どの作品も、みなさまの目に触れ価値が何倍にも高まっています。あたたかく見守っていただき…

どの作品も、みなさまの目に触れ価値が何倍にも高まっています。あたたかく見守っていただき、いつもありがとうございます。

マガジン

  • まとまらない思考の走り書き。または思考の記録。

    思いつくままに書き連ねています。

  • 無口な店主と酒場の客

    小さな酒場を営むキヨと、そこに集う客たちの、何気ない物語たちです。 悩みの多い人生、小さな酒場で愚痴ったり弱音を吐いたり、そんなひと時も悪くないですよね。

  • 魔法使いの道中

    『無口な店主と酒場の客』シリーズと同じ世界にて。 旅人魔法使いの放浪記。

  • 語り場ダイナー

    映画の感想を、会話文を用いて書き連ねています。

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憧れの旅人の背中は、ずっと先。

創作活動をしていると、ひとりでやっているんだなと思うことが多い。 読んで下さる方がいる以上、完全にひとりではないけど。作り上げる過程は、今の所ひとり。編集とかないしね。 そこで考えたのは、巷のファイトソング。 独りじゃない、とか。頼れる人が傍にいる、とか。ファイトソングを聞くとそういう気持ちになれる。元気付けられて、這いずって前に進む力をもらえる。 それも一つの真実。だけど、そんなもんは裏表に移り変わるものであって。 時々、えぇい創作なんぞ所詮ひとりで戦うものなんだ、と臍が曲

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      捨て置かれた世界

      • ラストシーン【短編小説】

        彼に出逢ったのは、レンタルショップだ。退屈そうな目をして、ゆらゆらと棚の間を泳ぐように歩いていた。 その退廃的な雰囲気が妙に気になって、気が付いたら傍に行っていた。でも、なんと声をかけるかは考えていなかった。だから、隣に立ったはいいのに彼を黙って観察するようなていになっていた。 彼は暫く僕を無視して、五分ほど経って漸く言葉を寄越した。 「……何?」 「あ……えっと……お薦めの映画、ある?」 映画が観たいわけじゃなかった。ただ、この店に入らなくてはいけない気がしただけ。そして、

        • 過去への遺書

          誰かの台詞 "夢は大きくなけりゃ、つまらない" "どうせなら派手にいこう" 確かにあの時、心動いた でも今思い出すのは形のない言葉だけ その台詞の意味も思い出せない その人の顔、声、服装、全部 どこに置いてきたのか、知らないけど 時間をぶち抜いて過ぎ去ったもの 穴が空いていて風通しが良い そこに触れる度涙が出る 戻らないもの、還らないものへの追悼だ もしその気持ちも遠くなったら 許してほしい

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        • 無口な店主と酒場の客
          7本
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        • 語り場ダイナー
          8本

        記事

          夏の光ひと筋

          夏の光ひと筋

          芸術の国

          *1* ──見渡す限りの岩山。 丁度谷間にあるこの村は、この山の名前からとって、アンティゴビーセ村というらしい。木作りの看板に、消えかけた文字で書いてあった。辛うじて読めたのは、村の名前だけだったが。 地図を見る限りでは、次の大きな町までは、この岩山を越えていく必要がある。 あの時汽車を使っていれば、もっと簡単に早く行けたのに……あぁ……。 折角ならばと、自然溢れる道を選んだ訳だ。その為に、明日は岩登りが待っている。それはそれで楽しみだけれども。 今夜は早めに眠るに限る。

          芸術の国

          ささやかな足跡

          歴史の教科書の隅々まで読んだって 僕の名前なんかどこにも載ってやしない でも例えば、君が日記をつけてたとして たった一頁、たった一行、たった一回 僕の名前を見つけることができたなら きっと僕は、僕でいられる

          ささやかな足跡

          天の嘆き

          『歴史から学べることは、人間は歴史から学べないということだ』 『歴史は繰り返す』 この言葉たちからもわかるように、人間の本質というものは何を繰り返そうと変わらんらしい。悲しいことだ。 人間たちも、輪廻転生というものは知っているだろう。あれは事実、ある。 魂というものは何度も使われ、磨き込まれていく代ものだ。魂の創造にだって、限りがある。そうそう新しく創り出すことはできぬものなのだ。 だからこそ、燃え盛るような"歴史"というものが紡がれる。どの魂も、以前より良い命のために生きて

          天の嘆き

          愛?

          『愛より歪んだ呪いはない』 物知り顔でネットに書かれるこの言葉、僕にはいつも違和感があった。 確かに、映画や小説では愛故に壊れてしまったり傷付いてしまったりすることが多々ある。それは現実でも、そうなのかもしれない。 愛あればこそ、狂気を覚えることもあるんだろう。 しかし、それと愛=呪いという方程式は別物だと思う。まぁ、僕もそういった考え方をテーマに詩を書いたことがあるから人のことを言えたものではないけれど。 書いたからこその気付き、でもあるのかもしれない。 愛なんて目に見えな

          【短編小説】戦争と少年

          「くっだらない」 リムは乱暴に髪を掻きむしりながら、吐き捨てるようにそう言った。胃液を吐き出すような、という表現がしっくりくるような言い方だった。 長い前髪から覗く瞳は剣呑とした影に覆われ、よく見えない。しかし、唇を噛んだその表情からは、怒りや失望が読み取れる。 「くだらない」 リムはもう一度そう言い捨てた。 誰も、その言葉に何か返すことはない。ただ黙って時が過ぎるのを待つだけだった。異様な沈黙と、薄ら寒い静謐。 リムは、居心地が悪くて教室を飛び出した。 自分でも言語化しよう

          【短編小説】戦争と少年

          【短編小説】旅の途中

          *1* 起きてまず知覚したのは、波の音だった。ざぁざぁ、ちゃぱちゃぷ、ざざざ。空気を削るような音に、意識がはっきりとしてくる。 なかなか開かない目を擦りながらごろりと転がると、欠伸が出た。のそりと緩慢に手を動かして、テントの口を開く。 目を細めて光に慣らすと、海が沈む日光色に煌めくのがわかった。蝋燭のように揺らめいているのは、なるほど見応えがある。 また目を擦り、テントから出ると立ち上がって思い切り体を伸ばした。固まった体が解れ、息がしやすくなる。ふぅうぅぅ……。 海の匂い

          【短編小説】旅の途中

          自分という存在?

          心理学の本で、性格は親を含め周りとの関係や遺伝によって形成されると書いてあるのをチラッと見た。赤ちゃんの時に、両親がどう接してくれたかとかが大事らしい。そして、その後も何かと親との関係性によって云々かんぬんとか書いてあった。 それにその本によると、性格を構成する要素の分配は、遺伝が占める割合が三割〜五割らしい。きょうだいの性格がどことなく似るはずだ。(勿論、真逆な場合もあるのは承知として) 人間は社会的な生き物で、周りとの相互作用によって自分を作るのはまぁ、当然と言えば当然か

          自分という存在?

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          空の写真。

          空の写真。

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          光が綺麗でした。

          光が綺麗でした。

          時間という概念

          有名な物理学者曰く、時間の流れ方はその時々で変わるものらしい。小難しい法則曰く、全ての時間──過去現在未来──は横並びに存在しているものらしい。 と、なれば時間とはいったい何だろう? 1時間は60分で、1分は60秒で、1秒はナンタラカンタラで。型に嵌っている、不変の概念ではなかっただろうか。突然、本当は1時間は55分なんです、なんて言われたらパニックになる。 でも、かの物理学者はNOを叩き付けた。 なるほど、一理ある。 時間の感じ方なんて、確かにその時々でてんでバラバラに違う

          時間という概念

          欲は天井知らず?

          人間の欲には、際限がないものだなと最近常々思う。食欲睡眠欲然り、物欲然り。 欲しいものはそこら中に溢れていて、でもそれを手に入れる為の手段はごく僅か。だからこそ、欲というものが生まれるのかもしれないな。 美味しそうなチョコレートシュークリームがあって、買って、食べて。満たされると、次は同じメーカーの違う味の、例えばストロベリーシュークリームが食べたくなる。それが済んだら、今度は別のメーカーの、これまた美味しそうなクレープが。 やりたいこと、というのはひとつチェックがつくと新し

          欲は天井知らず?