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《本の紹介》87歳、古い団地で愉しむひとり暮らし

もう夕方の5時。
この位の時間帯は“こんにちは”か“こんばんは”かを迷ってしまう私です。



今日は本の紹介をしつつ、私の祖母との思い出話も挟んでいきたいと思います。




「87歳、古い団地で愉しむひとり暮らし」(著・多良美智子)


新築で入居した団地に55年住む多良美智子さん、87歳。家族との思い出が濃く残る住まいに1人で暮らしています。
手編みの掛け布団に、壁に飾られているポスター。古びた小道具や雑貨も丁寧に扱われてきたのだろうと感じられる佇まい。どんな人生を歩んでこられたのか気になりました。

多良さんは戦争体験者。長崎で被曝し、大阪に出て働いて地元で結婚。いまだに大変なことがあっても戦時中より辛いことはないそうです。


また、この本の中で印象的だったのが食事レシピ。
多良さんは3食を毎日同じ時間にとります。その食事は決して豪華なものではなく酢の物や和物、作り置きの野菜など。でもどれもお気に入りだそうです。


お、美味しそう…
思わずメモしてしまいました。調理が簡単なものばかりなのでトライしやすいです。

歳を重ねても好きなことにとことんチャレンジをする多良さん。なんと第九をドイツ語で歌えるんだとか。コロナで発表会は無くなっても、忘れないように歌の練習をしています。他にも、65歳で専門学校に通ったり、お孫さんとYouTubeを始めたり…。





多良さんの好奇心と行動力に圧倒されますよね。こんなふうに年をとりたいと思ってしまうような生き様が描かれた一冊です。


そういえば私の祖母も、よくピクルスを作っていたなぁと思い出しました。私が「おいしい、おいしい」と食べると「酢に漬けただけやで、美味しいやろ。ほら良かった」と嬉しそうでした。


祖母の家に泊まりに行った日は、
「泊まりに来てくれて嬉しいわ」
「いっぱい天ぷら揚げるわね」
と嬉しそうな祖母の顔を覚えています。


祖母の家は、多良さんの家の雰囲気とよく似ていました。

最後に心に響いた一文を紹介します。

どんなことも、
どうせやるなら嫌々ではなく、
楽しんでやろう。

『87歳、古い団地で愉しむひとり暮らし』より


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