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【超短篇小説】週末の終末

また朝が来た。

白かったはずの掛け布団が赤黒く染っている。また鼻血が出たのだろう。
顔を洗い、用を足し、傷んだスーツに着替える。

ふと目にしたカレンダーによると、どうやら今日は土曜日らしい。これは確か「休日出勤」というのではなかっただろうか。そもそも私は、「休日」というものが何だったのかを忘れてしまっていた。

乱立したビル群の中をゾンビのように肩を落としたサラリーマンが徘徊している。
私以外にも同じような人がいるから、きっと何も問題はないのだろう。

何となく見上げた太陽は、見れば見るほど形が曖昧になっていき、本当に形があるのかすら怪しく思えてくる。激しい光で誤魔化されている気分だ。
その光に耐えられず、ヒビの入ったアスファルトに目を移した。いくつかの水滴が、そのアスファルトのヒビに吸い込まれていく。私の涙だった。

私は何のために働いていたんだっけ?
どこからか、ラッパの音が鳴った。

私は何のために生きていたんだっけ?
もう一度、ラッパの音が鳴った。

私は幸せだっただろうか……。
最後に、3回目のラッパの音が鳴った。

少しだけ眠ろう。

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