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今週のグッドデザインを紹介します(3/4〜 3/8)

今日は、 3月2週(3/4〜 3/8)のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します!



3/4 木工品 / トレー ゴミ箱 鏡[支障木プロジェクト]

管理できず伐採・廃棄される神社や街路樹などの倒木材を、産地内で連携し木工品へと活用していくプロジェクト。

iwakagu 支障木プロジェクト

受賞者によるデザイン紹介
街の中にある、暮らしの支障になる木々・気候変動による倒木。流通木工産業では活用できず、人が管理できないことで伐採される材の問題を、産地内のつくり手が連携し、木工で解決するプロジェクト。人が植えた木々・代々受け継いだ木々に責任をとり、使うことで解決する木工と、その産業的仕組みづくり。

審査委員からのコメント
プロジェクトオーナーの「木と共に生きる為、責任の持てる木工を続ける」との言葉が印象深い。最終製品としては日用品だが、支障木として伐採、廃棄される木材を木工品に加工するためには、行政や林業、製材、家具工房といった各所の連携が不可欠であり、その仕組み作りを含めた全体を高く評価したい。一方、本製品流通に際しては、この仕組みと意義、産地にもたらす影響をユーザーに効果的に伝える工夫も求められるだろう。志ある人たちが始動させた取組みが、継続すること、そして同様の他産地の手本となっていくことを強く期待する。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20417

3/5 ヘッドホン[YH-E700B]

アコースティック技術とエレクトロニクス技術を高次元で融合させた、快適で触り心地のよいヘッドホン。

YH-E700B

受賞者によるデザイン紹介
歪みの少ない正確なサウンドで楽器やボーカルの繊細な音声を再現するワイヤレスBluetooth®ヘッドホン。ハウジング内部で集めた音からノイズ成分にだけキャンセリング処理を施すだけでなく、環境音や内部音量を測定してリアルタイムで左右バランスを整え、小音量でも満足できる音体験を提供する。装着時のガイドになりやすい軸が特徴。

審査委員からのコメント
「楽器はエレメントの集合体である」というフィロソフィーからインスパイアされた各部の精緻なデザイン、心地良いノイズのある触感を目指したという塗装を始めとする各パーツの上品な質感表現、ヘッドバンド/ハンガー/ハウジングにおけるミニマルとも言える機能表現など、アコースティック技術とエレクトロニクス技術の高次元での融合を感じる高品位なデザインとなっている点が評価された。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14970

3/6 冷蔵庫[日立冷蔵庫カメラ]

カメラを搭載した冷凍冷蔵庫。冷蔵室を開くたびに自動で庫内を撮影してクラウド上に保存されるので、食材のストックをスマートフォンから確認して、無駄なく食生活をサポートできる。

日立冷蔵庫カメラ

受賞者によるデザイン紹介
カメラを搭載した冷凍冷蔵庫。冷蔵室を開くたびに自動で庫内を撮影し見える化した。撮影した写真はクラウド上に保存されるので、スマートフォンを使ってどこでも最新の庫内状況を確認できる。食材のストックを確認する手間を省きながら、無駄なく家族の食生活をサポート。撮影しない時はカメラユニットを収納することも可能。

審査委員からのコメント
家庭における日々の食生活や食材状況を把握できることは、フードロスを防ぐ点からも重要な意味を備えている。利便性の実現という点においてはもちろん、離れて暮らす家族や高齢の家族の健康のサポートなど、庫内撮影カメラを装備した冷蔵庫と専用アプリによってもたらされる効果は多々あるだろう。個々の家電製品は社会状況と密接につながるものであり、現代社会における課題の解決と切り離せない。本製品はそのことを改めて考えさせられる意義ある提案であり、家電製品に小型カメラを活かすことでもたらされる可能性に対する期待とともに、評価が集まった。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/18708

3/7 広場・屋外トイレ[管の広場]

下水道インフラを支える企業の研修センターにつくられた、トイレと広場の機能を併せ持つ公共空間。

管の広場

受賞者によるデザイン紹介
神奈川県厚木市の森の里に、下水道管路網を専門的に管理・清掃する管清工業が有する「厚木の杜環境リサーチセンター」がある。この施設は下水道に関わる技術研修及び研究開発、災害時の支援・避難場所、自然と触れ合う体験の場としての役割を担い、その敷地の入口に水まもりトイレという誰もが使える広場と屋外トイレをつくることが求められた。

審査委員からのコメント
下水道管路網を管理・清掃する企業の研修センターにつくられた、トイレと広場の機能を併せ持つ社会インフラ体験施設である。温暖化にあって自然災害が多発する一方、少子化による税収減少が社会インフラの更新に歯止めをかけている。私たちの目には見えないところで生活を支えている下水道管路網の大切さを、身近な生活の中にあるトイレや広場という機能を通じて子供たちに伝えたい。地域に根差した活動を続けている企業の熱い想いを、細部に至るまで「管」のイメージを大切にしながら再現した設計者の力量に敬意を表したい。また、気候変動社会を生きる上で、社会学習施設として大変示唆に富む作品であることを評者からも強く申し添えておきたい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14521

3/8 オフィス用家具[ヴィチェンダ]

伐採と植樹による木材循環システムを構築した、オフィスと未来をつなぐ家具シリーズ。

ヴィチェンダ

受賞者によるデザイン紹介
オフィス家具「ヴィチェンダシリーズ」はオフィスと未来をつなぐ木材利用プロジェクトの一環である。このプロジェクトの目的は、国産材の積極的な活用によって日本の山や森林の再生に貢献し、カーボンニュートラルを実現する一助となることである。この取り組みを実現するために、国産早生広葉樹を利用したオフィス家具を導入する。

審査委員からのコメント
早生広葉樹センダンによる効率的な木材循環システムの構築および森林の健全化に向けて、オフィス家具領域での木材活用に技術とデザインで積極的にチャレンジしていることが評価された。金属と木材をシンプルに構造化しながらも双方の魅力を引き出すマテリアルバランスが心地よい。また、国産材の木目や材質感を十分に引き立たせるナチュラルな仕上げがワークシーンの中でも豊かな時間を提供してくれる事が期待できる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17724

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
インスタグラムもあわせてご覧ください!https://www.instagram.com/good_design_award/


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