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生徒と紡いだ1,822文字

ホテルカクタス 読書感想文

最初のエピソードは三人の男性主人公と一人の女性の恋の駆け引きである。

この三人は、同じ女性を好きになり、その女性をめぐって最高のデートプランを提案した。

三人はそれぞれ自分の魅力をアピールする為に、おのおののデートプランを企画した。

きゅうりと例えられる男性は新しいTシャツを身にまとい二人で公園に出かけた後、華麗で大味なアクロバットを披露した。

数字の2に例えられる男性は初夏にスーツで女性をデートに誘ったが、もっとカジュアルな服装が良かったのかとしきりに気にしており「かまわないわ」と逆に励まされていた。  

帽子と例えられる男性は「お金よりも風格」と、彼女を自分の部屋に招いたが「あとは野となれ山となれ」のマインド。

僕は三人のデートプランの内、数字の2と帽子の意見に賛成しているが、数字の2の意見に対しては全部賛成している訳ではない。数字の2はスーツを着てデートに行くと言っているが、僕だったらデートにはスーツを着て行かない。

だけど映画館、レストランには行きたいという考えだ。

それと帽子という男性の自分の部屋でデートをするという考えに同意。

僕が今までに立てたデートプランは公園で雑談した事だった。

ちなみに女性が下した判定は「アクロバット野郎」は軽薄、「初夏スーツ」は優柔不断、「あとは野となれ山となれ作戦」は酷くむさ苦しいというもの。

今後三人の男性の事を便宜上きゅうり、数字の2、帽子と呼ぶことにする。

外見なのかニックネームなのかは定かではないが。


三人は地方競馬の砂競馬に興じた。その時のエピソード。

きゅうりは競走馬の見た目の第一印象で馬券を買い、名は体を表すが如く数字の2は

二番の馬ばかり買った(本当は五番の馬も気になっていたが)。

帽子は最後のレースまで馬券を買わなかった。

結論から言うときゅうりと帽子は無一文になった。

堅実派の数字の2は帰りのバス運賃を備蓄。

お金の無いきゅうりは健康的にジョギングをして帰った。

ジョギングなんて御免こうむる帽子は無理を言って数字の2に被って帰って貰った。

僕は競馬の事が分からない。流行したウマ娘の遊戯経験も無し。

基本的にギャンブルは苦手だ。なぜなら、家族に連れていってもらった事はあるけど、自分の心に悪い空気が漂うので、個人的には好んでそこには間違っても足を運ばなかった。

このエピソードの〆。ベテラン経験者の帽子は早く忘れたがっていたが、二人にとって生涯忘れられない思い出になった、晩春のばくち打ち。


この物語で、音楽とは個人的なものだ、と言う一つの結論が出された。

くだらないラジオしか流れない日に、三人はお互いのレコードを持ち寄って

その場の環境、その場の空気を変えようと努めた。

 しかし、三人が気を利かせて流したレコードはどれも気恥ずかしく

くだらないラジオにも劣るものだった。

 僕には思い出のCDがあり、一枚は先輩が推薦してくれたアニメ主題歌だった。アニメの影響も相乗効果となり、今でも胸に刺さり続けている。もう一枚は、大御所ミュージシャンが作曲してジャニーズが歌う、青春歌だ。職場のラジオから聴こえ流れて来た時、ココロオドル快感が脳天を突き抜けた。

 しかし、別の先輩は問う。「明日、職場で自由に音楽を流せるなら、何枚CD持って来れる?」

 そもそもがCD音源では無いのだが、伝説的ゲームのBGMは脳裏に灯ったが直ぐに打ち消した。今回のテーマである、音楽とは個人的なものに倣うなら、ゲームのBGMは職場を「……シーン!」と、静まり返らせるくどい個性のようなものをまとっているように感じた。元気ハツラツで出勤しようと思ったら、TVの星座占いで、12位を喰らった時のようなショックと思い知る。

 職場でもう少し語るなら、三人目の先輩はカリスマ女性アーティストに陶酔しており、ジャニーズ事務所の楽曲をお披露目しても、我関せず、である。

 最低でも、女性アーティストにしか目が無い耳に、ご機嫌を伺おうなら、ジャニーズ事務所からは離れる必要がある。グーしか出す予定の無い手指に、パーを打倒することは叶わない。

 ホテルカクタスは、短編の宝箱だ。今回は「恋」「ばくち」「音楽」に焦点を合わせて感想文を書いてみた。再読の機会があるなら、もっと違う短編にも焦点を当てて、考察を深めたい! 課題がスムーズに行けば、読書感想画を描くのも悪くないかも知れない。仙人掌と名付けられた、石造りの古アパートにまつわる逸話。

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