
【読書記録】行為の7段階理論
おはようございます。
Xデザイン学校主催のとある交流会に参加した際、「使いやすさ」を学問的に追求している例はないのか?と質問したところ、山﨑和彦先生から「認知心理学を知っているか?『誰のためのデザイン』を読んでみなさい。」と言われ、読んでみました。
自分が求めていた、論理的に「良いデザイン」について解説された盛りだくさんの内容になっていたので、復習も兼ねてnoteに記録を残すことにしました。
第2回は、「行為の7段階理論」です。
1.行為の7段階理論
「デザインの7つの基礎的原理」を考察する前に、この原理が導出される元となった「行為の7段階理論」について触れようと思います。
人が行う行為は、以下のように7段階に分解できると言われています。
https://www.creativevillage.ne.jp/30892
行為の7段階モデルとも言われますが、人はの行為はそれぞれの段階において、以下の問いに対する答えを持って次の段階に進んでいるのです。
1 何を達成したいか?
2 代替となる行為系列は何か?
3 今どの行為ができるのか?
4 それをどうやってやるのか?
5 何が起こったのか?
6 それは何を意味するのか?
7 それで良いか?私はゴールを達成したのか?
試しに、「暑いので冷房の設定温度を1度下げる」を例に考えてみました。
1.部屋の温度を少し下げたい
2.冷房で部屋の温度を少し下げる
3.冷房の設定温度を1度下げる
4.リモコンを手に取り「▽」ボタンを1回押す
5.リモコンに表示されている設定温度が1度下がり、冷房から「ピピッ」という音がした
6.冷房の設定温度が1度下がった
7.(10分後)部屋の温度が快適な温度になった
このような流れでしょうか。
このストーリーをよくよく考えると、「暑いと感じた」、「友人にこの部屋暑くない?と言われた」など、外界をきっかけに行為が始まったのかもしれないです。
むしろ多くの行為は、外界をきっかけに始まるのではと思います。
このように人と外界との間では、行為のサイクルが繰り返し行われているということが理解できました。
外界からの何かが起こったことを理解するのを助ける情報をフィードバック、やることの質問に答えるのに役立つ情報をフィードフォワードと言い、人が何かの行為を達成するためには、この2種類の情報が必要なのです。
自分の製品をうまく使ってもらえていない時、ユーザーの行為をこの7段階に分けて、どこの行為の段階で止まってしまっているのかを追求することにより、よりユーザーが達成したい目的を達成できるような製品になっていくのだと思います。
製品から適切なフィードフォワード・フィードバックとなる情報をユーザーに提供し続け、この行為のサイクルを繰り返すことにより、ユーザーはより高次元のゴールを達成できるようになるのだと思います。
良い製品はユーザーとのコミュニケーションが活発だと本書で言われていた所以も理解できたような気がしました。
この行為の7段階の繰り返しって、なんか、PDCAみたいだなと思ってしまいました。
2.重要ポイントリスト
上記のような形で、本書について私が重要だと感じたポイントごとに記録を残しています。
毎回のnoteの最後に、これまでの重要ポイントリストを記載して、備忘録のような形にしています。
1. 良いデザインの重要な特性 (2022/3/13)
2. 行為の7段階理論(2022/3/15)
それでは。