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今週のグッドデザインを紹介します(2/13〜2/16)

今日は、2月3週(2/13〜2/16)のとれたてグッドデザイン4点をまとめてご紹介します!



2/13 まちのオープンスペース[兜町第7平和ビル ~まちの続編をつくる~]

ビルの低層部をまちの歴史や文脈を汲み取りながら改修し、居心地の良い「街角」を創出させたリノベーションプロジェクト。

兜町第7平和ビル ~まちの続編をつくる~

受賞者によるデザイン紹介
「コト始めの街」「投資・証券の街」としての地歴を持つ日本橋兜町。その歴史の流れを汲み建てられた銀行ビルの低層部を歴史や地域性を取り込んだリノベーションデザインを実践。エリアで不足するオープンスペースと、街に賑わいを生み出す複合商業施設を誕生させた。

審査委員からのコメント
以前にここをふらっと通りかかったことがある。兜町が変わってきていることは知っていたのだが、大きな開発だけでなく、コンパクトなプロジェクトを組み合わせて、街が有機的で生き生きとしていることが感じられた。ここでは、大きな計画にありがちな「街並み」というより「街角」が生まれている。減築し屋外化したスペースには、手触りのあるテクスチャーや物語を感じさせる部品が再利用されている。この小さな時間や歴史の断片の集積によって、人の居場所をつくることに成功しているのではないか。都市とは時間が重層することで厚みを増していくのだという普遍的なアイディアの実現は、やはり多くの人にとって魅力的に映ることはこのプロジェクトが証明してくれている。接木のように街をつくることが私たちの都市でも可能なのだ。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14900

2/14 浜田産地魚の加工食品のリブランディング[うまがお]

馬頭鯛(まとうだい)からつくったうま味だし「うまがお」。「ほっこり懐かしい」を直感的に感じさせる「うまがお」のイラストでリブランディング。

うまがお

受賞者によるデザイン紹介
島根県浜田市の郷土魚である馬頭鯛(まとうだい)からつくったうま味だしを「うまがお」と銘打ってリブランディングを行った。地元で「バトウの万能だし(バトウ=馬頭鯛の地元名)」という商品名で販売していたが、県外には何か分からない課題に直面。本件は認知の低い馬頭鯛を使用した商品の魅力を最大限アピールするべくデザイン開発を行った。

審査委員からのコメント
食品のブランディングと言えば、その製品の内容や特徴、品質感などをわかりやすく訴求するのが一般的ではあるが、本ブランドはそれらとは一線を画し、様々な人の“うまがお”に割り切ってコミュニケーションを行うことで、独特の世界観を生み出している。店頭に並んだ時のインパクトは相当なものではないだろうか。地元の方が郷土魚である馬頭鯛とそれにまつわる記憶をすごく大切にしているのではないかと推察する。自分たちの好きと自信に溢れていることに好感がもてる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/18461

2/15 Socks and shoes helper[Footwear Aid]

足の不自由な方や高齢者でも靴下が履きやすく、着脱が自分でできるフットウェアエイド。

Footwear Aid

受賞者によるデザイン紹介
フットウェアエイドは、足の不自由な方のための多用途なツールです。靴下が履きやすいカーブデザインで、靴が履きやすいシューホーンです。また、しっかり握れる機能により、正確な調整が可能です。手先が不自由な方でも失敗が少なく、複数の道具の代わりにもなります。フットウェアエイドで、より自立した快適な生活をお楽しみください!

審査委員からのコメント
足が不自由な方は、自分で足を手に近づけて靴下を履くことができない。この課題に取り組んだのがこのフットウェアエイドだ。杖上の先端に予め手でセットした靴下を足元に運んで足指から滑らせて入れる構造で、着脱が自分でできるようになるところが素晴らしい。介護を要しないことで、自己の尊厳を保ち、行動機会を広げることになるからだ。私たちはこの試みを応援し、改良を繰り返す中で多くのケーススタディに対応できるスタンダードで下肢不自由者に対して貢献できる製品を期待している。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15582

2/16 イベントテント[OKDO OKOME BALLOON]

日本酒試飲イベントのため設計され、リサイクル素材からうまれたお米の形をした風船テント。

OKDO OKOME BALLOON (©︎Naomichi Sode / SS)

受賞者によるデザイン紹介
日本酒試飲イベントのためのテントデザインです。会場にちりばめられたお米型風船のテントの下で、来場者は全国から集まった蔵人と語らいながら試飲を楽しみます。このテントは、日中の強い日差しを和らげ、雨宿りの場を与え、夜になると柔らかく発光して行灯のように空間を照らします。

審査委員からのコメント
日本酒試飲イベントのためのテントとしてデザインされたお米型風船のテント。 リサイクル素材でつくられた風船型のテントは、イベント時に会場となる通りにふわふわと現象のように現れ終了時には空気を抜いてコンパクトに収納できる機構となっている。全てリサイクル可能な素材で廃棄物を出さず繰り返し使用可能な点、米粒や発酵の様子を彷彿させる愛らしいデザインと、支持柱、テーブルとが三位一体となり補完しあい軽やかな構造を担保するアイデアも秀逸である。テントという機能と日本酒イベントの演出や照明としての役割も兼ね備えた風船のテントは、サスティナブルなイベント用テントの好事例となるだろう。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15865



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