【現代詩】忍気吞声
祭囃子が耳を刺したらそこのけ愚図共
御役御免のチョイが真横を通りゃんす
齢十九、夢を見るには大きくなりすぎた
したら、線香花火咥えてサヨウナラ
道に迷うても、退く路もありゃせんわ
イケズ言わんで照らしたってや、お客サン
滑稽不笑な伽藍堂人形は音サカリです
"カラんカラん、へらはらり"
"くりン、たロタラ、コろカラり"
中身が無いからよぉ鳴るでしょうや、ネ
チンドン屋が通り過ぎたら残るは鴉の眼
三千世界を阿呆と睨んでわろぅてる
十八番はトウに取り戻せやしない過去
アッ、鴉も何処ぞへ旅立っていく
科白も授からぬ身の上じゃ、寂しけれども
そんだけの器で哭くに啼けんや
こっからハテどうして生きようか?
途方に暮れりゃ、いっそーファニィ
蛙がピョイと跳ねれば、忽ち注目の井戸
ハイハイ、お次は彼方さん
行ってらっしゃい見てらっしゃい
此方は此方で、向こうへ用向きですからサ
それじゃあ、皆さんお達者で