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無職日記その4

 仕事を辞めて2か月が経過した。
 現在の心境、今後の展望などを書いていく。

1:相変わらず時間の進みが遅い

 「その2」ぐらいで時間の進みが遅くなったという話を書いた気がするが、変わらず時間はゆっくり進んでいる。
 恐らく仕事をしていたときの感覚なら、今はもう7月中旬ぐらいになっていただろう。それがまだ6月にもなっていない。これは幸福なことなのだと捉えて、ひとまずこのゆったりとした時間を使って今後の生き方を模索していこうと思う。
 しかし、つくづく急かされて生きてきたよなと感じている。誰にそうしろと言われたわけでもない。時代の流れに沿った結果そうなったんだろう。私が大学を出たのが2002年、就職氷河期の真っただ中だった。それに現在はネット界隈が発達してさまざまな方法で稼ぐことができるようになったが、あのころは会社に入って働く以外の選択肢がほぼなかった。みんなが同じ入り口を目指しているのに、その入り口が極端に狭まっているような時代だった。
 そんな中でやっと働き口を見つけてサラリーマンとなり、20年を過ごした。あっという間だったと言っていい。しかしふと立ち止まって考えてみると、生き急いでいたとしか思えない。もっとゆっくり生きる世界があってもいいだろう、今はそう思っている。

2:休むだけ休んだら、逆にまともに生きるようになった

 皮肉なことに、働いていたときより今のほうが健康的に生きられている。
 そもそも勤務時間がバラバラの仕事をしていたので6時に起きることもあれば、11時に起きることもあった。それが今は大体7時に起きている。たまに二度寝してしまうこともあるが。
 そして8時から13時ぐらいまで、前職の資料をまとめている。仕事の引き継ぎ自体は終わっているが、後輩たちのために効率的に仕事をするためのマニュアルを制作しているのだ。もちろん無償で。いや、今は有給の消化期間なので一応給料は発生しているということになるか。
 辞めて最初の1か月ぐらいは本当に何もしていなかった。やっていたのは旅行とゲーム、それに近くの公園を散歩するぐらいだ。しかし時間が経つにつれ、自然と体が「ちゃんと生きよう」モードになってきた気がする。引きこもりの特集なんかをテレビでよく見ていたから、休み漬けになると人間はもっと自堕落になるものだと思っていた。しかし実際は違ったようだ。
 これがもともとの性格からなのか、それとも長い間社会人をやってきたからなのかは分からない。ただ、まともに生きようとする柱の部分は、まだ自分の中で死んではいないんだなと思える。これを利用しない手はない。
 資料作成が終わったら、そこできっぱりと前職のことは考えないようにしよう。そして次の人生へ踏み出そうと思う。

3:人との連絡をまめにとるようになった

 仕事を辞めるにあたって、さまざまな人に連絡を入れた。
 会社の同僚はもちろん、家族、兄弟、それに会社を離れていった人にも。
 それは礼儀というのももちろんあるが、「なんとなく連絡を取りたくなった」というのもある。人生の節目になると、人は誰かとのつながりを確認したくなるのだろうか。
 それから放置していたことにも取り組むようになった。部屋の水回りがちょっとおかしくなっているので管理会社に連絡をしたり、半年ぐらい前に更新してから放り投げていたブログの契約を解消したり。
 きっと仕事をしている間なら、こうしたことはずっと先延ばしにしていたに違いない。小さなことも見逃さずじっくり取り組めるようになったというのも、仕事を辞めてよかったことの1つになる。

 最近、人生の目標が1つできた。
 「このままのペースを守るために生きていこう」というものだ。
 世の中とスピードを合わせる必要などない。自分は今の時間の進み方が一番好きで、死ぬまでこのペースで生きていたい。
 だから稼ぐためじゃなく、誰かの上に立つためじゃなく、現在のスピードで生きるために努力していこうと思う。
 生活費は稼ぐ必要がある。しかし生活リズムを犠牲にしてまで働く気はない。必要なら資産形成もしよう。全ては自分のペースで生きるためだ。
 結局幸せっていうのは人それぞれで、誰かの幸せをうらやむ必要などない。自分は緩いペースで生きていく、それが一番の幸せなのだ。

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