スワンプロック入門


はじめに

スワンプロック。
その名前自体、初めて聞く人も多いかと思います。
成立過程が複雑なうえ、定義が曖昧なマイナージャンルです。
(実際、私の周囲のバンドマンも、知る人/知らない人に二極化していました)
わざわざ聴かずとも、自称音楽通の方々に小馬鹿にされる心配もございません。
けれども、
人生に疲れた時、自分を見失いそうな時、ロックに失望した時...
そういう状況になった際にそっと寄り添ってくれる音楽だと私は思っています。(個人差有)

ただ、人によって様々な解釈があり、広義・狭義でもだいぶ肌触りが違うようでして。(日本でしか通用しないという記事も見かけました...)

ですので、今回はあえてイメージというか、なんとなくの空気感が伝わるような解説を中心にしていけたらと思います。

まあ、そんなわけで気楽に見ていってくださいな。

スワンプロックとは

スワンプ=沼。
 ⇒「アメリカ南部の湿地帯を想起させるロック」

ものすご~く大雑把に言うと、
アメリカ南部の伝統音楽に大きな影響を受けたロック全般を指す呼称ですね。(ゴスペル・ブルース・カントリー・R&R…etc.)
主に60年代末~70年代前半に流行しました。
ルーツに帰る的な作風で、
当時の流行である、サイケ・ハードロック・プログレ等の「新しさ」を追求する流れに対するアンチテーゼの側面もあるように思います。


サザンロックとの違い

これらを聞いて、
「アメリカ南部のロック?サザンロックのことじゃねえか!!!ふざけんな!尻割れちまえ!!!」と思った方、最後まで聞いてね。

あくまで私の解釈なのですが、
サザンロックとスワンプロックは、ベン図のように「共通部分とそうでない部分がある」ような印象です。
根っこの音楽性は同じだけども、
うん...精神性というか手触りみたいなものが若干異なると思っています。

デフォルメされた自分的イメージだと、

サザンロック・・・青い空と太陽、カラッとした明るさ
スワンプロック・・・曇り空、強烈なノスタルジー、いぶし銀、泥臭い

みたいな感じ。(例外もたくさんあるけど)

とりあえず、具体例を聴いてみましょうか。

サザンロック的↓

スワンプロック的。

どちらも、同じカントリーを題材にしています。
両者の印象の違いについて、何となくでも感じてもらえたでしょうか?

次は、難しいことは抜きにして、
英米それぞれのスワンプロックを軽く紹介しますね。

米国スワンプ

まあ本場。
デラニー&ボニーという夫婦デュオがスワンプ発祥の中心地。
これだけでひと記事かける。駆ける。


これに加えて、
一般的に著名なバンドである
The Band、CCR、Little Feat (広義)
あたりから聴き始めるのがいいのではないのでしょうか?


あと、個人的に紹介したいのが、The Lovin' Spoonfulというバンド。
60年代半ばにヒット曲を連発したのだが、ドラッグ問題が発端であっさり解散。


スワンプ文脈で語られているのを見たことがないのですが、
(2~3年早すぎた)ルーツ回帰のロックの先駆けとして、
より多くの人に聞いてほしい、大好きなバンドです。

英国スワンプ

先述したデラニー&ボニーやThe Band等の音楽に触発されて、
イギリスのミュージシャンたちはスワンプ臭の強いアルバムをだしていきます。
本場ではないからこそできる表現、いい意味での軽さがあって、
スタンダードなロック好きにも比較的聴きやすい作品が多いような感じです。

英国スワンプの著名なアルバムは、
『Alone Together』 Dave Mason
『Eric Clapton』 Eric Clapton
『All Things Mast Pass』 George Harrison

の3作品でしょうか。


おわりに

今年からボカロ楽曲の勉強を始めたのですが、
久々にこうしてスワンプを聴くと、「帰ってきたなあ...」という気分になりますね。たまにはゆったりした音楽を聴くのもいい。
のんびりしたい。

マニアックな題材を、あえて緩めに解説していく流れ。
わりと好きかもしれない。
眠い。
いや眠くない。
けど頭が宙に浮いてきた。
明日は田町へ。どんなまち。
踊るポンポコ。

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