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「人の心を変えるには、どうすればよいのか?」ついにこの問いへの答えがでました【その2】

この2つのnoteの続きです。

人の心を変えるにあたってのキーポイントは、猛プッシュで説得をする(アクセルを踏む)ことではなく、変化を妨げている障害を取り除いてあげる(サイドブレーキをおろす)ことなんです。

その変化を妨げる大きな障害は5つ。心理的リアクタンス、保有効果、心理的距離、不確実性、補強証拠の不足の5つです。

■心理的リアクタンス

これについては、前のnoteで書きました。今日は残りの4つについてです。もちろん出典はこのすばらしき名著から。

■保有効果

人には現状を維持したいという欲求がある。それはなぜか。人間はすでに持っているものやしていることを過大評価する傾向があるからだ。こういった保有効果を和らげるためには、行動を起こさないことのコストを明らかにし、何もしないことは思ったほどコストがかからないわけではないと気づかせる。

メモ
・ものの価値を高める一つの要因が「所有」
・所有時間が長くなればなるほど、そのものの価値は高くなる(愛着ってもの)
・人間は変化のプラス(利益)とマイナス(損失)を同じ基準で評価しない。想定される損失の2.6倍の利益がないと、人は動かない
・損失(コスト)には、選ぶ手間、覚える手間に加え、間違った選択をした場合の後悔なども含まれる。これら全てがスイッチングコスト
・現状維持のコストを明らかにしても、動いてくれない場合は、意図的に現状維持のコストを高くしにいく(旧バージョンのサポートはしないとか、旧製品の部品を高くするなど)
・変化を嫌う人間の本能を逆手にとると、伝える内容自体は同じだとしても言い方を変えることも有効。「〇〇をすることによって〇〇を取り戻す」とか、「再び〇〇する」とか、「〇〇に立ち返る」とか、「〇〇の原点に返る」とか。新しい方針なんだけど、あたかも昔に戻るかのよな言い方をすることで現状維持バイアスに訴えかけて錯覚を起こすことができる。

■心理的距離

人は自分とかけ離れたものには反対する。あまりにも遠くにある考え方は拒絶の領域に属するために切り捨てられる。ここでは距離を縮め、小さなお願いから始め、フィールドの反対側に連れてくるテクニックが有効だ。

メモ
・心理的リアくタンスが発生しないように工夫したとしても心理的距離が大きいと正しい情報の提供は、かえって間違った情報へのさらなる固執をまねく(これも確証バイアス)
・つまり、相手が、説得したい意見に対してどれだけの距離がある人を見極めてメッセージの強度を調整しなくてはいけない
・意見がわりと近い人や、柔軟性がある人、なんの意見もない人など、そもそも動かしやすい人にターゲットをしぼる(つまり割りきる)ことも一つの手
・どうしても正反対の意見の人を動かしたい場合は、金銭的報酬や罰で押して押して押しまくるよりも、小さなお願いからはじめる。(いわゆるフットインザドアだ。行動のハードルをさげる。そして認知的不協和を大いに活用する)
・フォッグ行動モデルで考えるとわかりやすい、報酬とか罰といったモチベーションだけでは動かない、行動のハードルもさげないと、真反対の意見に紐付く行動は、行動許容ラインを越えれないのだ。

■不確実性

疑いは変化を妨げる。一時停止の状態から人を再び動かすには、不確実性を取り除くといい。試してみるのが簡単になれば、買う確率も上がる。

メモ
・マイナスが確定している状態より、結果がわからない状態のほうが嫌いなくらい、人間は不確実性を忌み嫌う
・返品無料ってやり方があるけど、返品する人は少ない。これは一度自分の手元に商品が届くと先ほどの保有効果が生まれるから

■補強証拠の不足

ある種の物事はより多くの証拠を必要とする。証拠をさらに補強する証拠を見つけ、複数のリソースを活用して翻訳の問題を克服する

メモ
・証拠は類似性と多様性が重要。例えば営業する時に「お客様の声」をよく使うことがあると思うが、営業する相手のお客さんと同じエリア(=類似勢)だが、複数業種(=多様性)の声をたくさん集めて伝えると、購入意欲が高まるって感じ。
・証拠は質より数の方が大事。アマゾンのレビューの中身も大事だけど、レビュー数を気にしている自分が、確かにいる
・LPとかでは、購入者の声を掲載することも効果はあるが、売れている実績を出す方がもっと効果がある
・補強証拠を畳み掛けるように触れさせる時の注意点。畳み掛ける時の時間軸だが、最初の証拠に触れてから1ヶ月たつと畳み掛けの効果はおちこみはじめる。2ヶ月たつと、畳み掛けの効果はなくなる。

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