企画職が行う予算の考え方
■これからキャリア選択や就活を考える方
■起業やスタートアップに興味ある方
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「企画職(PL)に必要な三つの要素」について解説します!!
はじめまして。東工大発ITベンチャーGoMA(ゴーマ)株式会社で代表をしております「平賀良」と申します。よろしくお願いします。
今回は「企画職が行う予算の考え方」について、
ご紹介させていただきます。
あなたの時間を無駄に搾取するので失礼なので、
僕の考えを1000字以内でまとめます。
毎日「短時間で学べる情報」を配信していく予定ですので、
良かったらフォロー/いいね!よろしくお願いします。
前回こちらの記事で、企画職に必要な要素の一つとして、
「予実管理」について紹介させていただきました。
その中で、予算の考え方について、
僕自身の経験を含めて共有させていただきます。
【①新規事業×受託案件に潜む罠】
これは、僕が起業した当初に陥った罠の話です。
当時は、「何か事業を起こしたい。けど、何をしたいのか分からない。
何をすれば成功できるか知りたい」という状態でした。
そんなときに、
「新規事業を行いたい」という方々とお会いして、
彼らが自分の事業構想についてあれこれと話す内に、
なんだかそれが成功しそうに思えてくるのです。
(今考えると、自分の考えに軸がないと、
他人の意見にフラフラと寄ってしまうダメな状態です・・・)
そして、彼らはだいたいが、アイデアはあるが、
自分で形作ることができない人たちでした。
そのため、ソフトウェア開発を行える僕のところへ来て、
「このアイデアを形作って欲しい!」と頼まれる機会が何度かありました。
「成功しそうなアイデアであるから、
形作れば、きっと自分も成功へ近づくだろう」という発想から、
受託案件のように、開発の依頼を受けてしまいそうになるのです。
その後、色々と話をしていくうちに、
組織体制がないことに気づきます。
つまり、社長等の決裁者が、自分だけの判断で「こんなことをやりたいと思っている」と発している状態なのです。
社員総出で行う新規事業というよりも、社長が趣味の範囲で「やりたい」と思っていることに付き合わされている状態です。
まさかと思い、
アイデアを形にするための予算をヒアリングすると、
だいたいは以下のような回答をしたりします。
この場合、
「どれくらいの規模で話を進めて良いのか?」
「どれくらいの機能数を開発すればいいのか?」
見積もることができないため、提案も難しい状況ですし、
「どのようなルートや判断基準で調達を行えるのか」
分からないため、社長の気分次第で予算が降りるという状況です。
これは、受託案件に見せかけた、
「アイデアを共有するから、後はよしなし全部やって」案件に該当します。
これに気づかずに、僕自身、
何度か失敗したケースがあるので、ここは注意が必要です。
つまり、
新規事業ではなく、社長の趣味事業に、
「何でも屋さん」として、受託案件に見せかけて、
付き合わされている状態だということです。
優良な案件かどうかは、予算の管理状況を見れば、
理解しやすいです。
予算という概念が欠損している場合には、
趣味事業に付き合わされる可能性が高いため、企画職等の方であれば、
この情報を早めに聞き出すことをオススメします。
【②では、依頼者側の対応方法は?】
ただ、依頼者側も、自分のアイデアを具現化するのに、
「どれくらいの予算を必要とするのか?」理解できないという場合もあるかと思います。
これに対しては、様々な解決方法があるかと思いますが、
一つの解としては、
「アイデアをアイデアでしか伝えられないのであれば、人が理解できるように形にして、自分でも作れる状態で他人にお願いするスタンスを取るべき」と思います。
それができないなら、人に依頼しても、失敗して終了です。
「自分が分からないこと、できないこと」を、
人に依頼するなということです。
それは自分を守るためでもあります。
自分が理解できていないから、作りたいものの要求定義もできず、人に任せる結果、異なるアウトプットが行われることになりますし、どれくらい予算編成すればいいのか分からないから、それが安いのか高いのかも理解できず、支払うことになります。
もちろん、難しいことを言っているという自覚もあります。
しかし、それほど、「人に依頼する」ということは難しいことですし、
それができなければ、予算を組めず、依頼を受ける側を混乱に招いてしまいます。
これは、依頼する側も受ける側も、
両者が企画職としてのスキルを保持する必要があるということです。
そして、作りたいものの概要を理解できなければ、
予算の話をすることができませんし、そうなると事業化までの道のりが遠のいてしまうのです。
ですから、
ある程度アイデアを具現化する力と、
それをもとに、組織や予算の調整を行える状態まで持っていけなければ、
外注が難しいということです。
【③自社開発等の場合でも】
今回の話は、外注を前提とした受託案件の場合だけでなく、
社内で自社開発等を行う企画職の方でも当てはまる事項だと思います。
結局のところ、金が集まらないところに、
人や組織、技術は集まらないということです。
予算という概念のない事業があれば、
特別な場合を除いて、誰もコントロールすることができませんし、
調達が得意な企画職がいれば、自然とそこにリソースが集中するものです。
そして、お金のコントロールを行うために、
先ほどご説明した通り、作りたいものの概要についての理解が必要になります。それは、自分の勉強をするのか?誰かに教わるのか?バックグラウンドを有しているのか?状況によって変わることですが、いづれにせよ、そちらの努力が必要になってきます。
企画職というのは、技術的な理解と、それに基づいた予算の設計、
そして、それを人に伝えて、交渉を行うという複雑なスキルが必要です。
それは、この記事で紹介した、
人に依頼する場合、依頼を受ける場合、社内で依頼からリリースまでを行う場合の、全ての企画職に通じる概念と考えています。
【④"預言者"としての能力】
そして、もし仮に予算の調達も行えて、
リリースができるようになったら、
そこから少し先の未来を予想していく必要があります。
予想する内容としては、
リリースした機能の改修内容や、提案したらクライアントに刺さりそうな機能、まだ解決できていないニーズ/課題を満たす機能等です。
また、その後の予算状況に合わせて、これらをどのタイミングで、どのような方法で提案にかけていくか?を検討していく必要があります。
つまり、相手や状況を観察しながら、
未来を予想していくという「預言者」としてのスキルが重要になってくるということです。
大げさな言い方かもしれませんが、
予算に関しては、一度引っ張ると想像しやすい部分でもありますので、
二回目以降の予算の考え方としては、「予算がいくらあるのか?」という考え方ではなく、「次回の提案をどのように行っていくか?」を検討していくことによって、次の予算獲得に貢献できると思います。
企画職やプロジェクトリーダー(PL)という役職は、
総合的なバランスが必要であり、狭く深い知識というよりも、
幅広く柔軟な対応を行えるスキルが、現場ではもとめられます。
「予実管理」一つとっても、「これだけできればOK」ということではなく、
様々なスキルを漫勉なく行える状態で初めて、
予実管理もできるのだと感じています。
僕の経験を含めた今回の記事が、
同じ境遇に遭遇した方の参考になれば、とても嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
良かったらこちらの記事も参考にしてみて下さい。
【会社概要】
社名:GoMA株式会社
称号:東京工業大学発ベンチャー(授与番号110号)
所在地:東京都港区芝浦3-3-6
東京工業大学田町キャンパス 4F
代表者:代表取締役 平賀良
設立:2019年12月9日
事業内容:
・デジタルコンサルティング事業
・B to B to C向けWebアプリケーションパッケージの開発