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3929人/10882、4回目接種開始、映画『マイスモールランド』~779日目

 都内新規感染3929人/10882、12日連続で前週同曜日を下回る。都基準重症者4人(±0)、死亡8人(累計4,464)
 病床使用率16.2%(1169人/7216床)、オミクロン株の特性を踏まえた重症者用病床使用率2.5%(20人/804床)
 4回目コロナワクチン接種スタート。60歳以上と、18歳以上で基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人限定。3回目から5カ月が経過した人
 24日)海外からの観光客受け入れに向け、試験的な小規模ツアー初到着、ハワイとロサンゼルスから計7人。2つに分かれ、7泊8日で長野県や岐阜へ

 北朝鮮、大陸間弾道ミサイル(ICBM)含む計3発の弾道ミサイルを発射。by韓国軍。バイデン大統領の帰国を狙ってか。また核起爆装置「作動試験を探知」核実験準備最終段階か
 中国、日米豪印4カ国の枠組み・クアッドに「強烈な不満」、在中日本公使に抗議 
 国後島で発見されたリュックサック、家族の元へ返還、知床事故
 首都直下地震、10年ぶり見直しで都内の被害想定3~4割減、死者6148人・建物被害19万4431棟。耐震化進展で。冬の午後6時、風速8メートルで起きた場合。負傷者9万3435人、避難者約299万人、帰宅困難者は約453万人 

観てよかった、映画『マイスモールランド』

 疲れ果てて全然まとまらないが、今日は今日の思いを書く。

 水曜なので映画を観にいった。『マイスモールランド』、水曜1200円、パンフ900円買う。日本に住むクルド人家族の日常を描いた作品。
 川和田恵真監督・脚本。是枝裕和、西川美和ら「分福(ぶんぶく)」グループ。嵐莉菜、奥平大兼ら出演。

奥平大兼推し!!で観た

 観た理由は
1.映画.comで評価が高い
2.『MOTHER マザー』(2020、大森立嗣監督)の奥平大兼(だいけん)(18)が出る
165人、警戒レベル最高に引き上げ、映画『MOTHER』~98日目(2020年7月15日) 「奥平大兼さんの今後に期待」と書いた
 ・続・映画『MOTHER』考、言語表現の限界~102日目(2020年7月19日)
3.クルド問題、難民をなかなか入れない日本
 クルド問題。直近では、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)への加盟にトルコが「反政府派のクルド勢力をかくまっている」と反対していること。
 難民。ロヒンギャ。あるいはユダヤ人とパレスチナ人の争い。それらを、「他人事」として傍観している自分への、自責の念と

 上記の中ではぶっちゃけ、奥平くんを見たかった。
 そして、鑑賞の途中で度々『MOTHER』を、『誰も知らない』(2004、是枝裕和監督)を、思い出した。
 そう、奥平くん、よかった。
 前に前に出ない演技が。受けの演技が。
 『MOTHER』であまりに悲惨な家庭環境に育ったあの子が、今はこうしてちゃんと生きてるみたいな、不思議な感覚。

在日クルド人の少女と家族の、悪人不在の“日常”

 けれど、この映画がよかった一番の理由は、他の映画レビューでも多く触れられているように、在日クルド人で17歳の高校生サーリャとその家族、周囲の人の日常を静かに淡々と描いたこと。

 悪人は、どこにもいない。
 ただひたすら、温厚で真面目に働き、学生生活を送り、家族の幸せを願う人しか出てこない。

 クルド人は、解体工事現場などで働き、仲間の結婚式で騒ぎ、バーベキューをして、コインランドリーの使い方がちょっと困るけど、それくらい。

 日本人も、コンビニ店長も役人もただ自分の仕事をきちんとしているだけ。確かに「パパ活」の相手(日本人)はさらなる性的行為を迫ってきたが、あくまでパパ活の想定内。不法就労を「チクった」母親も、息子を思ってのことであり、実のところ多くの人の共感を得るだろう。

「普通に生き」て、ある日、居場所がなくなる人たち

 そうやって
 普通に生きているだけなのに、ある日、難民申請不認定で居場所がなくなる。
 想像もつかない。


 温厚に真面目に生きる様子を淡々と描く中で、「クルド人というだけで」、苦難の中に放り込まれていく家族。
 それは、「欧米白人でない在日外国人」にどこか身構えてしまう自分の、「構え」を徐々に取り除き、追い込まれていく家族に心を寄せさせる、すなわち「共感」につながっていく。

 これが、暴力、暴言の徒であったら、感情移入できないのだが。
 あるいは、声高に何かを主張するとか。

 そんなことはなく、
 あまりに普通の人たち。
 特に、サーリャの父親マズルムが「あまりにいい人」で、不法就労で勾留されている間にどんどん巻き毛の髪が伸び、顔がどんどん穏やかになっていくのは、あれはなんだったのか。彼に引き込まれたのか。

 途中で一瞬、ドキュメンタリーでも観ているのかと錯覚。いやいやフィクションなのだと。

でも、難民を受け入れればいい、と簡単に思考転換はしない

 では、ならば、日本政府が難民を受け入れればいい、それで問題解決! とはならない、頭はそう簡単に動かない。
 この狭い島国日本でいじいじと生きている小心者の自分が、急に多様性に激変した社会で生きていける自信は、これまたない。自分は、自分を守りたい、と卑怯でも思う。異国がドンドン日本に入ってくることへの怖さを否定はできない。
 どんな集団にも、いい人もいよう、悪い人もいよう。
 戦争、内戦に慣れていない日本人の自分は、争いを生き延びてきた人たちとどうつきあえばいいのか、戸惑っているともいえる。

 でも、多分、目の前に、クルド人の直接的な知り合いがいたら、具体的に名前と顔とエピソードが浮かぶ人がいたら、その時は、もっと心が動いて自分も変わっていくのだろうとなんとなく思っている。
 目の前から、人の考えは変わっていく。

 逃げているかもしれない。今の正直な気持ちを書いた。

いろんなルーツを持つ人たちが作っていた

 監督も、英国人と日本人の「ダブル」
 サーリャ演じた嵐莉菜は、日本とドイツにルーツを持つ母親と、イラン、イラク、ロシアのミックスで日本国籍の父親を持つ。
 そして、映画中の家族は、オーディションで選ばれたが、実のところ、本物の家族たちが演じていた、とは。。

 そこに寄り添った奥平君。
 池脇千鶴もなかなかでした。前に出ない演技。よかった。

構成がきちんとしていれば、派手な演技は不要

 構成がきちんとしていれば、派手な演技は不要。むしろ邪魔になることもある。
 おとなしい人向けの映画だったのかもしれない
が。

 まとまらないけど、こんな書き流れで。もし、まとまったら、また書き直そう。
 とにかく、「難民問題を見て見ぬふりをしている自分」を俯瞰し、けれどもまだ動けない自分を再発見したひとときだった。

 皆さまのご健康を。



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