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デモテープは消去せず残しておいてください。

フォロワーさんが100を超えたあたりから急に沢山の人に読まれるようになりました。急に増える境界線というものがあるんですね。最近読み始めて頂いた方も多いと思うのでこのnoteの方針をちらっと書くことにします。

これは基本的にはプロを目指す若い音楽家に向けて書いてます。彼らと接する機会が多いのでその度にここに書いてるようなことを話します。同じことを話すのが面倒になってきた、というのもnoteを書くようになったきっかけの一つです。

書き方は10分くらい、長くても15分で一筆書きします。文字数は700から1000字くらいです。後で見返すのは一回か二回くらい。文字校はするけど文章の推敲はしません。誰かに話をするように書いてます。話し言葉に推敲など出来ないですからね。私を実際に知ってる人が見たら話し方と似てると言うと思います。じっくり立ち止まって文章の構成など細部まで考えたりしません。時には何を書くか決めずに書き始めることもあります。言ってみたらこれはデモです。文章の自宅デモヴァージョンです。

私はアーティストのデモを聴くのが好きです。今まで仕事としても、それ以外でもたくさんのデモを聴きました。なぜ好きかというと、そこには完成品には無いみずみずしさ、生々しさがあるからです。

1980年代の終わり頃にジョンレノンのデモテープの音源が大量に流出しました。アメリカのラジオシリーズ「ロストレノンテープス」から大量に海賊盤が作られて、私も夢中になって聴いた覚えがあります。ジョンレノンは自分の声が嫌いなのでヴォーカルトラックに奇妙なエフェクトやショートディレイをやたらとかけたりダブルトラックにしたりします。プロデューサーのジョージマーティンに「ロックンロールに世界一向いてる声」と言われてもそれを無視しました。この「ロストレノンテープス」では「ロックンロールに世界一向いてる声」がオフィシャル盤以上に聴けます。鳥肌ものの歌がたくさん聴けました。

あなたは自分の声が好きですか?恥ずかしいと思いますか?そういうものを既に通過した人ならまだしもまだ歌い始めて間もない人は自分の声に馴染めないようです。私もそうです。当たり前ですよね。自分の声は空気振動よりも地震の骨や筋肉など身体の振動を通して知覚します。違って聴こえるのは当然で、ようはそれに慣れるか否かの問題でしかありません。

大事なことを書くのが最後になってしまいました。どうかあなたのデモテープは消去せずに残しておいてください。それは宝物かも知れません。あなたが思ってる以上に。

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