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東京、そしてトルコ

トルコにやってきました。

およそ2週間かけて、ひとりトルコを旅します。

東京を出発してから何度も飛行機を乗り継ぎ、やっとイスタンブールに着きました。前日のお昼ごろ出発して、乗り継ぎの時間を含めるとちょうど丸一日ほどの旅だったことになります。

ずいぶんと遠くまでやってきたような感じです。

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出発前夜、まだ荷造りもままならないところでしたが、僕は東京でトルコ料理を食べに行きました。

僕の友人に、日本に住むトルコ人と付き合っている女性がいます。

以前トルコへの旅について話したとき、出発までにぜひ彼(Jさん。彼女のパートナー)に会ってみてほしいと言われました。

うれしい話でした。日本にいながらトルコの友人ができるとは、ありがたいことです。Jさんと顔合わせをし、友人たちも交えてごはんを食べながら話をすることにしました。

ちょっと薄暗いお店の中に入ると、さっそく店内ではトルコ語の音楽がかかっています。トルコへの旅が一日早く始まったかのようです。

日本語がわかるJさんとはいろんな話をしました。ケバブサンドにフライドポテト、食後にはドンドルマ(トルコアイス)がおいしかったです。

気さくで親切なお店のスタッフさんたちとも話が弾みました。トルコ語しか話せないおじさんとは、スマホの翻訳アプリをつかって会話しました。

便利な時代になったものです。言葉が直接わからなくても、音声認識や翻訳技術が進歩したおかげで、こうして世界中の人たちと気軽にコミュニケーションができます。

気がつけば友人たちが日本の音楽でダンスを始め、Jさんもノリノリで参加しています。

たくさん写真を撮りました。楽しい時間でした。

撮った写真は仲間にシェアします。写真を撮って共有すると、多くの人に喜んでもらえます。本当にありがたいことです。

一緒に時間を過ごしながら、そこで体験したことを写真にすることで、楽しかった時間や記憶をいつまでも残しておくことができます。

それと同時に、1枚の写真は「あなたはこんなに楽しそうだった」「あなたはこんなに素敵だった」というメッセージにもなります。

写真とは、きっとコミュニケーションの道具なのだと思います。

別れ際、Jさんがひとつの袋を出してきて、ひとつ頼みごとがあると言われました。トルコに住む彼の家族に、この日本からの「プレゼント」を渡してきてくれないかという内容でした。

渡された大きな袋の中には、日本で買える生活用品の数々や、ちょっとした雑貨品などが詰め込まれていました。

今年の2月、トルコ・シリアで発生した大地震では、両国合わせて5万人以上が犠牲になりました。

日本で生活していたJさんは無事でしたが、彼の故郷は、地震によって壊滅的な被害を受けた地域の一つでした。多くの建物が倒壊し、地元で暮らしていた友人や親族も次々と犠牲になってしまったそうです。

とても辛い出来事だったに違いありません。

そんなJさんから託されたひとつの袋には、故郷に住む家族に向けて、日本からプレゼントを渡したいという彼の気持ちが込められていました。

とても重大なミッションです。大きな責任を感じます。しかし、トルコのために、なにか多少なりとも役に立てるのであれば、これほどうれしいことはありません。

僕は快く了承し、そしてJさんの故郷の町を目指すことになりました。

最初は、ひとり気ままな海外旅行というぐらいに考えていた僕のトルコ旅。

しかしそれは、日本に住むトルコの友人の思いを届けるための、とても大切なミッションへと様変わりしたのです。

もちろん、気負いすぎずことなく楽しむつもりですが、いまこうしてJさんの思いが、形となって僕の手に託されたとき、そこに大きな責任感が芽生えるのを感じます。なんとしても彼の故郷へ足を運び、無事にプレゼントを渡したいと思います。

そんなわけで始まった、僕のトルコ旅。まずはしばらくの間、イスタンブールに滞在します。

また書きます。

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