よしねこ観光地創生研

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最近の記事

大災害時代の観光の心得

去る8月8日の夕方、宮崎県南部に極めて強い地震が発生しました。かねてから言われている南海トラフ自身が本格化するのではないかとの予測が流れ、観光客の動きに影響が出ているようで、宮崎県内では4月上旬にも震度5弱の地震が発生しているので、地盤に変化が起きていることは確かなようです。 さて、地震予知は政府を中心に精力的に取り組んでいるようですが、残念ながら役に立つ予報は出てきません。ただ、あまりに外し続けるので、私見ですが、逆に危険性が低いとされる地域(警戒を呼び掛けられていない地

    • フランス精神・・・はいはい

      パリ五輪開会式。フランスでは大成功の声が多いようですが、違和感が多いとの意見も聞こえています。 パリは世界屈指の観光都市、その町並みは宝石箱が並んでいるようとの感想を述べた有名作家もいるようで、確かに、その美しさは評価されて当然でしょう。パリではしゃいでいた自民党代議士も居ました。パリを訪問した喜びを書き連ねるのは勝手ですが、公費を使って身内を連れてフレンチ料理を堪能しているところまで見せびらかせば、顰蹙を買うのも当然ではあります。 フランス人の美的センスは世界に冠たるもの

      • 航空機燃料不足に見る観光立国政策の実相

        日本国内の空港で航空燃料が不足している中、成田国際空港は伊藤忠商事を通じて初めて韓国から航空燃料を調達することになりました。訪日外国人の増加による国際線への需要増加などによる航空燃料の不足が深刻化し、航空会社が増便や新規就航を見合わせる事態になっています。 国内で精製した燃料と同じタンクに海外の燃料を混ぜることに対して石油元売りなどから懸念する声があるものの、輸入燃料の品質証明が出ることで責任を転嫁する先が明確になり、空港関係者は安心して決断できたようです。 航空燃料の不

        • 東京都知事選2024に学びました

          広く耳目を集めて投票行動を引き出す。投票を来訪と消費に置き換えれば集客ビジネスに通じる取組とみることもできます。私は都民ではないので、他人事としてそういう観点から見ていると学ぶ点は多々ありました。 横綱相撲だった小池都知事。川上戦術というのだそうですが、離島や辺境エリアの人口密度の低いところから選挙活動を開始して、終盤に向かって人口の多い都心部にて支持を訴える。日頃、都知事が訪問しない地域では、強いインパクトを受けるので投票の動機を高める効果は高く、都会へ行ってしまった子供

        大災害時代の観光の心得

          行き先不明でもバスに乗り遅れるな?

          観光を絡めた移民政策のような国際的リモートワーカー (デジタルノマド )に長期滞在してもらうことで、地域消費の拡大、ビジネスの経済効果が期待できるとして専用ビザを発給、日本においてもデジタルノマド誘致に向けた在留資格制度を4月1日より施行していたそうで、観光庁はこのようなデジタルノマドの誘客に向け、デジタルノマドの特性・ニーズを踏まえた受入体制の構築、滞在プログラムの造成等に取り組む実証事業をしているとのこと。 日本の都市住民を田舎暮らしに向かわせる事業も上手く行っているの

          行き先不明でもバスに乗り遅れるな?

          巡礼の在り方を考える

          サウジアラビア政府は6月23日、ハッジと呼ばれる聖地メッカへの大巡礼で今年死亡した巡礼者が1300人を超えたと発表。熱中症で手当てを受けた巡礼者は膨大な数に上ってしまったとのこと。異教徒の不幸ゆえどのような表現が適切か分かりませんが、ご冥福をお祈り申し上げます。 この悲劇の背景には一種のオーバーツーリズムの構図があるようで、その対策として同国政府はハッジ許可証を発行して、これを持たない「無許可」の巡礼者は、エアコンの効いた団体ツアーバスの使用が認められなかったり、水や食事も

          巡礼の在り方を考える

          札幌ドーム経営難のそもそも論

          日本ハムファイターズに逃げられて、巨額赤字を出した札幌ドームの運営会社がそう遠くない段階で経営破綻するのではないか、との観測が出ています。運営会社なので、施設の固定費を負担することなく札幌市から施設の管理委託料を受け取ることが可能でしょうから、破産するまでは行かないでしょうが、利用者のいない巨大施設をどうするか、という問題は重くのしかかります。 この球場に限らず、維持経費が税金で賄われている事例は数多ありますので、プロ野球チームが居なくなって利用料が減ったとて、市民のために

          札幌ドーム経営難のそもそも論

          失政のもたらしたインバウンド増加

          もう10年も前になろうかという話ですが、とある会合でJTBの方が中国人観光客はこれからも増え続ける、とグラフを使って力説していました。中間層以上の人口に比べて、海外旅行に出掛けている人々の比率が低いので、まだまだ市場開拓の余地はあるという論旨。 全体的にはそうであっても、あの広い国土の各地に分かれて住んでいることを考えれば、宣伝するのも大変だろうし、政府の意向で旅行先に制限を加えることが許される国家体制であることを考えると、そう簡単に明るい未来を語れるのだろうか?と違和感を

          失政のもたらしたインバウンド増加

          ザスパ群馬と草津温泉

          朝日新聞(2024年3月13日)の記事 >草津温泉(群馬県草津町)を訪れる観光客が今年度、大きく伸びている。過去最高だった2019年度の327万人を上回るのは確実で、360万人台に達する勢いだ。関係者は「若者世代を意識したまちづくりが奏功した」と口をそろえる。 2002年、「ザスパ草津」というプロのサッカーチームが草津町に誕生しました。その当時、温泉組合の組合長がインタビューで話していた中で、この取組を始めた動機の説明が記憶に残っています。 「温泉旅館で働く若者の給料を東京

          ザスパ群馬と草津温泉

          石丸市長VS清志会論争(?)の深淵

          議場内に響くいびきをかきながら居眠りをする市議会議員(最大会派・清志会所属)を見かねた市長がたしなめたことに端を発する一部市議対市長の対立で注目を集めた広島県安芸高田市。その石丸市長が東京都知事選に出るということでさらに注目が集まりました。 勝てないことは分かっていて立候補するのは、ほぼ全国的に注目される東京都知事選挙で認知度を高め、いずれ行われる国政選挙で優位に立つのが狙いだろう、とか言われておりますが、東京一極集中が問題だと言っている候補に東京都民が支持するとも考えにく

          石丸市長VS清志会論争(?)の深淵

          寺が・・・往生する時代?

          地方の衰退が心配される昨今、とある研究者による伝統ある仏教教団の2040年時点での「消滅割合」が予測されていました。 そこでは、高野山真言宗45.5%、曹洞宗42.1%、天台宗35.8%、臨済宗妙心寺派34.7%、日蓮宗34.3%、浄土真宗本願寺派32%、真宗大谷派28.5%、浄土宗25.2%、黄檗宗22.6%・・・これをみて御利益のない順などと言ってはいけません。ただ、人口減少傾向が止まらない地域に普及していた宗派と見ることは出来ます。 地域傾向と照らしてみれば、東北に多

          寺が・・・往生する時代?

          問答無用 切捨御免 利益至上

          ビッグモーターという会社の従業員が、経営幹部の清掃徹底令を遵守するために、落ち葉の発生源である街路樹(公共財産)を枯死させ、除去したという話が報道されておりました。社内での評価を気にするあまり、公共物を毀損することも躊躇わないというのは、上層部の精神性に問題があるとしても、実行者の意識にも歪みを感じます。 さて、ビッグモーターの経営幹部は追い出され、法的にも社会的にも制裁されたようですが、ここまで問題化することなく、似たようなことをしている企業は他にもあるのではないか?と疑

          問答無用 切捨御免 利益至上

          参拝観光の動的様式

          叫ぶことの効果、シャウトは脳に刺激を与え、アドレナリンが分泌され、脳と体が活性化される。つまりは元気になれる訳です。 日常生活で無暗に叫ぶことは出来ませんが、叫びの欲求を満たせる場所はあります。それは、カラオケボックスであり、スポーツの応援であり、ロックコンサートなどのシャウト歓迎音楽イベントであれば、叫ぶことが許されます。お化け屋敷やジェットコースターもシャウトが許される場所と言えるでしょう。 ストレスの要素が溢れかえる中、生きているだけで体調を壊す恐れがありますから、

          参拝観光の動的様式

          経営思考と観光イベント

          「中小企業には経営がない」 享保元年創業の中川政七商店 13代 中川政七会長(中川 淳氏)の指摘です。伝統工芸品の製造小売り、伝統工芸品販売と製造者のコンサルタント、伝統工芸品のサプライチェーンを維持するための産業観光、経営者教育を手掛け、全国各地に店舗展開をされています。 高度経済成長期には流通サイドからの注文どおりに製造してさえいれば、それで大概の会社は存続できた状態に慣れ過ぎ、市場ニーズの変化に伴って仕事が減っていく中で対策が打てない。その原因はそこに「経営」が存在し

          経営思考と観光イベント

          AI先生による多世代共生による地域活性化?

            観光人材の育成はどうするべきか? 昔からあるテーマです。いまどきのAIアシストに答えを求めたら、 いくつかの提案が示されました。コンサルタントのプレゼンで聞いたことのある内容なので、これからの時代、平凡な観光コンサルタントはフィーを貰えないのかな・・・そう感じましたが、東京から来た旅行業大手に連なるコンサルタントの助言でありさえすれば、役場にも議会にも大満足な人々がいる限り、当分は大丈夫でしょう。 >観光業界の未来を担う若者に対して、実践的な研修プログラムを提供するこ

          AI先生による多世代共生による地域活性化?

          自動運転技術は・・・観光振興の切り札

          調査会社の老舗・株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区)は、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムを搭載した自動車の台数が、全世界で2030年には2018年比で約3.5倍の約8390万台に達するという予測を発表したのは5年くらい前のこと。 その後、今年3月、米国道路安全保険協会(IIHS)は、先進運転支援システム(ADAS)に関する評価結果を公表したということで、自動車メーカー9社、14システムを調査したところ、トヨタ自動車のレクサス「LS」に搭載された「レ

          自動運転技術は・・・観光振興の切り札