見出し画像

HKDSE-Hong Kong Diploma of Secondary Education Examination ②

それでは皆さんお待ちかね、前記事で書いたHKDSEの日本語科目の試験の概要についてサラーっとご紹介したいと思います(誰も待っていないというツッコミは受け付けませんYO!)。

HKDSEでは「日本語」を選択して受験することができますが、当然のごとく香港の教育局には日本語の試験を作成する人材もノウハウもありません。なので日本語を選択した受験者はCambridge Assessment International Education(ケンブリッジ大学国際教育機構)が提供するAS Level(正式名称はCambridge International Advanced Subsidiary Levels)という試験を受けることになります。日本語能力試験じゃありませんよー。
AS Levelに関する詳細はこちらのリンクでご確認ください。

そしてお待ちかねの試験の内容ですが(「待ってない」←みなさんの声)、以下のとおり3つのパートに分かれています。

コメント 2020-08-04 101509

Hong Kong Examination and Assessment Authority(=HKEAA) http://www.hkeaa.edu.hk/en/Syllabuses for HKEAA Centreより抜粋

内容を細かく見ていくと
1.会話テスト(20分)
・プレゼンテーション(3分半以内)
・プレゼンテーションの質疑応答(7,8分)
・自由会話(8,9分)
プレゼンテーションの際にスクリプトを見ると減点されますが、あらかじめ印刷しておいた写真や図表を使うことは許されます。プレゼンテーションの内容は日本の現代事情や文化に関するトピックを選択する必要があります。
プレゼンは20%、QAと会話はそれぞれ40%ずつで全部で100点になります。

2.読解・文法テスト(1時間45分)
ここ20年以内に起きた事象に関する2つの文章(合計1500字以内)を読んで質問に答える問題です。
・文章①は主に語彙・文型に関する問題
・文章②は読解問題
・文章①と②の内容を要約し自分の意見とともに280字以内にまとめる問題
日本語の試験なんて楽勝楽勝~と思って受験した人が自爆するのはたいていこのパートです。

3.小論文(1時間30分)
人間関係、家族、雇用と失業、環境など27のトピックの中から選択されたトピックの中から1つを選び、600-800字の小論文を書く問題です。トピックの組み合わせは毎年異なり、2021年の試験のトピックは「日常生活、食べ物と飲み物、雇用と失業、社会と経済の発展、環境」であることが発表されています。
例えば「日常生活」の場合、<日本では小学生の時は、給食を食べます。中学校でも給食が出る所もあります。あなたの国ではどうですか。給食に賛成ですか、反対ですか。その理由を書いてください。>などという設問に答える形で文章を書きます。

語彙や文型を暗記していざとなれば「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」で答えを決めることができる日本語能力試験と異なり、文章力・読解力・社会意識・現代事情に関する知識がないと高得点を獲得することが意外に難しい試験なのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?