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心に残った映画たち

はじめに

最近映画を観る機会が減ってしまって干からびそうなのですが、映画愛を忘れないうちに私の心に残った映画たちを書き残します。
尚、紹介する順番に意味はありません。

全ての素晴らしい作品たちへ、
そして映画好きの方達へ、

愛をこめて。


セイント・フランシス

一つ目はこちら。

特に女性にオススメ〜!な作品。

何に対してもやる気はない、新しいことにも挑戦しない、特定の恋人は作らず体の関係適当に持つようなだらしない34歳女性が主人公。
そんな彼女がベビーシッターの短期仕事を受けたことをきっかけに少女フランシスに出会い、少しづつ変わっていく――というお話。

ポスターとあらすじを見た限りでは、「ひと夏の出会いと思い出✨」って感じだと思ってた。
ところがどっこいそんな綺麗な話では無い。

月経、結婚、妊娠、出産(中絶)、同性愛、そして若さというステータス。
「女性」という生き物はこれです!を全て詰め込んだような作品である。

作中では、女性の月経や不正出血など包み隠さず描かれている。ワオッ!
ナプキンや下着、ベッドのシーツ、クッションなどあらゆる場面でべっとりついた血を見せられるため、結構グロテスク。
とはいえ女性なら見慣れているような光景かなと思う。

ハッキリ言って主人公はクズなので、多分鑑賞中は「なんだァ?この女ァ」ってなる。し、実際私は何度も思った。
でもそれがこの作品のいいところ。なぜか。
誰かの人生を覗き見たような感覚に陥ることが出来る。
"いい意味で"映画らしくない映画だった。

特に印象に残ったのは主人公とフランシスの関係。大人と子供、ではなく女二人として恋愛トークをする二人。
そして映画最後の会話、なんてこともない内容だけど個人的にはとっても泣けた。

女性ってステキ!


怪物

二つ目はこちら。

普段海外の映画作品を漁っている私ですが、これは無性に気になって映画館へ爆走した。

子供たちの喧嘩(いじめ?)を巡って話は展開していく。が、だがしかし!そんな単純な話じゃねぇんだよ……

何言ってもネタバレになりそうなので気になる方は情報皆無で観てくださいm(_ _)m
クチコミとか見ちゃうと面白さ半減します(※個人の感想)。
せっかく持ち出したのでちょぴっと紹介↓

この映画は同じ時間、同じ場所で起こった出来事を①母親、②担任教師、③子供たちの別々の視点で繰り返し追っていくようなStyle。

母親sideから観ると、何も解決してくれない学校側にくっっs(´ρ`*)コホンコホンとっても、イライラするしモンスターペアレント化する気持ちも分かる。
一方で教師sideにきり変わった瞬間、あれ?先生悪くなくない……?むしろいい先生じゃないか(手のひら返し)。

子供sideを観るまで正直真相は全く分からないけれども、分かってからの衝撃と悲しさたるや。心えぐられます。

人間って物事の一片しか見れてないんだね。


エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

三つ目はこちら。

この作品はかなり賛否両論だと思います。
超絶カオスだからです。

人間は一日に3万5000回もの選択をしているらしいですが、選ばれなかった方の未来「もしあの時こうしていたら」のパラレルワールドが無数に存在するという設定の話。
これ覚えといてください。テストに出ます。

何の説明もなく突然別ワールドの旦那が力を貸してくれとか何とか言って現れるものだから、何事(゚Д゚≡゚Д゚)!?のオンパレードです。
ここが賛否両論の理由。

どうやら主人公は「全ての選択肢を不幸方向へ選んでしまった未来」に生きているらしい。だから可能性が無限大=世界を救えるなんだとさ。
パラレル旦那が渡してきた難しい機械を装着すると別の自分が持ってる能力(歌手になったワールドだったら肺活量)を借りれるらしい。なるほど、分からん。

ところで、「人の指がソーセージになる世界線」は誰がどこでどんな選択をしたらそうなるんだよ💢💢

と、まあこういった感じのカオス具合のなんですが、何が刺さったのかというとメッセージ性なんだ。
自分が最も不幸な道を進んできたと知ってしまって自暴自棄になる主人公。に対して旦那さんがかける言葉が本当にパーフェクト。
おめぇ冴えないのにいい男だな……。(失礼)

あの選択をしてきた自分だからこそ出来ることがあるのさ。愛せる人がいるのさ。過ぎてしまったことを悔やむ前に今ある幸せを噛み締めようぜ‪yeah☆


クロース

四つ目はこちら。

先に言っときます。結構序盤から終盤までえぐ悲しい映画です。(勧めるな)

怪物同様男の子二人が登場するお話なんですが、この二人もーーほんっとに仲が良い。
メルちゃんかよってくらい24時間いつでもどこでも一緒。

ところが、中学校入学をきっかけに二人の関係に変化が。
仲良しこよししてると、クラスメイトから「お前ら付き合ってんの?」ってからかわれる二人。
おい余計なこと言うな💢と思ったが、思春期入るか入らないかくらいの年齢ってこれ言うよね……。

特に虐められるとか仲間外れにされるとかはなかったんだけど、この言葉をめちゃくちゃ気にする主人公(レオ)と気にせず今まで通り仲良くしようとする親友(レミ)のすれ違いがもう加速して止まらねぇのなんの。誰か止めてくれ。
レオが周りに合わせて溶け込んでいくのに対して、レミだけどんどん浮いていく描写は涙無しでは観れないっす。さすがに辛すぎ;;

実際二人の関係が親友だったのかそれ以上に特別な感情を抱いていたのかは作中で語られませんが、レオの素っ気ない態度がどれだけレミを傷つけていたか、そしてそれに気づいた頃にはもう遅い。

冒頭で二人が走っている花畑(?)が枯れて、蕾になって、また咲いて、となることで時が過ぎて行くこととレオの心情が読み取れるのはシャレオツだ〜。
てか表情よ。演技ウマっ。恐ろしい子…!

ずっと自分がしたことへの後悔を背負って生きていくと考えれば、救われないEND。
感情を揺さぶられたという意味で心に残った作品。


パーフェクト・ブルー

五つ目はこちら。

ポスターから過激さを感じるこの作品。
大丈夫、中身もっと過激です。(?)

人気絶頂期のアイドルグループを抜けて女優へ転身する未麻ちゃんという女の子の話。

ってだけなら良かったんですけど、実際は過激なグラビアやドラマシーンの仕事ばかり舞い込んでくる始末。
+‪α彼女の活動を良く思わないファンの嫌がらせ、仕事関係者が犠牲になる殺人事件などで精神的に追い詰められていく様を描いたもの。はい、ヤヴァイです。

やりたくもない仕事をするところは女性は特にキツいかも。一人では観ないでネ!恋人とも観ないでネ!関係が浅い友人とも観ないでネ!かけがえのない親友と観ろ。

また、場面がパッパパッパ切り替わるため、はてなマークいっぱいになる人もいるかもしれません。
アイドルのままでいたかった自分、女優として成功したい自分、どっちが私?しまいにはドラマの役と自分の区別もつかなくなる。"本当の私"はどこ?

何が現実で何が夢?って観てるこっちもなります。つまり精神的におかしくなってしまった主人公の感覚(統合失調症?)を共有させられているのではないかと。

第三者にさせてくれない映画です。
だからこそキツい、重い、辛い。
二度と観たくない。(褒め言葉)

ただ作品としては天才以外の何物でもない。音楽もアニメーションも最高。
これが26年前ってマ?ましてや監督のデビュー作ってマ?
脳みそどうなってんのよ。


スタンド・バイ・ミー

六つ目はこちら。

有名中の有名ですね。
誰もが観たことあるようで観たことない映画。
ドラえもんじゃないよ。

冒頭はおっさんが新聞見て感傷に浸ってるところから始まります。誰やこいつ^^
実は主人公なんですねぇ。

皆ご存知の男の子四人組の冒険は、おっさん(主人公)の「そういえば、あんなことあったなあ…」っていう回想なのでした。

舞台は1959年、小さな田舎町。
「行方不明の少年の死体が線路上に放置されているらしい」との噂を聞きつけ、死体探しの旅に出る。というのが冒険の始まり。

ずいぶんと物騒な旅ですが、死体を見つけるかどうかよりも道中がこの映画の醍醐味です!!
町から30キロも離れた場所を子供たちだけで目指すので当然歩きですし、小学生の小さな足で30キロですよ。そりゃあもう大冒険。
それぞれの家庭環境が浮き彫りになって、本音で泣いて、怒って、喧嘩したり、助け合ったり。青春すぎて眩しいったら!もう!

ここで冒頭のおっさん主人公を思い出してください。あれだけ人生最大と言えるほどの大冒険をしておきながら、その程度で済むんですか?ってね。

「作品名だけは知ってる」だった時はただの友情物語だと思っていましたが、俺たちの友情永久不滅🤜☆🤛じゃありませんでした。

大人になった今に観てよかった。
子供の頃にこれを観ていたとしてもきっと感想は「え、それだけ?」だっただろう。

あいつと馬鹿やった日はもう一生戻ってこないんだ…というエモさを是非味わってほしい。

ほんで最後にかかる曲が良すぎ。
スタンド・バイ・ミー。そばにいて。大優勝不可避。


RRR

七つ目はこちら。

これはもう言わずもがな。
いやー、面白かった。

舞台は植民地時代のインド。
イギリス軍にさらわれた少女を助け出そうとするなんちゃら族のビームとイギリス政府の下で警察として働くラーマがお互いの正体を知らずに(敵同士だと知らずに)仲良くなっちゃった、という話。

3時間映画って耐えられるの?って抵抗があったものの、そんなん全然気にならん!!!
どんでん返しが5回くらいある。いやさすがに盛ったか。
でも展開がどんどん変わるから飽きない!マジで!

もちろんストーリーが進むと二人が敵同士だと知ってしまいます。そこからの展開が熱い。(推しポイント)
それぞれの使命を果たそうと心を押し殺しながら、共に過ごした日々を忘れられず葛藤する二人。殺すにも殺せない。だって俺たちかつて友情を誓い合ったから……。

正直ビームもラーマも強さが人外すぎるし、そうはならんやrなっとるやろがい(高速否定)の繰り返し。普通の人間なんか敵じゃない。銃弾?敵じゃないっすね。(推しポイント②)
ここまで来るとむしろ気持ちがいい。ありがとう、万歳。

これに関しては考察とか一切要らん。観たまんま。理解しやすい楽しい友情物語。
ナートゥナトゥナトゥ♪♪

ストーリー面白いのは大前提として、ものすごく金かけて作ったんだな(笑)ってのが味わえます。
3Dかと錯覚する。ユニバーサルスタジオジャパンか?
そこも楽しめるのイイネ!


ベイビー・ブローカー

八つ目はこちら。

タイトルからお察し、赤ちゃんを売る話。
はい、重いです。

赤ちゃんポストから赤ちゃんを連れ去り、人身売買してる男二人組。そして「てめぇら私の赤ちゃん盗ったろ」と訪ねてくる母親。(多分そんなこと言ってない)
かくかくしかじかで、赤ちゃんの里親を探す旅に実の母親も同行することに。

旅をしていくうちになんか暖かい家族のような雰囲気が出てくるし、一緒にいればいるほど赤ちゃんを手放したくなくなってくるし、ところがそうはいかないのが現実。辛い。
犯罪をしているのは紛れもない事実だから、着々と迫る捜査班の影。

そして徐々に湧き出てくる「こいつほんとに捨てたくて捨てたのか?」という疑問。
じゃあ何で?も明らかにはなるけど全て理解できるわけではなく、でも少し共感してしまう部分もある…という複雑さ。

とてつもなく印象に残ったのは母親が観覧車で涙を流すシーン。泣き方綺麗すぎてワァ……ァ…ってなる。ち〇かわになる。

「生まれてきてくれて、ありがとう」って言葉の重さ。
命とは、家族とは。

"誰かの子供"目線で観るか、"誰かの親"目線で観るかでまた違った感想になるのかもしれない。


ハッピー・デス・デイ

早いもので九つ目。こちら。

ポスターのインパクトこそすごいものの、ホラー苦手な方でも観れるほど怖くありませんでした👍(責任はとりません)

誕生日に主人公(女の子)がマスクの殺人鬼に襲われて、またその日の朝に目覚める。つまり何度もループして殺されるお話。

話だけ聞くと物騒ですが、この主人公めちゃ強です。
どうせループするもんだからって全裸で外歩くし、こうなったら犯人の正体暴いたんぞオラァのメンタルで突き進むおかげで怖さ半減してます◎

そして酒の勢いで一夜過ごした男の子が何故か協力してくれることに。
結構かっこいい。やるやぁんって。

犯人と思わしき奴を一度二人で撃退しますが、どうやらこいつじゃないっぽい……じゃあ誰なんだよ!?(ゾクッ)
果たしてこのループを終わらせることはできるのか。

割とありがちな設定であるため、ぶっちゃけB級ではある。(小声)
ただ、普通に地獄と言えるループをここまで面白おかしく描けるんだなと印象に残った映画。

ちなみにハッピー・デス・デイ2もあるらしいのでちょっと気になる。


私、オルガ・ヘプナロヴァー

最後になります。十つ目。

こちらはチェコの最後の女性死刑囚をモデルにした実話です。
オススメしません。(!?)

経済的には恵まれた家庭で育った彼女がどのようにして死刑に至ったかを描いているのですが、虐待や差別の表現を含むため観ていてかなり辛い作品。

彼女の犯行は決して肯定されるものではないけれども、誰か!誰か一人でも手を差し伸べられる人間がいなかったのか。いたならもしかしたら…というどうしようもない感情にさせられる。
そして当時23歳という若さの衝撃。絶望した人間ここまで狂うのか。

ただ作中のオルガは暗くて、ネガティブで、ひねくれた考えを持ってる(置かれていた環境のせいもあると思うが)ため、あの場に自分がいたとして手を差し伸べるかと聞かれるとどうも頷けない^^;
そういうところも彼女の孤独を加速させたんだろう。

逮捕されてから死刑執行されるまでのシーン、一人の『人間』を見せつけられたような感じ。
死刑になりたかったとか強気な口叩いてても、実際目の前に迫ってきたら怖いよね。

モノクロなのが不穏な雰囲気出てていいなと思った。
あと女優さんがタバコ吸うとこ綺麗。


さいごに

ここまで私の映画記録に付き合ってくれてありがとうございます\(^o^)/

ちょいちょいふざけてるので分かりにくい部分もあるかもですが、結局観るのが一番だ!

書き出してみると重めの映画好きだな自分、とか思ったり。
考えさせられるの好きなんですね。Mなん?

これからも印象に残る映画に出会えたら、記録したい所存。

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