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心の扉を開く:介護業界のメンタルマネジメントの誕生

2010年、ある介護施設からの依頼が、私に新たな視点を開かせました。定期健康診断と組み合わせた「心の健康診断」を提案し、施設内全スタッフの心の状態を20分間のカウンセリングで見つめるという機会を手に入れたのです。初対面の彼らが、予定時間を超えて次々と心を打ち明ける光景は、私の心に深い印象を残しました。

この体験が、全国的にも数少ない「介護業界専門のメンタルマネジメント」の始まりでした。全産業の中でもトップといわれる医療介護職のストレスの現実を受け、業界全体がストレスに対する心のケアを欠いていることに気付きました。

100箇所以上の施設を訪れ、現場の声に耳を傾ける中で、心のケアの不足を痛感しました。そこで、スタッフのストレスを軽減し、定着率を高め、モチベーションを上げて、人材不足を克服するためのメンタルマネジメントを事業化することに決めたのです。

私たちが提案するメンタルマネジメントは、施設長や介護スタッフと共に進化を遂げてきました。コミュニケーションに焦点を当てた「職場内研修」、現場の課題を職員と共に解決する「グループワーク」、そして個々の悩みに向き合う「個別カウンセリング」。これら3つのサービスが、私たちのメンタルマネジメントの核をなしています。

少子高齢化社会において、介護業界はますます厳しい状況に直面しています。需給ギャップは特に顕著であり、人材確保戦略が最重要かつ最優先の経営課題となっています。その中で、私たちの存在意義は明確です。求職者に介護の仕事の魅力を伝え、介護業界に多くの人が就業できるよう支援し、各施設に対してメンタルマネジメントの導入を推奨し、介護スタッフが明るく、元気で、イキイキワクワクと働ける快適な職場環境の構築を支援することです。

現場の介護スタッフの皆様、そしてこれから介護の仕事を始めようとしている方々と、それぞれの介護事業所が互いに歩み寄り、より良い人間関係を築くための効果的な支援を目指しています。次回からは、これまで歩んできた事業所支援の道のりの中で、気がついたことや具体的な改善策について、少しずつみなさんに紹介していきたいと考えています。ぜひご覧になって、皆さんの職場に取り入れていってください。


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