【旅レポ】瀬戸内の都市をめぐる(鞆の浦・因島・尾道・三原・大久野島)
6歳の娘が図書館で借りて気に入った絵本
『うさぎじまのうさぎちゃん』
うさぎじまのうさぎちゃん | 書籍 | 小学館 (shogakukan.co.jp)
動物写真家の福田幸弘さんが、半野生のうさぎがたくさん生息する瀬戸内海の大久野島に通って撮った写真をもとに構成された絵本です。
はまりこんだ娘がずっと「うさぎ島に行きたい!!」と言っていたので、酷暑の9月中頃に、大久野島をはじめ瀬戸内海のまちを巡る旅に家族で行ってきました。
鞆の浦
広島県福山市の港町、鞆の浦。
潮待ちの港として万葉集にも歌われ、坂本龍馬にもゆかりのある歴史の町です。
最近ではジブリ映画、『崖の上のポニョ』のモデルになった町としても有名になりました。
因島
しまなみ海道とは、広島県の尾道市と愛媛県今治市をつなぐ全長約60kmの道です。
6つの島を結ぶように橋が架かっており、尾道から出発して2つ目の島が因島。
室町時代には海賊・村上水軍が拠点としていたことで有名ですが、ポルノグラフィティや東ちづるさんらの芸能人を輩出したことでも有名です。
しまなみ海道を走ってみたかったこと、そして知人のポルノファンが激推しだったことから、今回訪れることにしました。
名物ははっさくとお好み焼き
といっても、スケジュールがぱつんぱつんだったため、あちこち巡れるほどの時間はなかったので、名物「いんおこ」をめがけて車を走らせます。
「いんおこ」は因島のお好み焼き。
広島焼にはそばが入っていますが、因島のお好み焼きには、うどんが入っているのが特徴。
造船の島、因島で働く人たちのお腹を満たすために入れたことがはじまりだと言われています。
私たちがおとずれたのは『みかんの花』さん。
他のお店の多くが商店街の中にありましたが、みかんの花さんは道沿いにあり、駐車場もあるため、車で訪れやすいところも魅力だと感じました。
かつおのかおりや豚肉そのもののうまみなど、素材の味が感じられるお好み焼きで、関西人の私は地元のお好み焼きよりも気に入ってしまいました。
お店の人も
「先週までポルノグラフィティが来てたんだよ~」
「お客さんもいっぱいだったよ」
とお話しておられ、因島の町おこしにポルノが一役買っていることを痛感しました。
他にも因島ははっさく発祥の地と言われており、たくさんのはっさくをモチーフにした名産品が売られています。
中でもはっさく屋のはっさく大福は有名なようですが、訪れたこの時期は長期休業中だったので食べられなくて残念でした。
しまなみ海道は1つ1つの島が近く、ドライブやサイクリングをするのにうってつけだと思います。
穏やかな海に浮かぶ島々を見ているだけで癒されます。
尾道
眼前に瀬戸内海が広がり、山手の坂道は風情のあるさんぽ道となっている尾道。
様々な文学作品や映画を生み出した町でもあり、海岸通りに平行した商店街はレトロでありながら活気に満ちていました。
グルメも豊富で飽きません。
千光寺
尾道といえば千光寺から望む景色!
ということで、ロープウェイで千光寺公園までのぼります。
尾道グルメ
尾道で有名なのはなんといっても尾道ラーメン。
ラーメンはこちらのお店でいただきました。
鳥推しのお店ですがラーメンにも本気で取り組んでいるとのこと。
魚介ベースのスープと背脂がたっぷりの本格尾道ラーメンでした。
他にも新鮮なお寿司やはっさくかき氷など、名物を食べ歩きしながらめぐりました。
三原エリア
三原をめがけて出かけることは少ないかも知れませんが、広島空港を擁するエリアなので、遠方からの来訪にはむしろアクセスがいいかもしれません。
当日訪れた尾道、翌日行く予定だった大久野島にアクセスも良かったので、宿はこちらに。
ホテルエリアワン広島ウィング
夜遅くに着いたときはライトアップもされていて、子どもたちは
「おしゃれ~!」
と興奮。
今回は素泊まりでしたがホテル内に広島名物を食べられるレストランもあります。
また、日帰り入浴もできるスパがスーパー銭湯並みの充実でした。
八天堂ヴィレッジ
広島発祥のクリームパン屋さん、八天堂が運営する体験型食のテーマパークです。
『カフェリエ』、『天空カフェ』、『ORCHARD』の3つの店舗ではパンケーキや本格的なお食事も楽しめます。
お子様連れにはアスレチックやパン作りやピザ作りの体験なども人気で、園内にはポニーもいます。
実はこちらのお店、私がお世話になっているオンラインサロン『京都暮らしの編集室』の先輩ライター&イラストレーター、北裕実さんのZINE、『ごはんとおやつ イラスト絵日記』で紹介されているのを見て、ぜひ行きたいと思っていました。
広島県内のたくさんのごはん屋さん、カフェなどが北さんの可愛いイラストとともに紹介されているとっても素敵な本です。
北さんの可愛いZINEもぜひご覧になって欲しいです。
大久野島
今回の旅のメイン、大久野島。
竹原市の忠海港からフェリーで15分ほどのところにあります。
猛暑の中のうさぎたち
島内には餌を売っているところがないため、買うなら忠海港なのですが、売店の方に、
「何袋くらい買ったらいいかしら~うふふ」
と浮かれて聞いたら、
「暑いから……うさぎいないかも……」
との返答。
1袋のみ買ったのですが、確かに想像していたようなうさぎがわらわら群がる雰囲気ではない。
同行した友人も、
「前に来たときはもっとうさぎいたのだけど…」
と不思議そう。
そう、この日は酷暑の最高気温36度。
よくよく探すと巣穴や木陰に時折うさぎの影をみつける。
何しろ暑すぎたので、良い季節に行かれることをお勧めします。
大久野島 毒ガス資料館
うさぎに次いで大久野島を語るうえではずせない、毒ガスの歴史。
昭和4年、毒ガス製造所が設置されて以来、昭和20年の終戦時に米軍に破壊されるまで、その製造は続けられていました。
当時国際法では毒ガスの使用が禁止されていたため、毒ガスの製造は秘密事項とされ、大久野島は地図からも消されていたのだとか。
毒ガス製造に携わった人々はその後も後遺症に苦しみました。
そして、製造した毒ガスは日中戦争時に多くの犠牲を生みだしました。
こうした悲しい歴史を繰り返さないため、平和を訴えるために資料館は運営されています。
展示室は決して広くはありませんが、当時を伝える物品や島内の遺構などは生々しくその歴史を伝えてくれます。
穏やかな瀬戸内に癒される旅
スケジュールがタイトだったことと、とにかく暑すぎ酷暑の旅だったため、なかなかゆっくり見られませんでしたが、予定を詰め込まずのんびり過ごすのにうってつけな瀬戸内の空気。
こうして穏やかな青い海と浮かぶ島々、青い空と歴史の街並みは、眺めているこちらも穏やかで落ち着いた気持ちになれます。
ぜひまた訪れたい場所の1つになりました。