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研究室生活を乗り切るためにー指導教員の選び方ー

今年も卒論の仮提出が終わった.教員になってから2回目の卒論指導で,卒論指導した学生は述べ5人になった.まだまだひよっこ教員ではあるが,指導する内容というのは大抵誰しもに共通しているように思う.
自分への備忘録も含めて,これから4年生になる人,つまり,研究室に配属され,指導教員を決め,研究をし,卒論を書く,という人に僕なりの生き抜き方を伝授したい.

もちろん,環境は人それぞれで,書いているのは理系の,しかもフィールドワーク系の,駆け出しの助教である,ということは気をつけてもらいたい.それでも,誰かのヒントになればいいと思う.

シリーズにしようと思う.第一回の今日は指導教員の選び方についてだ.正直,研究室ライフを生き抜く成否の半分くらいはここで決まると言っても過言ではない.

指導教員とは自分の卒論の成績をつける人である

この記事を読んでくれている人は指導教員とはなんぞや,ということを知っているとは思うが,僕なりに整理しておこう.
指導教員とは,自分の卒論の成績をつける人のことである(少なくとも弊学ではそうだ).
実際には,研究の相談をしたり,発表の指導を受けたり,提出物(卒論)の添削をしてもらったり,色々な関わりがあるかもしれないが,指導教員に義務付けられた唯一のことは成績をつけることであり,他をどの程度やるのかは教員によってまちまちだ.指導教員を選ぶ上でこの視点は覚えておこう.

自分のなかの優先順位を決める

研究室に配属される前後で指導教員を選ぶことになると思うが,そのときに最も大事なことは,自分のなかの優先順位を決めることである.例えば,4年生のうちは部活を頑張りたいとか,就職できればなんでもいいですとか,修士をとって就職しますとか,博士号を取りたいですとかである.
研究を自分の生活の中でどのポジションに置くのか,ということを一旦はっきりさせておくと楽になる.もちろんこれはだんだん変わっていっても構わない.
そして,指導教員候補の先生に,自分のスタンスをぶつけてみよう.もし,そのスタンスを受け入れてくれない人ならば,指導教員に選ぶのはやめておいたほうがいい.どちらが正しいとかいう問題ではなく,価値観が合わないのだ.価値観が合わないコンビの行く末は解散だけだ.

コミュニケーションの取りやすさを見る

学生と指導教員が最も多くすることはコミュニケーションである.当たり前だが,卒論の成績をつけられるに当たって,指導教員がどこまで求めているか,何を求めているか,コミュニケーションが取れなければ知りようがない.
研究をはじめとした色々なことの相談も指導教員とコミュニケーションが取りづらいと気軽に聞けず,結局,時間切れ,もしくは「なんでもっと早く聞きに来なかったんだ」なんて言われる羽目になる.
話をしたり,メールをしたり,研究室の先輩に話を聞いたりして,指導教員候補の先生が「自分と」コミュニケーションを取りやすそうな人か判断しよう.結局,相性の問題ではあるから,合う合わないは自分で判断するしかない.

研究テーマは必ずしもぴったり当てはまらなくてもいい

よっぽど強く希望する研究テーマがある場合を除いて,指導教員を研究テーマだけで選ぶ必要はない.そもそも,4年生で研究室を決めた時に,確固たる研究テーマを持っている学生は,指導教員がそのテーマに精通していようがいまいが,すぐに自分で研究を進められるようになる.逆に,確固たる研究テーマがない場合,研究を進めて行くにしたがって,どんどん自分の興味がわかってくる.最初から研究テーマがバシッと決まるほうが少ないと思ったほうがいい.
だから,研究テーマで指導教員を選ぶことはせず,人間としての相性で選んだほうが研究室生活を生き抜けるだろう.

指導教員以外の教員を頼ろう

無事に指導教員を選べたら,是非,指導教員以外の先生とも色々な話をできるようになって欲しい.指導教員というのも結局,人間であるから,間違っていることもあるし,たまにはコミュニケーション不全になることもあるだろう.その時に自分の研究室生活も一緒に不全に陥ってしまうことがないように,普段から指導教員以外の頼れる教員を作っておくことをオススメする.
この教員にも自分の研究や優先順位などをぼんやりとでもいいから理解しておいてもらうと,何かに行き詰まった時に助けてもらえるだろう.

まとめ

指導教員は人間性と自分との相性で選ぼう.
あなたの研究室ライフが幸せなものになるかどうかは,ほとんどここで決まってしまう.

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