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恋愛=自己暗示だと思っている私

 あなたは、何がきっかけで恋に落ちますか?

人を好きになるきっかけは、人それぞれだ。

「あの人のことがなんとなく気になる。」「タイプだな。」「付き合ったら楽しそうだな。」

最初は誰でもその程度だと思う。会うたび、話すたび、その人のことを考える時間が増えていく。「好きかもしれない」と思う回数が、増えていく。

こうして「あの人のことが好きかも…」と思っている時間は、「好き」という暗示を、自分にかけている時間なのだと私は感じる。

友人に相談して「好き」という言葉を口にしたり、恋愛ソングを聞いて自分に重ね合わせたり…こういった行動を取ることで、また少しずつ暗示が深くなる。

そうして相手のことを考える時間が増えてくると、いつしか、「私はあの人を好きだ。好きなんだ。」と自分に言い聞かせるようになっていく。

また、たとえ自分が意識していなかった相手だとしても、周りから「お似合いだね」「相手の人、あなたのことを好きなんじゃない?」などと言われることも、その人を意識し、「好きかも…」と思い始めるきっかけになる。

このように相手のことを意識し始め、「好きだ」と思う頃には、もう完全に自己暗示にかかっている。

そこからはもう止まらない。脳内はマシュマロだらけの王国へと変貌し、恋愛以外のことを考えられない、という人も出てくるだろう。

そして、相手の方でも同様に自己暗示が起こり、思いが通じ合ったとき。

「好き…!」「私も好きだよ!」その思いを口に出すことによって、互いにさらに深い暗示をかけ合うことになる。そうなるともう、お互いのことが素敵に見えてどうしようもない。

そして一緒に過ごすうち、リアルな姿を目にするうち、その暗示には迷いが現れ、少しずつ解けていくパターンが多いのではないだろうか。

私は何も、好きという気持ちが悪いものだとは思っていない。暗示がかかっている間は楽しく、幸せな時間だと思うからだ。


私は中高生の頃から、恋愛に対して前述してきたようなイメージを持っていた。

私はきっと、本気で相手のことを好きになることを怖がっているのだと思う。これは自己暗示なんだ、と冷静な自分がどこかにいることで、舞い上がってしまう恋愛状態の自分を抑制しているのかもしれない。

私は社会人になった今でも、恋愛は自己暗示だと思っている。運命なんてない、と思っている。

だけど。

自己暗示から始まって恋愛をし、その暗示から解けた時。そこにいるのは、冷静な自分と、もうひとりの人間だけだ。

無条件に「好きだ」と思うよりも、たしかな理解と尊敬を含んだ「好き」がそこにはあるんじゃないかな、と私は思う。

そういった「好き」を、愛や安心というんだろうか。私にはまだよくわからない。

恋愛は自己暗示だと考える現実的な自分も、人のことを好きになって浮かれている自分も。どちらもちゃんと認めて、愛してあげようと思う。





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