行われ、海外の提携200大学へ規定の授業料内で1年間の留学もできるなど、質の高い国際的な学びが受けられる。


公立大学法人国際教養大学

受賞者によるデザイン紹介
国際教養大学は「国際教養教育」を教学理念に掲げ2004年、秋田県に開学した公立大学である。グローバル社会におけるリーダーの育成を使命とし、それまでの日本の大学とは一線を画す教育の仕組み・学修環境を構築してきた。専門領域、地域、文化など様々な境界を超え活躍する人材輩出を目指し、高等教育の真の国際化と革新を続けている。

審査委員からのコメント

国際教養大学が質の高い豊かな教養教育理念を掲げ、グローバルリーダーの育成を目指す公立大学として秋田で創立して20年目を迎えた。高い質を作り維持するための仕組みには特筆すべき様々な独自性がある。授業は全て英語で行い、能動的な学びを支える図書館は24時間365日利用可能、世界のトップクラスの提携大学との交換留学制度によって規定の授業料で1年間の留学ができる。一般的な海外留学のように多額の資金を必要とせずに、公立大学へ通う費用の中で質の高い国際的な学びを受けることが可能なシステムは、今でも斬新だ。その優れた一連の制度によって、学内には様々な国からの学生が学び、多様性豊かな学びの環境が有機的に保たれている。開学から20年の節目になる今年の応募には、実績を踏み台にして、次の20年に向けてステップアップする期待を抱かせる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15935

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
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