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ブレワイの根幹をなす 狩猟採集の本能

ゲーム史に残る名作:『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』.
その面白さは,人間の本能という視点から理解できる.


1. 序論

2/9 Nintendo Direct.
Switch Online へのゲームボーイ・ゲームボーイアドバンスの追加は,おっさん達を感涙にむせばせた.
(こどもが喜ぶかは別として……^^;)

そして,発表のトリをつとめたのが,
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(TotK,ティアキン)だ.

前作は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(BotW,ブレワイ)
2017 年に発売し,伝説的な売り上げ・受賞歴を残した.

駆ける、活きる、護る。果てなき冒険を思いのままに。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

一言でいえば,広大なオープンワールドを自由に冒険するゲームだ.
理屈で考えれば,そんなの何が楽しいの?となるだろう.

しかし私は,このゲームのおもしろさは,大脳ではなく本能で感じるものだと思う.

2. 人間の本能

着の身着のまま(というかパン1で),見知らぬ世界に投げ出された主人公.
生き延びるためには,自ら動いて,食糧を手に入れる必要がある.

道具をみつくろい,獣を狩り,植物を採り,焚き火をして眠る.
まさに狩猟採集時代の暮らしと言えよう.

一石二鳥!!
二兎を追う者は一兎をも得ず;;

農耕革命はせいぜい,ここ1万年のこと.
それ以前には,何十万年におよぶ狩猟採集生活があった.
人類の DNA には,今もなお狩猟採集の本能が深く刻まれている.

金のために働くことは辛いが,
食べるために働くことは快い
休日にわざわざ,釣りやイチゴ狩りに出かけるのは,それが人間の本能からくる要求を満たすからだ.

数多あるオープンワールドゲーの中で,本作の評価が頭一つ抜けているのは,そこをクリエイターがよく理解していたからだと思う.
本能で楽しめるからこそ,ブレワイは長く愛されているのだろう.

人類が原始時代から,ぜんぜん進化していないことは自明だ.
情報社会に適応したスマートな現代人も,
本能では狩猟採集社会で自由に生きることを渇望しているのではないか?

もちろん,そのためにゲームの世界に引きこもっていては本末転倒だ.
しかし,狩猟採集の本能を呼びさまし,文明生活を見直すきっかけとしては有用だと思う.
ポケモン GO が,使い方によって毒にも薬にもなるのと同じだ.

ゲームをきっかけに,外の世界の魅力を再認識する人が増えるなら,それは素晴らしいことだ.
きっと,クリエイターも同じ思いだろう.

技術の進歩に反して,人類の原始回帰への憧憬は増すばかりだ.
AI の発展により,技術の進歩は,そう遠くない未来に人類の手を離れる.
果たして人類は,文明生活を続けることを望むだろうか?

Breath of the Wild:自然の中に生きる

3. 続編に向けて

私がこのゲームを始めたきっかけは,下記の配信だ.

ゲーム実況を見て,自分でやりたくなったゲームは,他にないかもしれない.
(加藤純一のプレイがあまりにだったというのも大きいが……)

年を追うごとに,初めてのゲーム:ポケモンぐらいしかやらなくなって,新しいゲームに挑戦することは減っていった.
しかも,他のゼルダの伝説シリーズは,動画で見たことすらない.
それでも,いまだにブレワイがゲーム史上で最高傑作だと思うほどにおもしろい.

続編:ティアキンにそなえて,
前作:ブレワイで狩猟採集を経験しておくのもいいだろう.

5月発売のティアキンでは,鉛直方向へ世界が広がる.

鳥のように自由に空を飛びまわりたいと願うのは,大脳か本能か.
本作は,その疑問に重要な示唆を与えてくれるのではないかと思う.

ただの二番煎じに終わるのか,
前作を超える名作となるのか.
それは,本作がどれだけ人間の本能をくすぐるかで決まるだろう.


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