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「何かを極めるとはどういうことか」を知る旅

きっかけ

去年の年末に病んで、自分の自尊心の低さに気がつき、自己肯定感を高めていかなければと思いました。

そして、私が大学一年生の頃からお世話になっているある起業家の方にお会いしたとき、「何かを極めた方がいい」とアドバイスしてくれました。

私は昔から好奇心旺盛ですが、裏を返せば何も続かない子でした。

高校生の頃はラクロス部と勉強の両立だけで精一杯でしたが、大学生になってからは自由が欲しくて体育会に入るのはやめて、色々と挑戦してきました。

友達に会うと、「はるはるって色々やってるよね」と褒められるのですが、
自分としては、いつも自信がなかった。

何かを極めて、得意を磨いている人がかっこいいなといつも思っていたけど、私は飽きたり、興味が移ってしまって続かない…。

そして、その人は、4人の『プロフェッショナルの仕事の流儀』をお勧めしてくださりました。それを見て、"何かを極めるとはどういうことか"を知ると良い、と。

私は思うのですが、ビジネスマンの世界は、速さに厳しい。

起業家さんは特にそうだと思います。

大学だと、レポートの期限が決まっていて、それまでにやれば、締め切り当日の23:59でも、課題が出た翌日でも、同等に評価されますが、大人の世界はそうではありません。

なので、そのアドバイスをもらった日に調べてオンデマンドで見られないことがわかり、(期末試験・レポートを全て終えた翌日に)TSUTAYAに借りに行きました。
しかし、2本はあったのですが、2本は取り寄せになりました。

そして、このりんご農家の木村秋則さんは、取り寄せして最後に見ました。

日本で初めて"化学的な農薬や肥料を一切使わない"りんご栽培に成功した、常識はずれの栽培。

彼には一つ、強い信念があると仰っていました。

主人公はりんご

“育てないで、手助けするだけ”なのだそうです。
りんごの木が育ちやすい環境に育てただけ。
8年かけて、自然の状態に近づけたのだそうです。

木村さんとその奥さんは、農薬による炎症に悩まされていたとき、ある本に出会い、農薬を使わないりんご栽培に挑戦することにしました。
しかし、農薬をやめてから2ヶ月で害虫が発生し、
葉が枯れ落ちて、花も咲かなくなり、
5年目には、ついに木が枯れ始めました。

かまど消しとは口聞くな

経済的な状況はもちろんですが、もっと苦しかったのは、世間の目が冷たかったことだそうです。

万策が尽き、
6年目、死ぬ覚悟で一人岩木山に向かい、自殺を試みたそうです。

死に場所を探して歩き回っていると、どんぐりの木を見つけ、

「なぜ農薬をかけていないのに、自然の木には害虫がいないのか?」と思いました。

そして、柔らかい自然の土が大切なことに気が付き、その土を再現することを目指すのです。

8年目の春。

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白く可憐なりんごの花が咲きました。

花を咲かせたのは自分ではない。林檎が自ら、力を振り絞って咲かせた。
この時から、“主人公はりんご”が信念になったそうです。

愛こそが全て。

台風でダメになったりんごの木を見捨てない。少し長く生き延びるかもしれない。

りんごの木は家族みたいなもの。

害虫は自分で駆除する。目が農薬の代わり。
手作業で、酢で作った農薬を撒く。
重い機械が入らないので、土がやわらかい。

効率より大切なもの

農薬を使わないりんご栽培に挑戦するため、木村さんの弟子となった佐々木悦雄という方が登場します。

半年が過ぎた8月、佐々木さんの畑では葉がすっかり落ち、病気もまん延し、りんごが枯れ木のようになりました。

土を踏み固める大型機械は、りんごの根の成長を妨げると考えている木村さんは、酢の散布を手作業で行うように何度も指導していましたが、

佐々木さんは、その指導を守らずに大型機械で酢を散布していました。

さらに2週間後、季節はずれのりんごの花が、狂い咲きを始めます。

その時、木村さんが佐々木さんに言いました。

「手作業でなくてもいい」

心がなければ続かない。
本当にりんごの木を救いたければ、スプレイヤー(農薬散布機械)は使わない。
手抜きすれば、現れる。

だから、愛がなければいけなんだなと思いました。

佐々木さんは、手抜きをして大型機械に頼ってしまった自分の未熟さを反省し、佐々木は手間のかかる手作業で丁寧に酢を撒きました。

プロフェッショナルとは、技術も心も伴った人