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アンコールワット再来訪 その7

瞬く間に過ぎていった3日間であった。
空港までの送迎に来てくださったのは、1日目の観光でお世話になったダラさんだ(彼は優しくて賢くて歴史オタクで、なんというかナイスガイという言葉を具象化したような紳士なので指名倍率はきっとエベレスト山より高いのだろう)。

空港に着くと車から荷物を下ろしてもらい、チェックインカウンターへと向かった。
チェックインカウンターは団体で混雑していた。よく見ると、おととい入国審査で一緒に並んでいた韓国人団体観光客の添乗員さんがいるではないか。
入国審査の時、何やら騒がしくしてて時間がかかっているなあと思って見ていたので、今その後ろに並ぶのはいささか気が引ける。
と、思って隣の列(そこはそこで団体が並んでいる)へ並ぶと、西尾一男(友近のネタ)のような現地人のおっちゃんが寄ってきた。
西尾一男は片言の英語で「3人はファミリーか」「もうひとつチェックインカウンター開けたから、ついて来い」のようなことを言っていたので、そのままひとつ飛ばしたチェックインカウンターへ移動した。
そこは確かにベトナム航空で、団体の後ろに並ぶよりもすぐ終わりそうな人数しかいなかった。西尾一男ありがとう。
西尾一男が誘導してくれた列は中国人の家族が並んでいて、カウンター前でああだこうだとやりあっていた。荷物が重量オーバーなのに融通せえとでも言っているのか、カウンター前にある謎の感情ボタン(良い、ふつう、ダメみたいな漫才ボタンがあった)のダメボタンを連打していた。いや、ダメなの多分君たちやで‥

少し時間が経ってから、中国人の家族はチェックインせずに荷物を持って去っていった。チェックインカウンターに進み、パスポートとeチケットを渡した。

手荷物検査も終わって、ハノイ行きゲート前に向かうと吉野家があった。吉野家はどこにでも店舗を持っているのだな。

飛行機に乗り込んでハノイの乗り換えは深夜0時近くだったので、あまり記憶がない。そういえば、本日は朝からベンメリアに行って観光していたんだ。眠いに決まっている。

中部国際空港行きの乗り継ぎ便に乗ってからは更に記憶がない。覚えているのは座席がやたら寒かった(座椅子からじんわり冷えるタイプ)のと、体感時間深夜3時ごろに何ご飯か分からない機内食により叩き起こされたことぐらいだ。

行きはあんなに遠く感じたのに、帰りは疲れて寝ていたらもう飛行機は日本海上空を飛んでいた。海外旅行に行って帰るたびに思うが、これは地球の自転とか偏西風とかそういうアカデミックな理由では片付けられない。
急いで税関の書類を書き、「この紙、出発地って何を書けばいいんや」という父の今更の問いに呆れながら着陸を待った。
窓から外を見ると、眼下は真っ暗な地上に繁華街の光が無数に輝いている。もうすぐセントレアだ。




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