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風俗嬢のあの子の結婚を応援したい(前編)

俺のちんちんが少し所在なさげにしていたので、風俗に行くかと聞いてみた。

「おい、兄弟。今日どうだい」

二つ返事で行くと答えたので、風俗に行ってきた。



電話をした。
非常に気の良い兄ちゃんが電話を取った。


「お電話ありがとうございますー。(店名)です!本日はいかがいたしましょうかー!」


風俗店とは思えない非常に快活な受け答え。繁華街のオッパブのキャッチ並みの勢い。


聞き馴染みのない大阪なまりのイントネーションも何故かすんなりと俺の中に入っていった。ありがとう大阪の兄ちゃん。


俺:「フリーでお願いします。」

大阪の兄ちゃん:「分かりましたー。ありがとうございます。
お兄さん、もし・・・2000円払ってくれるなら女の子グレードアップしますよ?」

俺:「おー、でも1000円しか出せない!1000円プラスするからお兄さんのさじ加減でチョイスして!」

大阪の兄ちゃん:「ありがとうございます!任せてくださいよー。良い子つけますっ!」


そんなグレードアップ交渉してくる風俗店受付は初めてだった。
提案型営業。彼がリクルートに入れば、良い求人媒体を紹介してくれると思う。

俺はスイスイと決まっていく今日の予定に期待を膨らませた。


電話を切る寸前、彼は俺に小さな声でこう呟いた。


「あっ、彼女繊細なんで優しくしてあげてくださいね。」



俺は、もちろんですー。と簡単に返答した。


音よりも早く察した。
風俗界隈で「繊細」という言葉はサービス地雷という意味。


ただ俺の性欲は地雷をも凌駕する。
地雷を踏んだらさようならする浅野忠信レベルはとっくの昔に超えている。
こういう時は下半身の衝動のまま、動くほうがいい。
このまま行こう。


俺はいそいそとホテルに向かった。
寂れたラブホテルに一人チェックインする。


そして時間が経つ。


ドンドンドン


はーい


非常に可愛らしい金髪の女の子が部屋に来た。
身長は160センチ程度、色白でたれ目。カジュアルファッションがとても可愛い。

名前はおとちゃん。歳は22歳。

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※音ちゃんのイメージはこれで頼む。



お前たちみたいな童貞は初めて風俗嬢を見たときどこを見る?

バスト?ヒップ?顔?



俺は手首。

手首一択。

手首は人柄が如実に出る。
残念ながら、彼女の手首には無数のリストカットの痕があった。



俺の中のジャバウォックが語り掛ける。
『---深入りしてはいけない。 淡々と事を進めるべき。---』



肝心の人柄はどうだったか。
すごく明るくて良い子だった。


「今日は暑いですねーすごく汗書いちゃいましたー!
もう体力がおばあちゃんみたいになっちゃってー、
あー夏嫌だなー。」

少し笑いながら話すのがクセの普通の女の子。


淀みなく話す彼女、逆に壁を感じた。


人見知りは2種類。
本当に人と話せないタイプ、自分のことを一方的に話して壁を作るタイプの2種類だ。

彼女は間違いなく後者だった。


ただ、知識の深さヒザ丈の如く、知識の広さロシアの国土が如くでお馴染みの俺にかかれば、打ち解けるなど訳がない。


運よく彼女の話している内容と俺の松井稼頭央ばりの守備範囲にことごとく合致した。

「やってるソーシャルゲームの課金が辞められない」、「ポケモンが好き」、「猫を飼ってみたい」、様々な角度から繰り出される新型デンプシーロールのような速射砲を全て受けきった。

もし俺がスラムダンク川田兄ならこう言ったね。
「そのパターンも知ってる。」

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もしかしたら本当にブロックをかましていたのかもしれない。

隣で晴子さんが泣いていた。



そんな他愛もない雑談をしていくにつれ、俺と音ちゃんの絆は深まっていった。


些細なことで大きく笑う彼女。
屈託のない笑顔。
手首の傷との強いコントラストに時折眩暈がした。


そして二人は互いに服を脱いだ。

(後半に続く)

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