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吹き抜けが包む

中高からの親友は吹き抜けが気持ち良い一軒家に住んでいて
そこに遊びに行くのが大好きだった

私生活は地下鉄が多かったけれど
彼女の家に遊びに行くときは徐々に路面電車に移ってゆく。それは私にとって休日を知らせる景色で、手に入れたばかりのAirPodsでもノイズキャンセルをしないで電車の音を聞いていたくなった。

大体、夕方頃にお邪魔してわたしの手土産を家族で食べてまったりして、夕食をご馳走になる、おかわりをする。

シャワーを浴びたら彼女の部屋に布団を敷いて、たわいない話をして、アコースティックギターで一緒に歌ったり。

たんまり寝て翌朝は好きな時間に起きる
そうしたらわたしが大好きな恒例行事
近所の美味しいパン屋さんまで歩く
気合を入れてトングを握る
トレーいっぱいに魅力的なパンを盛っていく

お家に戻ったら市販の微糖アイスコーヒーを注いで温めたパンを食べる、至高の時間

しょっぱいの、甘いの、の順番で。

ちょうど昼下がりくらい
緑色に香る太陽が吹き抜けをくだる
何となくつけっぱなしのテレビ
舌に残るコーヒーの甘み
幸せにならざるを得ない条件の元
ヨギボーの上でお昼寝をする

1時間後くらいに目が覚めて近くの喫茶店に行く
陽が沈むと完全に帰る気が失せてしまうので夕暮れ時にバイバイするのが暗黙の了解

また

次の初夏に

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