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【読書記録】記憶はストレスになる

おはようございます。

本日も、携帯電話に搭載される日本語予測変換システム「POBox」や、iPhoneの日本語入力システムの開発者である増井俊之さんの著書、「スマホに満足してますか? - ユーザーインターフェースの心理学」の読書記録を書いていこうと思います。

1.見えない情報の心理的負担

コンピューターの操作において、見えない状態を頭で記憶しておく必要があることは意外と多くあります。
誰もが普通に使っているコピー/ペースト操作では、コピー操作をした文字列がコピーバッファに入っているという状態がユーザに見えないため、コピー操作を行なったという事実をペースト完了までユーザがずっと記憶しておかなければならない、という心理的な負担が発生します。

「今どうゆう状態だったっけ?」

「あとでこの対応をしないといけない。」

「この操作、どうやってやるんだっけ?」

ユーザーがこのように思う回数をどれだけ減らせるかが、記憶の強制によるストレスを減らせるかのキーになると思います。

本書では、状態を規則しておかなければならないことが記憶によるストレスにつながると記述されていましたが、私としては、特定の目的を達成するための操作手順を意識的に記憶しておかなければならない。ことがシステムを使用する際に体験するよくあるパターンかなと思っています。

2.操作手順の記憶的負担を減らす

Twitterで新しいツイートを投稿する、知らないワードをGoogle検索する、といった日常的に行うような操作は、意識的に記憶する必要がないため、その操作を実行する上で記憶的な負担を感じることはありません。

操作を行うにあたって、記憶的負担を感じない操作の共通点は以下になるのではと私は考えています。

①その操作を行う頻度が多いこと。
②操作手順がシンプルで直感的であること。

システムに搭載するあらゆる機能について、ユーザーの使用頻度によって操作手順をどれだけ丁寧にするかの匙加減が変わるのではと思っています。

同じ操作手順が必要な操作であっても、使用頻度が高い操作はできるだけタップ数を減らして効率的にタスクを完了できるようにするべきだと思います。一方で、使用頻度が低い操作については、ウィザード形式にしたりして、ユーザーが丁寧な説明に従って、今どのような状態なのか、その操作によってどのような状態になるのかを把握しながら操作できるようにすべきだと思うのです。

また、使用頻度に関わらず、操作手順がシンプルで直感的であることは必須の要件になりますよね。

概念モデルは一つのキーワードで、概念モデルをユーザーが理解できるかどうかを注意しながらGUIの設計をしていく必要があります。オブジェクト指向UIは、ユーザーが概念モデルを理解しやすくするための設計手法だと思います。

3.現在の状態を示す

そのシステムがいくつかのステータスを持つ場合、現在の状態を常にユーザーに明示しておくことはとても重要だと思います。

ハードウェアの組み込みソフトウェアなんかは、常にハードウェアの状態を明示する必要があります。

また、そのステータスは正常かエラーかが最も基本的なステータスの移り変わりかと思いますが、組み込みソフトウェアでハードウェアを制御する場合は、詳細なステータスを示し、そのステータスを確認しながらユーザーがGUIを操作するような場面もあるかと思います。

常に現在の状態を示してあげること。これも記憶に頼らずにユーザーがGUIを操作できるようにするための重要な要素かなと思います。

4.まとめ

たとえ短期的であっても、ユーザーに記憶を強いるようなシステムはできるだけ避けていかなければならないことがわかりました。

これについて、今後より意識していこうと思います。

それでは。



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