人を動かす秘訣。アクセルを踏むのではなく、サイドブレーキを解除するのだ。
気持ちよく人に動いてもらうスキル、ほしいですか?
大なり小なり、生きていれば人に気持ち良く動いてほしいことばかりでしょう。
1、夫は嫁を。嫁は夫を。親は子を。子は親を。上司は部下を。部下は上司を。
2、コーポレート部門であれば従業員を。マーケターであれば見込み客を。営業であれば商談相手を。
3、営業推進/営業企画/セールスイネーブルメントに携わっている人であれば直販営業組織を。代理店営業/パートナーサクセスに携わっている人であれば、他社営業組織を。
特に、2-3において人を動かす時の原理原則を知りたくば、最高の書籍があります。
本書最大のメッセージはこれ。
人間にも組織にも慣性の法則が働く。
押したらいいのか、否。押されたら押し返される。
変化を妨げる障壁を取り除くのだ。
アクセルを踏むのではなく、サイドブレーキを解除する感覚で。
これには膝を打ちました。
自分ならと、考えると。
たしかに、あの手この手で押されたら嫌だし、反発します。
なのに、いざ自分が人を動かそうとする際には、アクセル全開で説得のために情報・事実・証拠を一方的に投げ続けます。安易にキャンペーンを投入し続けたりします。
サイドブレーキおろしているから、アクセルを踏んで動かないのに。自分がやれらたら嫌なことなのに、他人にはやってしまう。ほんと不思議です。
ちなみに、「なぜ人と組織は変われないのか」という名著があります。
この本も、似たようなことを言います。
「なぜ、変わりたいと思っていても変われないのか?」
それは、変わりたいと思いつつも、その思いと矛盾する変わりたくない理由があるから。
その理由を捉え、その背景にある固定観念を崩さないと、人も組織も変わることはできない、というわけです。
アドラー心理学における「目的論」も似たようなことを言っていると思いました。
人が変われないのは過去の何かが理由ではない。変わらないという目的を持っているからなのだ。変われないのではなく、変わらないことを自ら選択しているのだ、というわけです。
「変われない」のではなく「変わらない」のです。
この「変わらない」という気持ちこそが、サイドブレーキなんでしょうね。
人を動かす時に重要な問いは「どうやったら動くか?」ではなく「なぜ動かないのか」「なぜ変わらないのか?」「何が邪魔をしているのか?」なのです。
この問いの答えは現場の中にあります。現場のインサイトをつかむためにはアクティブリスニングが必要。現場までいってアクティブリスニングをすることが必要。電話やオンラインで理解できるのは建前まで。本音はリアルコミュニケーションでないと深く捉えることは難しいでしょう。
「答えは現場にある、現場に通え。」使い古された言葉ですが、これは決して根性論ではないのです。むしろ科学的なアプローチなんでしょうね。
マジで必読です。
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