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音楽との対話でみつけた「育ち」と「成る」

音楽でみつけた大事なこと
を書きたいと思います

ピアノのことちょっと書きますと。。
楽器は弾かれた通りの音色に成るんです

持ち主が小さな音で弾くと
「小さな音しか出ないピアノ」に成って
ガンガン弾く持ち主だと
「ガンガン鳴る楽器」に成る
元々の音色なんてほぼ変わります

ショパンの
繊細な音色とフレーズを求められると
とろけるような音色の楽器が出来上がる
上原ひろみさんみたいな
パワージャズを求められると
素早く鋭く粒立ち良い音色の楽器に成る

そう成った楽器を弾くと
「こう弾いて」って楽器が言ってきます「私はこんな育ちでこんなのが得意です」って楽器が譲らない
こちらが求めても
「そんな急に変われない」
って全然融通が利かない
なので楽器と弾く人の思惑が合うとうまくいく

購入時にはそういう意味で楽器を選びます
低音はズーンと重たく伸びて欲しい
高音はピンと響いて欲しい
撫でるタッチでは水面が揺れるように
堅く鳴らしたい時はくっきりと
指の動きに反応してくれる楽器が楽しいです

甲子園球場 
阪神タイガース私設応援団のラッパ
(トランペットですけど
敢えてラッパと呼びたい)
は球場サイズに明るく響く
でも室内近距離の良い音色は出ない
ラッパが「はよ球場へ行きましょうよ」って言ってくる

どの楽器も
やったことが基準(その楽器の普通)を作る
やったことが得意なことになる
やってないことは出来ない

では新品のピアノはどうなのかというと
鳴らないんです
弾いてもらって音を出す
という経験がまだないから
人と同じで
1歳2歳じゃ
とろける音色も
鋭い音色も
知らない
何も知らないんです

自分も
年単位で出来上がることを見越して
毎日を過ごさせます
好きじゃないことしてはいけない
好きじゃなくてもそれが自分に成るから

とりあえずこうしておこう
の、とりあえずが積み重なって
出来上がってしまいます
一度出来上がったものを変えるのは
また何年もの時間が必要です 

「いま」の重なりが
自分に成る
育ちに成る
楽器店に並ぶ中古ピアノたちが
自らの姿を見せてそう教えてくれます

怒られて育つと「怒られる」側の人に成る
頼られて育つと「頼れる」側の人に成る
愛されて育つと「愛される」側の人に成る

私のところのグランドピアノは戴き物です
お洒落なご家族の中の
すっきりと潔いよいお嬢様が
長年弾いてこられたピアノです
清潔で素直でややこしいところのない音色のピアノです
私が知らない世界へ導いてくれます

アップライトピアノは選びました
よく鳴って明るくて
この世の安全を証明してくれるような音色でした
528CDOカレンは
この音で絶対音感を作りました



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