突っ走る個性による相手への無配慮・意志疎通の重要性

先日M-1グランプリ1回戦に一緒に出場した相方にオレは解散を告げた。

これでオレ個人は通算10度目のコンビ解散となった。

なぜ解散を告げたのかについてまとめておくが、とりあえずファミレスに呼び出して正面から解散を伝えた。

メールやラインで簡素に伝えるのは誠意がないと考えたからだ。

M-1の1回戦に出場したところまでは、コンビとして順風満帆だった。

その後の活動について決めていく際に、コンビの亀裂は一気に生まれた。


仙台で学生が主流で開催されるイベントが今月行われるようで、相方からはそれに出たいと言われた。

そのイベントにはバンドやダンスなどの団体が高いお金を払ってエントリーし、約30分の尺でパフォーマンスするコンセプトであった。

しかし我々にはM-1で敗退した2分ネタ1本しか持ちネタが無いにも関わらず、相方はそれをやろうとしてイベントの公式アカウントに出させてほしいと勝手に交渉していた。

相方は言う、M-1の予選の我々のネタを見たくても見れなかった人がいて、その人たちにネタを見る機会をもう一度与えたいと。

しかしオレは出たくないと意見を述べて、出演はキャンセルしてもらった。

学生漫才師が5、6組くらいいてネタを次々披露するお笑いライブ形式にするならオレも賛成した。

ただ、我々しかいなくてしかもM-1で負けた台本を2分だけやりにいくためにそのイベントに出るのは、台本を魂込めて作ったオレとしては心苦しいものがあった。

それに加えて、見る方々の客層は、お笑いライブを見に来る方々というよりは、イベントを見に来る観客だと思った。

M-1の1回戦のような2分ずつ次々漫才師が出てくるお笑いのイベントとは土俵が違うから滑る確率が高いし、それに関しても相方に説明をした。

相方にこのイベントの出演のお誘いが、関係者の方から来たようで、突っ走ってしまったと思われる。

だがはっきり言ってこのようにオレが知らないところで、オレの気持ちを二の次として、運営の方とやりとりしていたことがオレにとって解散の最大の決め手となった。


また相方は大学生なのだが、大学祭のステージ企画で我々がパフォーマンスする時間を30分頂いたようで、ネタを10分やることを提案したが乗り気ではない様子だったので、30分何をするつもりか聞いてみた。

すると相方は、キングコング西野のような独演会をイメージしていて、内容はM-1に出る前はどう考えていて、M-1でやったネタを2分やって、そのあとに出てみてどうだったかという話をする想定だと話していた。

オレは笑いに対する熱量を相方から感じなかったのと、それをやろうとしているならもう少し早く相方であるオレにまずは相談してほしかったと伝えた。

はっきり言ってそういう独演会にするならオレは行く意味が無いし、アマチュアといえど芸人ならネタをやってなんぼのものだと考えるオレからしたら、ますますやる意味を感じなかった。

これについても、相方の所謂子どものお遊びに付き合っているほどオレは暇ではないと考えていて解散を告げる決め手となったのだ。


M-1に出たことを自慢したいならすればいい。

それを悪いとは別に言わない。

ただ相手の気持ちをもう少し考えて頂きたい。

オレは相方がまだ若いからって思って今まで許してきたが、オレに対するリスペクトもあまり感じられないし、限界が来たからファミレスに呼んで解散を告げたのだ。

そこで相方から言われたのは、

1、M-1で負けたときに「オレの書いたネタがクソだった」って言われたら何も言えない、そうやって卑屈になるのは違うし、他の人と組んだとして、そういうことは言わないであげてほしい

2、M-1で負けたことに対して反省会が無かったから、何がどうクソだったのかがわからない

3、そもそもが目標の方向性が違うから、漫才を1人1人でやっていたみたいな感じだったから、審査員から落とされたのはそこじゃないのか

と大きくこのようなことを言われた。


まず1に関してだが、相方はネタを間違えることなく完璧にボケ散らかしてくれて、練習以上にいきいきとしていて直すところがないとオレは感じた。

だからこそ敗因はオレの書いたネタがクソだったことだから、相方は悪くないという意味合いで言った。

全くオレは卑屈になってなどいない。

2に関しては、反省会をしてほしかったなら自分からオレにお願いしてほしかった。

上述したイベントや大学祭のこともそうだが、自分からやりたいことを相談してくれないとオレも相方の考えていることがわからない。

3に関してだが、相方は初めてM-1に挑むがオレは過去の相方含めると9回目のM-1への挑戦、目標が違って当たり前だしオレの目標を相方に押し付けるつもりは無い。

ネタを飛ばさないでやりきる、楽しむ、それでいい。

オレは1位通過することを目標で台本を書いた。

それが通用しなかったから、オレの書いた台本がクソだという言い方をしたまでである。


M-1に出たところまでは良かったが、最終的に解散することとなったオレにとっての10人目の相方。

彼に対してオレが今考えることは、意志疎通をするためには何が必要か、相手の立場に立つことはどういうことか。

それらをこれからの人生で身につけてもらいたい。

そう願っている。

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