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人事とは「現状と理想とそのギャップを考える」仕事である

こんにちは。
地方の中小企業で人事を担当している宮里(ミヤザト)と申します。

またもや前回から少し間が空いてしまいましたので、
(「三日坊主」にはならなかったけど結局続かなかったなアイツ。)
と思われたかもしれませんが、
恒例の言い訳をさせていただくと、
同じ部署の人がコロナに罹り、業務多忙の時期があり、その波を乗り越えたらすっかりnoteのことを忘れてました!笑

結局忘れてたのですが、このnoteを書くときに「噓のことを書かないようにする」と宣言していますので本当のことを書きました。
遅筆もここまで来ると極まっていると思って、温かく見守っていただけると嬉しいです。

そんな空いてしまった間にも過去の記事を読んでもらえていたようでスキコメントをいただいていました。(本当にありがとうございます。今更で本当にごめんなさい。)
読んでもらえていると思うと本当に嬉しいものです。
書く気力が戻ったので、一気に書き進めます。

今回の記事は「現状と理想とそのギャップを考える」です。

そんなのどこの職種にもどの仕事にも当てはまるよと言われたらそうなんですが笑
人事ってそういう仕事だと思っています。いってみましょう。


「専門バカ」はいらない

先日(と言ってもだいぶ前ですが)新卒採用の会社説明会があり、何社か合同だったので他社の説明を聞かせていただく機会がありました。
記事にする許可をいただいているわけではないので、特定できないようにボヤッとした内容になりますが、考える機会をいただいたと思うので講演の内容から書いていきます。

会社説明の登壇者はある病院の技術系の責任者をされている方で、資格職全般の採用の責任者もやられているため、説明会でご一緒になりました。

私の会社説明がその方の次だったので、少し早く会場入りし、話を聞かせていただきました。
話の導入などは端折ります。

これからの時代、ますます“何でも屋”が求められる。
いくつかの理由はあるけど、
ほとんどの企業・団体がその仕事‟だけ”できる人ではなく、
‟何でもできる人”を欲する(はず)。
正直なところ『専門バカ』はいらない。

これを新卒に向けて話してます。笑

記憶を頼りに書いているので細かいところは多少違うと思いますが、「専門バカはいらない」というのは一言一句間違わずに新卒に向けて言ってました。笑

新卒にとっては過激な内容が多く、かつ難解な気がしたので当然ながらピンと来ていないようでしたが笑
その他の内容も痛快な内容が多く、本音を話していただいているようで、他にも聞いていた採用担当者(別会社)の方と一緒にウンウンうなづきながら、時にクスっと笑いながら最後まで大変面白く聞かせていただきました。
何よりも、資格系の学校説明会で「専門バカはいらない」と言い切るところが、学生にはわかってもらえないブラックジョークに思えて(言っている内容はあっていることも含めて)もったいないなと思いつつも面白かったです。

どの企業でも“何でも屋”が求められるというのは、もちろん企業によると思っていますが、
特に現場の担当者やプレイングマネージャーなどからすると的を得ているんじゃないでしょうか?

もっと具体的に言うと、
私もこうして「人事」の仕事をしていると書いていますが、
人事の中にも「採用」「研修」「人事制度」など複数の分野があり、
更に細かく採用なら「新卒採用」と「中途採用」がありますし、
新卒採用には学歴区分ごとの採用や中途採用は雇用形態ごとの採用など
細かく分かれている企業もあると思います。
かく言う私も「正社員」の「中途採用」だけを担当していた時もあれば、今みたいに採用・研修・評価・制度設計と人事全般を担当させてもらってもいます。

極端な話をすると、
新卒採用の中でも大卒のみの採用を専門で出来る人よりは
新卒採用全般を出来る人が望まれるのは当然かと思います。
現場からするとオールラウンダーの方が好まれますよね。

まぁ、書いておきながら
「企業による」という所で本当に差が出てくるというのも理解しており、
新卒採用の中でも大卒のみ専門で出来る人
というのも‟出来る”度合いによってはそちらの方が欲しい企業もあると思っています。

幸福度調査:何に幸せを感じるか

オールラウンダーというと何でも”出来る”という解釈が出来るので、ここからは「ゼネラリスト」として、反対の”専門バカ”は「スペシャリスト」としていきます。

そのゼネラリストとスペシャリストのどっちが欲しいか、というのは日本とアメリカの文化の違いもあるかなとも思っています。

ここで私の記事によくある脱線をしますが笑

経歴では「採用」の業務が多かった私ですが「研修」の領域もメインで担当するようになり、様々なセミナーに参加し、書籍も読み、自分なりに理解を深めています。

「研修」においての現在の一番のテーマは「行動変容」です。
詳しくはまた記事で書ければと思っていますが、
研修したことを業務やそのほかの場面で‟生かす”ことを考えると、
まずは「意識」を変え、その上で「行動」に移してもらわないと、
(研修の)その場では覚えても、瞬間的には研修の通り実行しても、
業務で発揮したり、継続して実施することが出来なければ研修の効果が得られたとは思いません。

調べたところでは行動変容のカギはいくつかあり(まだ勉強中ですが)カギに近づくには『脳科学』(アメリカではニューロサイエンスという分野)が良さそうだと思い情報収集しています。

本当に面白い領域なので脳科学のこともいつか書きたいと思っていますが、
脳科学のとっかかりとして日本とアメリカの「幸福度」の違いについて見てみました。

日本とアメリカの「幸福度」の違いというのは、「何に幸せを感じるか」ということなのですが、国別に行われている「幸福度調査」のそれぞれの指標に差があり、
日本の場合は承認欲求が比較的強く、必要とされている、求められていること(に幸せを感じる)が大きいそうで、脳科学的には価値基準が「相手」に依存すると言えるそう。
一方のアメリカの場合は、個人の成功貢献度(ボランティア)が強く、これも良し悪しあると思いますが、基準はあくまでも「自分」であることが多いという結果だそうです。

幸福度調査については、その調査自体が本当に比較できているのか?
という論文(幸せの文化比較は可能か?)などもあるぐらい、正しく比較するのも難しいと思いますが、
なんとなく言われていることはわかるし、合っていると思うのは私だけではないはずです。

日本とアメリカの違いついでにもう一つ(久しぶりの記事だから脱線多めです)、
アメリカではいわゆる「ジョブ型」の評価制度が採用されることも多く、担当外の仕事を頼まれると「その仕事は私の担当ではありません」と断り、残業もしない社風が多いそうです。
実際に働いたこともなければ、見たこともないので、そんなドライな感じではないかもしれませんが、ジョブ型とは、と言うならそういう意味だと思っています。

でも、アメリカは「貢献」「ボランティア」も多いはずなのになぜ(頼まれた仕事をしないのか)?と疑問に思いませんか?

アメリカ系の資本の会社で働いている友人が言っていたのですが、確かに”仕事”は割り切っていて、時間外残業は断る社風らしいですが、あくまで頼まれたことにはそうやってキッパリと意思を示す文化で、反対に、自ら進んで手伝うこともするそうです。違いは「言われたこと」の仕事か、「自ら進んで申し出た」仕事か、ということですね。

実は幸福度調査の指標において日本とアメリカの大きな違いはもう一つ、「寛容さ」にも出ているそうです。
先の友人曰く、頼まれ仕事のほかにもう一つ特徴的なのが‟挑戦”にすごく寛容なのだそう。
「これやってみたい」という意思にすごく前向きなようです。
その他、「自分はどうしたいか?」という質問もよくされるとか。
話を聞くと、一人ひとりをプロフェッショナルとして考えており、道をガンガン進ませるというイメージを持ちました。

両方を合わせて考えると、自分の仕事、や自分の意志での挑戦という
本人をすごく尊重してくれている気がしますよね。

一方で日本は、「空気を読む」という言葉が流行るぐらい、本人よりも場の空気を優先してしまう文化。
だけれども、その環境が良ければ、例えば労働時間が長くても?幸福度は高そうです。

現状と理想の間をグラデーションにする

ここまでの書き方で
あぁ、(アメリカに触発された人事の人ね)と思って人もいるかもしれませんが、人事のお仕事ももう10年もやっているとそう簡単じゃないです笑

アメリカのような働き方にいいなと思う所はありますが、100%目指すべきとも思っていません。

仕事を頼んだ時に「その仕事は私の担当ではありません」と言う人と、「わかりました。やります!」と言う人とどっちがいいでしょうか?
後者だという人もいると思います。

日本には日本の、自社には自社の良さがあり、もちろん悪いところもあり、
悪いところの改善ばかりに目を向けるのではなく、良いところを伸ばしていく考えも必要です。

もちろん、見習うべきところは多いと思います。理想は大事、ですが、現状とあまりにもかけ離れた理想は心がついていかないということもこの仕事をやっていてわかりました。
ようやくタイトルに話が戻りました。笑

「心理的安全」という言葉が流行り、職場や会議の雰囲気を良くしようと(ぬるま湯ではなく健全な衝突が出来る場にしようと)いろんなセミナーでその方法を聞いたりしますが、よく言われるのは、「関係性を構築」することです。
それはそうだと思います。でも、「それを明日からやってくださいね」なんてほとんどできないですよね。
いつも眉間にシワを寄せてる上司に「心理的安全が大事なので明日から眉間のシワをなくしてください」って。余計にシワを増やしますよね。
例えが凄く幼稚で申し訳ないですが笑

明日から変えます!変えてください!と、
黒をいきなり白にするのではなく、
理想と現状の間(ギャップ)をグラデーションのように変えていくのがいいんじゃないかなと思っています。

そのグラデーションが綺麗であればあるほど、やることが明確であるということ、ギャップが明確であるということかなと。

アメリカでは評価制度も含め文化として「ジョブ型」が合っているので、スペシャリストが欲しいわけですよね。
一方で日本は文化として”他者のために”という精神が強いので「メンバーシップ型」が多いんですよね。
それを、今の流行りだからとか、うちの理想はジョブ型だからとかで、
いきなり180度の方向転換をすると「あつれき」というものになってしまうと思っています。

先ほども書いたように、いくら理想であっても、明日から制度変更します!だとちょっと”急”すぎるんですよね。(メンバーシップ型をジョブ型に変更する(人事制度を変更する)のには1年でも急だと思っています)
先に書いたように「グラデーション」にしたいですよね。
荒療治も必要、ハードランディングも必要、それはわかっているつもりです。
言いたいこと伝われ!笑

思いつくままに書くとまとまっていないので、他に書きたいことの多いこと・・
書くことをまとめるのを理由にまた間隔あいたらそれこそ読んでもらえなくなるので、間隔開けないよう努力します。

ご覧いただきありがとうございました。



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