※超真面目※高等教育(大学等)の就学支援制度まとめー教育資金、制度活用してますか?ー
高等教育の就学支援制度の概要
国の就学支援支援制度、意外と知られていないな、と思います。大学進学について、いろいろなドキュメンタリーや新聞記事がありますが、情報不足ゆえに支援を受けられていない事例が多いです。
貸与型奨学金の話がよく出ていて、それ以外の方法があまり紹介されず、印象としては、(嫌な気分にしたらごめんなさい)「貧乏人は進学するな」の論調に思えるのです。
でもそれでいいんでしょうか。
金銭的に余裕がある層、または何らかの事情で情報へのアクセスができた人だけが進学ができ、余裕がない人や情報へのアクセスの機会に恵まれなかった人は進学できない。
不公平なんて言葉を使う気はありません。でも、これって社会の損失だと思いませんか?
さて、ドキュメンタリーに取り上げられるほどの困窮状態の学生さんは、使える制度を全部使っているんでしょうか。
私にはそうは思えないです。
この記事を読む人へのお願い
noteにアクセスできる環境にある方は、自覚の有無にかかわらず、一定の情報にアクセスができる、恵まれた状況の方が多いように感じます。(ご不快に思われた方には申し訳ありません。)
この記事の内容が必要ない方もいらっしゃると思います。ただ、知識としてこういう制度があるんだと知ってほしいと思います。
そして、いつか、進学資金で無茶をしそうな方や、資金を理由として諦めようとしている方がいたら、伝えてください。
その時、制度は変わっているかもしれません。でも、調べてみる価値はあると。
支援制度は、支援が必要ない人の間で知られること、そしてそこから拡散されること、これがとても重要だと思います。
支援制度は2本柱
さて、制度のご説明をしたいと思います。高等教育の就学支援制度は授業料の減免と給付型奨学金で構成されます。そして、満額支給の他、世帯収入により、3分の2支給、3分の1支給があります。
対象となる学校は、四年制大学・短期大学・高専の4年生、5年生、専攻科、専門学校です。高専・専門学校が対象になることは意外と知られていません。
授業料等減免
さて、授業料の減免についてです。私の周りの方は、国公立しか対象にならないと思っている方が多かったのですが、皆さんの認識はいかがでしょうか。
授業料減免は国公立だけでなく、指定を受けた私立も対象になります。
もう一度書きます、私立も対象になります!
減免が最大いくらなのか、まとめてみました。
国公立大学 入学金:約28万円 授業料:約54万円(年額)
私立大学 入学金:約26万円 授業料:約70万円(年額)
国公立短期大学 入学金:約17万年 授業料:約39万円(年額)
私立短期大学 入学金:約25万円 授業料:約62万円(年額)
国公立高等専門学校 入学金:約8万円 授業料:約23万円(年額)
私立高等専門学校 入学金:約13万円 授業料:約70万円(年額)
国公立専門学校 入学金:約7万円 授業料:17万円(年額)
私立専門学校 入学金:約16万円 授業料:約59万円(年額)
いかがでしょうか。ちょっと専門学校については実態に即していない気がしないでもありませんが、それ以外についてはほぼ授業料が全額減免される印象です。
給付型奨学金
給付型奨学金は、日本学生支援機構が支給します。なので、今高校生の方は、高校在学中、または卒業後に申請して、審査をしてもらう形になります。
こちらも、国公立・私立ともに対象となります。(対象となる学校は指定を受けた学校となりますので、後で調べ方を紹介します))
さて、おいくら給付してもらえるのか、まとめてみました。
【自宅外生】国公立 大学・短大・専門学校 約80万円(年額)
【自宅生】 国公立 大学・短大・専門学校 約35万円(年額)
【自宅外生】私立 大学・短大・専門学校 約91万円(年額)
【自宅生】 私立 大学・短大・専門学校 約46万円(年額)
【自宅外生】国公立 高等専門学校 約41万円(年額)
【自宅生】 国公立 高等専門学校 約21万円(年額)
【自宅外生】私立 高等専門学校学校 約52万円(年額)
【自宅生】 私立 高等専門学校学校 約32万円(年額)
いかがでしょうか、かなりの金額を給付してもらえます。仮に、満額支給で国立大学に自宅外生で進学したとしたら、4年間で320万円の給付を受けられます。
対象になるのは誰?
さてこの制度、対象となるのは誰か、気になります。
文部科学省から出されている資料によると、『住民税非課税世帯 及び それに準ずる世帯の学生』とされています。
すごく少なく感じるかもしれません。実際、全額免除に該当する学生は多くはありません。ですが、3分の1支給に該当する方はそれなりにいると思っています。
文科省の資料だと、以下の通りになっています。
注目してもらいたいのは第2区分と第3区分です。第1区分は明らかにわかるのですが、第2区分と第3区分のご家庭はご自分が対象になると思っていない場合も多いのではないかと思います。
仮に、ひとり親世帯で、これから進学する本人と、高校生の2人を扶養しているとします。年収360万円未満であれば第2区分、年収430万円未満なら第3区分です。
ふたり親世帯で、同じ条件だと、ちょっと厳しくなります。年収300万円未満で第2区分、年収380万円未満で第3区分です。それでも、決して少なくはないのではないでしょうか。
詳しく知りたい方は、①高校の奨学金担当の先生、または、大学の学生課の奨学金担当者【と】日本学生支援機構の奨学金センターに問い合わせをおススメしています。
※正確に情報を集めるため、両方に相談することを強く強くお勧めします。
※年収基準は扶養家族の人数等により変わりますので、こちらもご確認ください。表はあくまで【目安】です。
どの学校でも使えるの?
さてさて、就学支援制度の概要をご説明してきましたが、この制度はすべての学校で使えるわけではありません。
国公立、私立を問わず、多くの四年制大学、短期大学、専門学校、高等専門学校(4年・5年、専攻科)が対象となっていますが、中には対象外となっている学校もあります。
どうやって調べればよいかというと、文部科学省のホームページに行って、検索をしてみてください。
文科省に行くと、下記のような検索ページが用意されています。画像をクリックしていただくと、飛びますので、一度試しに志望校や現在通っている学校の名前を入れてみてください。
※次で書きますが、すでに大学等に入学していても、規定を満たせば申請できます。
入学時だけしか申請できないと思ってませんか?
高等教育の就学支援制度はすでに大学等に入学している方でも申請できます。過去の分の支援は受けられませんが、2年生、3年生の方であっても、この先の分は支援を受けられます。
家計が入学時と変わってしまった方も申請可能です。困ったら学生課で相談してみてください。何とかなるかもしれません。
最後に。
私は進学先が一定のレベル以上であることを前提に、大学進学を積極的におススメしています。賛否両論あるのは承知しています。大学や専門学校が「ぜいたく品」であるという考えがあることも承知しています。
それでも、大学進学を進める理由は、「努力してきた子どもたちが将来の選択肢を狭められるのは違う」と思うからです。
制度があるんですから、最大限利用していいと思います。まずは情報を。そして、可能性を子どもたちに見せてあげたい。
「うちはお金ないから、頑張ってもどうせ進学できない。なのにどうして勉強するの?」こう言われたときに、ちゃんとチャンスがあるよと言いたい。
このnoteはそのために書きました。
長くなりました。ここまで読んでくれる人がいますように。
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