寂しさと繋がりと
折に触れて思い出す曲を集めました。
似たような経験があるよとか、自分もよく聞いていたなあとかそんな仲間がいらっしゃれば嬉しく思います。
月灯りふんわり落ちてくる夜
原曲がなかったのでカバーですが。
クレヨンしんちゃんのED曲です。
しんちゃんは私にとって見ていると辛くなるタイプのアニメ(後にそれが共感生羞恥だと知る)だったのですが、夕食どきには流れていました。そのEDです。みさえに怒鳴られて当然のことをして、案の定怒られるしんちゃんを見、あーあと思いながら迎えるED。当時の私はこの曲を怖いと感じていました。暗い気持ちで聴く落ち着いた曲は怖いのです。EDの映像も曲名の通り夜なので余計に。
そんな曲でしたが、「月灯りふんわり落ちてくる夜は」の歌詞だけ、やけに鮮明に覚えていました。
大人になって、働きはじめて数年経ったある日、仕事帰りに大きな月を見ました。遅くまで残業をした日で、かつ田舎ですのでとても静かな夜でした。突然、なぜか「月灯りふんわり落ちてくる夜は」とメロディが流れはじめました。その日はカーステレオもつけていなかったので、脳内でのことです。そしてそれまで全く意識してなかったのに「あなたのことばかり」と続きの歌詞が出てきました。
この時、私は恋をしていました。
この曲が怖い曲ではないことに気がつきました。
ループ 坂本真綾
ツバサクロニクルのEDです。アニメ本編はあまり覚えていないし、原作も途中でリタイアしました。
この歌詞が印象的で、今もこの部分だけ思い出します。
この曲も私にとってはひっかかる部分があって、思い出すたび、俯きたくなります。折角なのでなぜなのか考えてみましたが、多分、この曲の二人は走っているからです。二人がそれぞれに自分の道を走っているので、星が平らだったら出逢えていない。それに比べて私は走ってもいない、走らなきゃいけないのに、みたいな、そんな考えすぎで傷ついています。我ながら面倒くさい。
念のためですが、私はこの曲が好きです。走っていた二人は出逢えていますからね。
ゼロの答 UVERworld
UVERworldで好きなアルバムは?と聞かれたら、BUGRIGHTと答えます。
その一曲目がこの曲です。テーマは死への答え。
物心がついて初めてお葬式というもの経験した後だったので、歌詞が深く染み込んで、今も離れていません。歌詞を辿るだけで目頭が熱くなる。
愛も踏みにじられる世界だけど、最期の日には愛されたことも思い出せますように。
トリノコシティ
ニコニコ動画全盛期、がいつかはわかりませんが、勢いがあったニコ動に触れたオタクは、まんまとボカロにハマりました。
恋は戦争もロミオとシンデレラもその頃の曲は大体好きですが、今でも思い出してはキュっとなるのがこのトリノコシティとHAKOBAKO PLAYER。
リズムがよくて楽しいのに歌詞がネガティブ。
前半は
なのに後半は
なんですよ。
私は一人っ子で、親にすら「なんでも一人でできるように育てたが、やり過ぎた」と言われたことがあります。
……寂しかったんでしょうね。当時の私。
HAKOBAKO PLAYER
この曲はメロディがずっと離れない。そして歌詞がまだ刺さって抜けない。
刺さって抜けない。
CHANCE! UVERworld
有心論 RADWIMPS
音楽は、基本的にひとりで楽しむものでした。
音楽を通して知らない人と繋がることができるとは思っていませんでした。
あ、違うんだ、と思ったのは、高校で放送部に入ってからのことです。
放送部員の特権というか、お昼休みにかける音楽はその日の担当が選べるので、私の選曲時はUVERworldが多めでした。(ちゃんと流行りの曲も流してましたよ)
それがきっかけかはわからないのですが、同じ放送部で学科の違うAから、「クラスのBもUVERworldが好きだって。その子はCHANCE!が好きだって」と言われました。この当時でCHANCE!は古めの曲です。有名曲じゃなくCHANCE!を挙げてくるなら仲間です。もちろんすぐにかけました。すると夕方にはAから「Bが喜んでた。最近新しいCD出た?その曲のことを語ってくれたけどよくわかんなかった」と報告が。仲間が!いる! もうめちゃくちゃ嬉しかったです。
学科も部活も違うので直接Bと話すことはあまりなかったのですが、世界は繋がっているんだと感じました。
有心論についても、クラスメイトの陽キャと話すきっかけをくれた曲です。ヨーカさんにCDを渡せば昼の放送で流してくれる?と突然確認された翌日、一枚のCDを渡されました。それが有心論。その日の担当は私じゃなかったので、担当チームに渡すと、その担当にRADWIMPS好きがいました。こうなると私が先ほどのAの役割です。
同じ音楽が好きな人って結構近くにいて、それも珍しいことじゃないんだと気付きました。中学までの狭い世界では気づかなかったことでした。
Mean テイラー・スウィフト
人生初の海外旅行で乗った飛行機で、たまたま聞いて一目惚れした曲です。曲の場合の一目惚れってなんていうんでしょうね。
行きの機内で聞いたのですが、そのときはネットで検索できず、ただ歌詞はわかりやすかったので覚えておくことにしました。そして旅行中はすっかり忘れていたのですが、帰りの機内で「確かめちゃくちゃステキな曲を聴いた」ということだけを思い出し、帰国後、正解に辿りつきました。
聞き取れた単語を打ち込むとすぐにヒットしました。
こういうことがあるから英語はできるに越したことはないですよ(今は全くできませんが)。
検索したのは確かこの歌詞の前半だったはず。
いじめられっ子の女の子が、いじめっ子に対して「いつか見返してやるから見てろよ!」な曲です。MVがYouTubeに上がっているのでぜひ見てください。
ジャンルとしてはカントリーになるのかな? 日本にはあんまりない曲だなと思って、印象的でした。似たような曲を探してカントリーの曲をいくつか調べましたが、この曲以上に刺さる曲はまだ見つけられていません。オールマン・ブラザーズ・バンドはたまに聞きます。
Good Morning SPECIAL OTHERS
インスト曲という存在を知ったのは大学生になってから。
カラオケ曲みたいな意味合いでのインスト曲は知ってて、それはあんまり好きじゃなかったのですが、インストだけで完結しているインストというか……そういう曲はそれまで知りませんでした。サウンドトラックとも違う存在だと思うんですが、音楽は詳しくないのであんまり話すのはやめましょう。
大学では演劇をしていたので、その関係で知った曲とアーティストです。
ボーカルがいなくても音楽は楽しい。というか、ボーカルがないから想像の余地が多いというか。たぶん、同じ曲を聴いても思い描くものは人によって違うんだろうなぁ。
この曲を流した時のアンケートに「スペアザの曲がかかって同志がいる!!と嬉しくなった」というようなことを書いていただけて、知らない間に繋がっている感じがして一人舞い上がっていました。演劇のアンケートで音楽のことってあんまり書かれないので……。書いてくれた方も嬉しかったんだろうな。
同じ中学から同じ高校へ進学した子がいなかったので、4月、急に寂しくなって布団にくるまって音楽を聴いたこともありました。
センター試験の1日目の夜、イヤホンで大音量の音楽をかけながら眠りました。
音楽は気持ちと繋がっている。
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