多様性の中の伝統 『眠りの森の美女』
バーミンガム・ロイヤル・バレエの『眠りの森の美女』をロンドンで見てきた。ピーター・ライト版の舞台演出は、まるで本革と金文字で豪華に装丁された絵本のページを、目の前でゆっくりとめくっていくような感覚で展開していった。その豪華本の物語で主役のオーロラ姫を演じるのは、谷桃子バレエ団の動画で「次元が違う…!」と絶賛されていた平田桃子さん。オーロラ姫の周りだけ重力が軽くなるような魔法がかけられているのかと思うほど、平田さんの踊りには、軽やかに羽が舞うような優雅さが漂っていて、その異次元